案外,無い鉱物2
―単斜鉛重石―
産地:京都府亀岡市稗田野町行者山.(非売品)(稗は草冠が必要だがどういうわけかパソコンでは出ない)
Raspite 単斜鉛重石
[色]:白色・灰色・黄色・黄褐色・暗黄色・橙色・赤褐色・灰桃色・灰青色.
[光沢]:金剛光沢~ガラス光沢.
[結晶]:単斜晶系.板状・粒状・針状・毛状になる.
[モース硬度]:2.5~3
[比重]:8.5
[劈開]:{100}1方向に完全.
[条痕]:淡黄色~白色.
ほかHClで分解.紫外線での蛍光は無し.
案外,無い鉱物の2番手は単斜鉛重石です.17年くらい前にサンプリングした標本です.当初は輝蒼鉛鉱と思っていた.のちに当地でこの鉱物を記載した方に伺うとこの鉱物であるということが判った.「こういう色のものもある」とか.
その後に20年くらい前の石が出てきて,いろいろ探してみましたが,この鉱物はありませんでした.多型の鉛重石は紫外線に蛍光があって,判別しやすいのですが,この鉱物は蛍光しません.
当地の鉱物標本はかなり出回っているので,もしかしたらついているかもしれません.
以下,拡大写真です.
青色の部分が単斜鉛重石.白色部は石英.
白色―灰色で比較的粒の粗い石英中にパラパラとついています.ほかに目立った共存鉱物は無く,わずかに細かい白雲母を伴っていました.
今夜に写真を取り直しましたので,掲載しました.