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口丹周辺にて

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 最近本当に暖かくなってきました。持病の花粉症も峠を越えたようで少し安堵しています。それでも風の強い日に外へ出るととんでもないことになる。

 桜の開花は一瞬だが、スギとヒノキは長く毎年この時期が近づくにつれて憂鬱になってきます。


 どこかスギ花粉の少ないところはないかと思い、向かったのが丹波Ⅱ帯の山。京都府下は杉山が多いが、兵庫県側は少ないはず。勝手に決め付けて現地に向った。

 ついでに、地元のK鉱山に寄り道した。筆者が初めて鉱物を採集した思いで深い産地で、台風による大水で鉱石が流出してからは、殆ど行かなくなった。

 坑口の写真も撮影したかったし、現状を観るためにも寄ってみた。大正池の畔に駐車し、林道を登っていく。

 杉林の中に突入したが、全て枝打ちされていて目視で確認できるような花は見られず、症状も軽かった。

 川原に下りて鉱石を探す。昔はちょっと探すとパイロクスマンガン石やテフロ橄欖石などが簡単に見つかったが、今は様子が異なっていた。転がっている黒い石は殆どが頁岩で、表面に二酸化マンガンの薄い被膜が出来ていて、持ってみるまで判別が難しい。

 表面が黒色の岩石はほかにもあり、比較的重く非常に堅いが中まで同じ色のホルンフェルスや人工物の瓦の破片などがよく目立った。

 水の無い堰堤を登り、次の堰堤との間に少し鉱石が見つかった。アズキ色炭マンを貫くヤコブス鉱、灰緑色のテフロ橄欖石、「ガラス」のを染める程度のパイロクスマンガン石などが見られた。

 川から上がり、大切坑を確認しに行った。大切坑は対岸にあり、丹波では比較的大きなズリが残っている。ズリは頁岩中に石英脈が入ってものが多く、かつて下のズリで長さ約40mmの無色透明の水晶を拾ったことがあった。

 マンガン鉱石は大切坑に向って右側に少し盛ってあった。表土が分厚く堆積しているが、この中から層状炭マンと重晶石の入った炭マンを見つけた。

 ズリと大切坑をカメラに収めて、奥の6号坑を見に行った。落ち葉の堆積する溝状になった道は滑りやすく歩き難い。6号坑は以前より上部が崩れて殆ど見えなくなっていた。道は沢の上部を経て尾根にあがり、尾根筋の二酸化マンガンの旧坑群に延びている。


 途中で引き返して篠山方面に赴く。

 何を思ったか能勢方面からハラガタワ峠を経ていった。盆地に入り三岳の尖峰が見えてきた。昨年の夏に運動不足の解消の足しにしようと、山頂まで歩いた。

 南側に珪石鉱山があり、見た目に美しい赤白珪石を産している。これを見に行くことにした。赤白珪石は耐火煉瓦の原料だが鉱山は閉山して久しく、元の山に戻りつつある。今回は春先なので下草が無く行き易かった。

 橋の横に駐車し、ズリのある対岸を川に沿って下っていく。ものの数分で現地に着いた。下草が無いせいか以前より探しやすかった。

 普通に赤いチャートより白色部が混在し朱赤色が混じったものが見た目的に美しい。(写真下)


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 赤白珪石を割っていると、割れ目に濃緑色の緑泥石が一面に付いていた。よく見ると鱗片状をしていることが分かる。なぜか白色珪石部を伴っているところに産するものだけが鱗片状の結晶群が見られた。

 以前に上の写真の石より、暗色がかって泥質層の挟みを含んでいるものの割れ目に繊維状の轟石-ランシー鉱様鉱物を見つけているが、今回は見られなかった。

 一通り遊んで、山を下りた。


 帰ってから、水洗いをした。



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暗かったのでフラッシュを焚いてみたら、鮮やかな朱色がきれいに写ってくれた。「ひうち石」にすると火花が恐ろしいくらいに出るそうだ。

 この鉱山のほかにも幾つか珪石鉱山があり、何度か探しに行ったが、上のような美しいものは無かった。



京都亀岡で天然鉱石の販売ならミネラルショップたんくら


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