筆者の標本に大原野小塩山の水晶というものがある。以前にあるコレクターから提供されたものだが、母岩が流紋岩質でこのあたりの地盤の岩石とは異なっていた。大枝付近は丹波帯の古生層から中世層で主に頁岩及びチャートからなっていて、部分的に岩脈として流紋岩質岩が入っていてもおかしくはないがちょっと異質だったので、確認のために小塩山に行きたかった。
なかなか行く機会がなく、今回やっとその機会ができた。ついでに昔一度だけいった釈迦岳とポンポン山を結んで歩いてみた。
善峰寺のバス停まで送ってもらい、道標に従って釈迦岳経由で登ることにした。
ここから歩き出す。
バス停から始めの道標まで車道歩きだが、谷筋にむりやりつけたような道でかなりの勾配があった。登山道よりも辛い急坂だった。
沢の南側の急斜面についた細い道を進む。手すりの要りそうな斜面につけられた道で、足を踏み外すとえらいところまで落ちてしまいそうな道だった。それでも道端の木々には植物名プレートが、滑り落ちそうな斜面にでも備え付けてあった。このあたりの露頭はやや風化した頁岩で裂罅に淡い粘土層を挟んでいた。
斜面は急だが展望はいいほうで、善峰寺の坊の奥に京都市内が望めた。
道は尾根を回り込んで植林となり、尾根を乗り越した先で分岐となった。分岐は左へ行くと展望台となっていてすぐ先だった。少し寄り道をして見に行ったが、若木が成長してほとんど展望は無かった。
釈迦岳方面へとり、植林の中を緩やかに登ると柳谷観音との分岐に着く。直進すれば釈迦岳で西へ行くと柳谷観音方面に至る。
直進し、尾根の南側を西進する。左手に沢が登ってきて並走するようになってきた。沢を渡る手前の右側に炭焼き窯跡があった。坑口と思ったが瓦の割れはしやトタンのクズが見られるため炭焼き跡のようだ。
沢を渡り対岸のやや急な支尾根を直登する。このあたりが一番急坂のようで、約2℃という外気温だったのでかなり着込んでいたのが裏目に出て、先の尾根を乗り越したさきで休憩したら、背中じゅうが汗だらけになっていた。
尾根を乗り越すとやや平坦になり、50mほど緩やかな道を進むとまた直登りになり、それを過ぎるとまた平坦な道になった。堀切か? 城跡かもしれない。
城跡かもしれない段々を登っていくと主稜線の分岐に着いた。
分岐から山頂まではすぐのはずなので、休憩をとらずに一気に登った。山頂までは城跡の郭を思わせるやや尖ったピークがいくつかあり、その中でもやや広いピークが山頂だった。登山道の延びる北西斜面は切り立った崖になっていた。やはりここは城跡の主郭かもしれない。
山頂の三角点。角柱の端がなぜか欠けている。昔来たときはきれいな御影石の三角点だったのに...
ありしころの三角点。どこも欠けがなくきれいな御影石。2004年5月18日に訪山。
山頂も山名プレート数枚があっただけなのにベンチと机が整備されていた。
善峰寺から釈迦岳とポンポン山を経て老ノ坂へ2 へ続く。