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Channel: 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
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初登り3

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 昨日の続きです。


 山頂を辞して北西に延びる尾根筋を採った。頂上からはやや急坂が続くがすぐに平坦な尾根になった。尾根の先のコブに一つ砥石を掘った坑口とズリを見つけた。



砥石掘り跡のズリ。どういうものが良質の砥石かはわからないが、表面が白色~少し黄ばんだものが多く見られた。



砥石の坑口。上の写真のズリの奥にある。穴は伐採された木で塞がれていた。


 

 さらに西進し尾根を回り込んで幅のある尾根になってくると先の地面が掘り下ったように凹凸のある部分に出た。明らかに砥石を掘った跡で、深く掘り下げられた北側の源頭付近に露頭も見られた。



砥石の掘り跡。この掘り跡の向かいに広い台地がありここにたくさんの砥石のかけらが落ちていた。この付近の地形が分かるような部分を何枚かカメラに収めたが、いずれも落ち葉が降り積もっていてよくわからなかったので、上の写真のみを挙げた。


 砥石にコノドントがついているものが多少見られたが、すべて内部は溶け落ちていた。ここの砥石は尾根のコブにあった坑口のものよりも青色味が強く板状に剥離するものだった。

 砥石の掘り場から一つ尾根上のコブを過ぎた。コブの西側に内部の見える坑口が一つあり、何を掘っているのかズリを確認すると二酸化マンガンだった。

 この付近に「神吉鉱山」という二酸化マンガンを掘った山があったのだが、永らく現場が不明だった。龍王ヶ岳から尾根をずいぶんと歩いてきていたので、少し疲労も感じたが、一通りどれだけの坑口とズリがあるのか見て回った。

 尾根の内部の見える坑口から北へ斜面を数メートル下ったところに2つ、その地点より西に10メートルほど行った所に1つ。この2か所の坑口群のちょうど中間あたりに鉱山道と思われるわずかに残った径が通っていた。

 さらにこの坑口群の下に幅10メートルくらいの露天掘りのような跡があって、その下数メートル下の斜面に2つ坑口とやや大きなズリが残っていた。



下部の坑口。正面奥に少し見分けづらいが、黒い部分があり少しだけ開いている。


 尾根筋の内部の見える坑口以外は、坑口があったと思わせる凹部が残っているだけで、内部を確認できるような坑口はなかった。

 事前に、この鉱床のことは地元の人から、昭和26年~27年ごろに稼業していたそうで、夕方ぐらいに近くを通ると坑夫が山を下りてくるのを見たという証言を得ていた。それをやっと見つけることができた。

 鉱石は主に二酸化マンガンで、硬質でややしっかりしたものから石英及びチャートに絡み合ったり染みたりしている低品位のものまで見られた。採集に来たわけではないので、ほかの鉱物は見ていないがこれからもっと色々な鉱物が見つかるかもしれない。

 

 鉱山からはわずかな距離で、紅葉峠へ至る道に出た。




初登り4に続く。

 

 

京都亀岡で天然鉱石の販売ならミネラルショップたんくら


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