いくつかの研磨した石198
京都府舞鶴市本谷西方 岡田鉱山のクロム苦土鉱―クロム鉄鉱くろを一面研磨しました.13年くらい前に訪問した時にサンプリングしました.現場までは行きついたのですが,ルートマップ等を残しておらず,植林の中に多少ズリがあった程度にしか覚えていません.
先日に整理していると,ポロっとサンプルが出てきました.処分しようか迷いましたが,研磨にまわしました.
(研磨)粒が比較的揃った黒色の塊状なので,これで磨った時の条痕の色が淡ければクロム苦土鉱だろうと踏んで,磨り始めました.削りカスの色は暗茶褐色で,微妙なところのようです.磨っているときに滑るような感覚があり,蛇紋石系の鉱物が随分と混入しているようでした.仕上げははじめに青砥でやっていたのですが,思った以上に光沢が出ず,塩基性凝灰岩を一面研磨したチップで擦ると光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です.)
クロム苦土鉱―クロム鉄鉱のほかに,左上のほうに劈開のある黒色の鉱物が含まれていました.鉱物名は不明です.
こちらはクロム苦土鉱―クロム鉄鉱の粒間に茶褐色の物質(鉄に富む蛇紋石系の鉱物かも)が脈状に充填したようになった部分の拡大です.粒の部分よりも若干硬度が低いのか,先に磨れて凹んだようになっていました.
比較的粒の粗い部分の拡大です.こちらも粒間に前出の茶褐色の物質が埋めていました.黄色の部分と同様の鉱物かもしれません.
粒の粗い部分の拡大です.一部に黄銅鉱が入っていました(中央やや右上付近).ほかに黒色板状の赤鉄鉱のような鉱物も入っていました.ほかの部分には黄鉄鉱も含まれていました.
間隙に入っている板状の鉱物を拡大してみました.粒状や八面体に見える鉱物はクロム鉄鉱―クロム苦土鉱,あるいはクロムスピネル.長板状に見える鉱物をいろいろ予想してみましたが,思い浮かびませんでした.
研磨していない部分を顕微鏡で観察すると,何か手掛かりがあるかもしれないと思って,拡大写真を撮りました.
板状の鉱物がありました.左上の方に見えているやや光沢の鈍い金属鉱物はクロム鉄鉱―クロム苦土鉱―クロムスピネル系の鉱物.中央のペラっとしたのが赤鉄鉱か?と思われる部分ですが,もっと拡大してみたところ,ガラス光沢に近く,光が透るような感じのする鉱物で,別のなにかの鉱物だと思う.
顕微鏡下で黄銅鉱や黄鉄鉱などがあったので,いろいろ変な鉱物が出そうな気配がありました.機会があれば再訪してみようと思う.
おしらせ
本日 HP通販用商品を
3点 追加更新しました.