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鉱物の顕微鏡写真36 ―鉄天藍石―

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鉱物の顕微鏡写真36 ―鉄天藍石―

 産地は同上に記載しています.パソコンでは発音のための記号が

どういう訳か出ませんので,画像を加工するときに産地を併記しま

した.(非売品)

 

Scorzalite   鉄天藍石

組成:(Fe,Mg)Al2[OH|PO4]2  単斜晶系

色:濃青色・灰青色・帯緑青色ガラス光沢.

比重:3.27

モース硬度:5.5-6

劈開:[001]良好

条痕:白色.

原産地:Corrego Frio mine, Brazil.

 

 顕微鏡写真シリーズの更新が隔月になってきました.撮影の出来

や加工の進行具合でなかなか更新できませんでした.

 今回は北欧産の標本を顕微鏡観察しました.いろいろな鉱物が

表面に沢山入っています.閃長岩質岩に挟まっている特殊な岩石

の割れ目や脈状に入っているそうです.

 

 ルーペでも観察できるのですが,顕微鏡が一台あると以前から持

っていた標本でも視野が広がるような感じがして,色々便利です.

 標本は以前に何処かの標本屋でサンプル購入したものです.本邦

ではあまり見られない気色の変わった石なので,個人的には気に入

っています.

 

 灰青色の母岩の上に光沢の強い鉱物がたくさん乗っかっていて一

番に目を惹くのは赤褐色の金紅石(ルチル)です.表題の鉱物は

その周囲にある濃い青色の部分です.

 

 

 

顕微鏡下での撮影です.赤褐色の部分がルチルです.青色部が

鉄天藍石です.

 

顕微鏡下での撮影です.濃い青色の部分が鉄天藍石.

 

ほかの部分の拡大です.

 

 

 

母岩の方も前述しましたが淡い帯緑青色でやや結晶質なので

色々な文献を漁ると藍晶石(Kyanite)だそうです.

 下の写真は標本の側面の写真です.

右側面.

左側面.

 

 細かい白雲母を伴っています.ほかこの標本には乳白色の石英の

ような部分があり,文献ではベルリン石(Berlinite)だそうですが,

肉眼ではよくわかりませんでした.この標本のルチル以外はすべて

アルミニウムが共通成分です.

 

 

次は本邦の標本です.

 当方がサンプルで所有している標本は2か所で,一つは付いている

部分がかなり小さくて撮影に堪えないので,今回はパスした茨城県

雪入山のペグマタイト中に挟まるもの.もう一つは比較的良く出回って

いる蝋石鉱床からのものです.

 

山口県阿武郡阿武町日の丸奈古鉱山の鉄天藍石です.周囲の白色

部は燐礬土(Augelite)です.鉱染している程度のものです.どういう訳

か結晶質のものはあまり無いようです.

 

更に拡大するとようやく粒状の鉄天藍石が見えてきました.顕微鏡

とカメラのズームではこれが限界のようです.

 

 この標本にはほかにトロール石と無色に近い紅柱石と黄鉄鉱を

伴っています.こちらも黄鉄鉱以外はアルミニウムが共通成分で

した.

 

 

 

 

 

 

 


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