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Channel: 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
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由良川上流~大堰川上流を周遊して

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由良川上流~大堰川上流を周遊して

 

 

 

 由良川上流域に行ってきました.結果的に大堰川上流にまわって,周山に抜けましたので,上の表題になりました.

 はじめに向山鉱山の由利山鉱床を見に行きました.今般の大水で源頭付近から流れてきた低品位マンガン鉱がいくつか拾えました.

例:緑マンガン鉱の結晶.帰ってからアレガニー石の入っているレンズを刻んだところ出てきました.

 

 そのあと上流に向かい,知井中村を過ぎ佐々里方面へと進みました.田歌を過ぎたあたりで一つ滝を見つけましたので寄ってみました.滝は由良川の東にそびえる奥ノ谷山(811.0m)の西のコブを源頭にする谷の下流の二又に位置しました.谷名が不明でしたので,滝の名前はわかりません.

谷の入口.

 

入口に緑の若木が邪魔をしていますが,通り過ぎるときに一筋の線が見えて気づきました.

 

谷筋は倒木が多くありました.

 

対岸に層状チャートの壁が少し出ていました.周辺は白っぽい塊状チャートや黒色の頁岩ばかりが目につきました.

 

(無名滝).下の段差は80㎝くらいですが,上の滝は目測で4mくらいありました.

 

上の滝.その上にもいくつもの小瀑があるようでした.巻道は見たところ無いようで,それ以上は登っていません.

 

 

以下は,(無名滝)の周辺図です.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.

 

 

 滝を一つ見つけたので,気をよくして以前に鉄マンガン重石を見つけた河原の露頭を見に行きました.河原の石がブルで掻いてあり以前よりは見やすくなっていました.以前より増して空隙に水晶の入っている石英脈が目立ち,前に鉄マンガン重石を見つけた石英脈の露頭も,今回はまだありました.

 別の石で,石英脈に氷長石のような鉱物が脈状に走っている石がありました.母岩の石英脈に4~5㎝くらいの緑色岩が数個挟まっていて,内部が緑泥石化していました.石英脈の母岩は白っぽいチャートでした.氷長石のような部分はよく見ると柱状結晶していて,そこで氷長石ではないと判断しました.ひとまず手のひらサイズに割ってから,観察しました.割った裏面は一面に細かい水晶が生えていました.表面は赤茶けた錆に覆われていました.

 割ってから,表面を観察すると光沢が周りの石英よりも強いことに気づきました.それならと柱状鉱物が割れている箇所に劈開が無いか,詳しく調べたところ柱面に対して直角に完全な劈開がありました.どうも脈性トパズのようです.この付近からのトパズの産出の報告は皆無で,全く予想していませんでした.

 石英脈の母岩が白っぽいチャートなので,アルミニウム分が無いはずで,こういう鉱物は出来ない傾向ですが,この石は緑泥石化した緑色岩が挟まっているので,そこから供給されたのかもしれません.

脈性トパズ.まわりに細かい白雲母を伴っています.由良川流域では初かもしれません.黒色部は二酸化マンガンでした.(非売品)

上の拡大写真.

 

 この地よりさらに上流に遡った河原も寄ってみました.こちらも転石より脈性トパズの入った小石を一つ拾いました.

 

 それよりさらに上の河原にも寄ってみましたがこちらには石英脈自体が見られず,あったのは層状チャートと頁岩・玄武岩類くらいでした.

 

 午後は佐々里峠を越えて大堰川沿いを下っていきました.周山に抜ける前に祖父谷の河原にいきました.こちらも流路が確保して河原の石が両岸に上げてあり,いろいろな岩石を観察できます.水砕岩が多くあり,玄武岩も見られました.水砕岩に挟まれる石灰岩中にいろいろ化石を含んでいて,今までにコケムシ・石灰カイメン・単体サンゴ?・フズリナ類などを見ています.

 川原は歩き回って,一抱えほどある水砕岩に挟まる石灰中にかなりはっきりしたウミユリの茎を見つけました.母岩は非常に堅く,割りづらい石でしたが,うまくウミユリのついている部分が取れてくれました.

ウミユリの茎.表面は少し酸で処理しました.

 

 

この後,道の駅で野菜を仕入れて帰途に就きました.

 


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