ようやく 199 まできました.
いくつかの研磨した石199
京都府南丹市美山町佐々里奥八丁山 掛橋鉱山のパイロクロアイト―ファイトクネヒト鉱からなる鉱石を一面研磨しました.
研磨面以外の面です.
上の標本は6年ほど前に訪問した時にサンプリングしました.由良川の支流の佐々里川の源流近くにある奥八丁山の南尾根にあった鉱山です.尾根近くには二酸化マンガンが多くみられましたが,下の方の曲渕があるところなどに,炭マンが引っかかっていました.転石の一部です.破面をみると,淡桃紅色のアレガニー石,褐色のパイロクロアイトから変質したファイトクネヒト鉱からなる集合があったので,標本名はパイロクロアイト,ファイトクネヒト鉱と記入していました.
ちいさなサンプルなので,裏面を一面研磨にまわしました.
(研磨)基本的には炭マンなので簡単に磨れると思い,磨り始めました.茶褐色の部分が軟らかいためか先に磨れて,凹みが出来てしまいました.サンプルがもう少し大きかったら,柔いところと硬いのを分けて磨るのですが,小さいため一気に磨ってから微調整しました.仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡写真です)
磨っているときに淡紅色のパイロクロアイトと,判定していましたが磨っているうちに酸化してしまったのか褐色味を帯びてしまいました.
アレガニー石を伴っている部分の拡大です.淡紅色がアレガニー石です.黒色部は非晶質の炭素物質のようで,白色部は菱マンガン鉱です.
褐色味の多い部分の拡大です.
磨ってみて緑色の重晶石を含んでいることが分かりました.結構濃い色をしていました.
黄色っぽい緑色部が重晶石です.
緑色部は重晶石です.黒色の粒状は非晶質の炭素物質です.
掛橋鉱山の産出鉱物の一つに,サセックス石があって,もしかしたら入っているかも~ っと期待して磨ってみましたが入っていませんでした.