いくつかの研磨した石78
福井県三方郡美浜町耳川の菫青石ホルンフェルスを
一面研磨してみました.以前に川原遊びで当地に訪問した
時に参考しサンプリングした石を切断したあと,しばらく放り
っぱなしになっていました.その石の切断面を一面研磨しま
した.(非売品)
現場付近は雲谷山花崗岩の貫入によって熱変成を受けて
堆積岩がホルンフェルス化しているようで,尾根を越えた西側
に鳥浜の桜石の産地があり,そこから少し南にずれたところに
ひととき神保石や桃井石榴石の産出で有名になった藤井鉱山
があります.
耳川の上流の左岸は花崗岩ですが,右岸側は多少の岩脈
はあるもののはるか東方の江若花崗岩までは,丹波帯の堆積
岩層で,小規模な石灰岩体を挟んでいるようです.
研磨:表面が多少なりとも風化しているので案外軟らかいと
思ったが,中は非常に硬く往生しました.
いつも使用している荒砥では歯が立たず,工業用砥石で粗
削りしたあと,中砥と仕上げをしました.
以下顕微鏡写真.
写真中央部は不定形の菫青石で雲母に変質しています.
やや粒子が細かい部分です.丸っこい輪郭は不完全な桜石.
こちらは桜模様のはっきりした桜石.桜の部分は主に白雲母
になっているものと,大きなものは中心が緑泥石になっていました.
もう一つ.
以前に入手したルートとは別ルートで入手した標本です.切断
されたもので,切断面を一面研磨してみました.標本ラベルには
「雪入 石津建材」としか記載がなく,鉱物名も記載がありません
でした.(非売品)
燐酸塩ペグマタイトで有名な当地は公園になったらしいというの
を以前に人づてに聞いたが,Web上でも確認できました.
ちなみに現場へは,筆者は行ったことがありません.
(研磨)暗色の石英が非常に硬かった.灰白色の長石様の部分が
早く摩耗して凹みができてしまうため,先に荒砥で石英の多い部分
を研磨しました.平滑にするのが大変でした.
裏側も当然切断面なので,こちらも研磨してみました.
こちらも石英が多く簡単に擦れてくれませんでした.一部に藍鉄鉱
かな~っと思う部分が柔らかく,赤褐色や黄褐色に色づいた長石
部は案外硬かったです.
黒色部は藍鉄鉱と思ったら観察して検討したところ鉄電気石
でした.灰白色中の青っぽいところが藍鉄鉱のようだ.
こちらは雲母の多い部分.暗灰色は石英で,柱状に見えるのが
白雲母.鉄分で染まったのか俄かに黄色付いている白色部は
長石.
真ん中の赤い部分は鉄礬石榴石.その周りの灰白色は長石.
上の方に細かい藍鉄鉱を伴っている部分が多少青色味があり
もしかしたらトリフィル石かもしれない.
これは裏側を磨ったものです.黒色―青色部が藍鉄鉱のようで
暗灰色部は石英,白色―灰白色部は長石か,トリフィル石?か
よくわからない.
今回はたまたま切った石があったので購入して磨ってみました.
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