研磨した石
いくつかの研磨した石209
先日に滝めぐりの際に見つけた,壁岩露頭のテフロ橄欖石-アレガニー石からなる炭マンを一面研磨して,どういう鉱物が含まれているのかを観察しました.
(研磨)比較的高品位の炭マンなので柔らかいと踏んで一気に磨り上げました.諸所に炭マンを切る石英脈が入っていましたが,難なく平滑にできました.
仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
菱マンガン鉱とパイロクスマンガン石からなる集合の拡大です.灰緑色部はテフロ橄欖石です.斜めに切る脈は石英です.
下のほうに何やら化石のような模様が入っていました.属種は不明.灰緑色はテフロ橄欖石.淡桃色は菱マンガン鉱.黒色は酸化被膜の二酸化マンガン.
菱マンガン鉱の多い部分です.
同じく,菱マンガン鉱の多い部分です.下のほうの茶褐色部はネオトス石?のようです.黄色のシミはよくわかりませんでした.
テフロ橄欖石の拡大です.石は斜めにして光の具合で凹凸を見ると,パイロクスマンガン石(もしかしたらばら輝石かもしれない)との境界がやけに凹んでいた.茶褐色の部分はカリオピライトかもしれません.
こちらは炭マンを切る石英脈を拡大しました.よく見ると繊維状になっていました.
この石英脈には少量の磁硫鉄鉱を含んでいて,その周りだけ鉄分の酸化で茶褐色になっていました.
こんな感じになりました.
当地で確認した鉱物は石墨(あるいは非晶質炭素物質)・磁硫鉄鉱・黄鉄鉱・閃マンガン鉱(灰緑色微粒ものもの)・石英・ヤコブス鉱・二酸化マンガン鉱・菱マンガン鉱・テフロ橄欖石・アレガニー石・パイロクスマンガン石あるいはばら輝石・カリオピライト?・ネオトス石?などでした.