天気が悪いため今日も手持ちの標本の整理をしていました.
何か単発で書くものは無いかと探していたところ石灰岩中の
水晶が出てきました.以前に知人より提供を受けたサンプルで
す.
写真を撮ることと同時に以前のラベルを今の地名に書き換
えました.
標本は小さなもので,布賀の高温スカルンの大理石から
ゲーレン石が浮き出たような外観の石です.
産地:高知県高知市土佐山弘瀬.(非売品)
通常の水晶は石英脈の肥大部にできてたりしますので,
産状が異なっています.気になってずっと残していました.
今回は手元に顕微鏡が無いためルーペ押し当て法で撮影
しました.
上の写真の拡大.(画像の幅約10mm)
こちらは別の部分の拡大です.(画像の幅約4mm)
普段見る結晶の形が異なり,高温石英に近い結晶の形をして
いるようです.産地の付近は一度行ったことがあるのですが,
熱源になるような火成岩は無く,少し南方へ行くと蛇紋岩が多少
あるというくらいです.このときは鉄マン鉱床を観に行きました.
母岩の石灰岩は肉眼で判るような化石はほぼ見当たらず,
灰白色緻密な塊状のものです.
標本箱に当地の標本は2つ入っていて,母岩の感じが観察できる
ためこちらも挙げておきます.灰白色緻密な石灰岩です.写真中
央から左上に石英が入っています.脈のように見えるのですが,
拡大すると途中で途切れていますので,脈では無いようです.
4枚目の写真の部分拡大です.こちらの石英は頭がしっかりと確認
できました.よく見ると山入水晶のようです.多少青味がかっていま
す.(画像の幅約6mm)
別の部分の拡大です.(画像の幅約10mm)
4枚目の写真の中央当たりの脈状に見える部分です.
この石の一部分を一面研磨しました.石英に当たる部分を磨って
いたところ,以前に鳥の巣石灰岩をサンプリングした時に出た,
石油臭が若干しました.もしかしたら結晶内部に石油やガスが入っ
いるのかもしれません.(石灰岩自体に含まれている可能性もある)
思い出したように,以前入手した千葉石のサンプルを出し,割れ目
が出ている部分を探すと,よく似たものがありました.こうなってくると
あとは分析に頼るしかないので,眺めて楽しむ用にとっておこうと
思っています.
最後に水晶の抜けた跡です.水晶に接していた部分の方が水晶単
体よりの光沢が強いように思えてしまう.気のせいでしょうか.