鉱物の顕微鏡写真78
―クレーベルスベルグ石,ペレータ石―
産地:Pereta mine, Pereta, Scansano, Grosseto province, Tuscany, Italy.
(非売品)
Klebelsbergite クレーベルスベルグ石
[組成]:Sb4[(OH)2|O4|SO4] 直方晶系
[色]:無色・白色・灰色・灰黄色・淡黄色・黄色・橙色・朱赤色・赤褐色.
[光沢]:ガラス光沢~絹色光沢.
[モース硬度]:3.5~4
[比重]:4.62
[条痕]:白色~黄色.
ほか,脆い.
Peretaite ペレータ石
[組成]:CaSb4[O2|OH|SO4]2・2H2O 単斜晶系
[色]:白色・灰色・淡黄色.
[結晶]板状.
[光沢]:ガラス光沢.
[モース硬度]:3.5~4
[比重]:4.06
[劈開]:{100}に完全.
[条痕]:白色.
今回はアンチモンの二次鉱物にしました. アンチモンの二次鉱物はたくさんあるのに,本邦産ものは余り研究が進んでいないらしく,お目にかかれないでいる.標本は以前どこかのショーでサンプル購入したものです.
ペレータ石の原産地標本ということで,よくわからないまま購入しました.そのあとくらいに,市之川鉱山の輝安鉱の分解物としてクレーベルスベルグ石とコカンド石が記載されました.
標本の産地は資料に因ると珪質石灰岩中の鉱脈鉱床で,主に露天掘りで採鉱された鉱山とのことでした.標本を見ると母岩はやや錆て光沢の鈍い輝安鉱中の空隙に細かい鉱物が生えていました.黄色い毛状のものがやや立派に見え,こちらが元ラベルにあった鉱物かと思っていました.Web上で写真を検索していると,黄色っぽい針状の鉱物はクレーベルスベルグ石で,ペレータ石は横の方についていた石膏のような外観の鉱物でした.
組成を見ると,黄安華に石膏の組成を足したような感じになっていて,妙に納得しました.
(以下,顕微鏡写真です)
クレーベルスベルグ石.鋼灰色金属光沢の輝安鉱の結晶の間隙に微細な結晶が集合していました.
2枚目の写真の拡大しました.
こちらは別の部分についていたクレーベルスベルグ石です.黒色っぽく写っているのは輝安鉱.
ペレータ石.購入時に矢印が振ってあった先にあった結晶群.結晶を横から見ると薄い板状になっていました.
上の写真の裏側を撮影.
こちらは別の部分に付いていたペレータ石.
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