久々の遠出でした.大雪の懸念もありましたが,昼過ぎから雨は上がると思い連れてもらいました.
山陽道で福山まで行き,まずはS鉱山から行くことになった.赤い屋根瓦が多く出てきて,広島に来た感した.
旧 山陽道から少し入ったところにある銅山.見つかったズリは1箇所だったが,広く掘られていたようで,古い文献には製錬所と尾根筋に社宅があったようで,狭い舗装道の脇にはいかにも古そうな墓地があった.
坑口は,ズリの下の1箇所と,ズリの上に2箇所開いていた.
ズリの上にある坑口.
ズリの石を漁る.黄色い二次鉱物が一面についている汚い石が見られ,初成を探すと,坑口に近い土盛りに硫砒鉄鉱が少し見られた.
Arsenopyrite 硫砒鉄鉱.母岩は変質して絹雲母化した花崗岩.塊状鉱はあまりなく,斑状に入っているものが多かった.
ほかに貧弱な黄銅鉱と黄鉄鉱・方鉛鉱・閃亜鉛鉱が見られた.このあたりの鉱床はなぜかこういう硫砒鉄鉱を産するところが多い.
小雨だった雨が止んできて,次に向かう.旧 山陽道を北上し府中に向かう.新市から北へ少し進んだ寺の奥にK鉱山があり,明治中ごろには採掘していたようだ.
奥に土盛りがあったので,周辺を探索するとカラミが見られ山元で製錬していたようだ.谷の奥に竪坑跡があり,これは埋められていた.左岸に旧坑と思われる凹地があり,孔雀石で染まった母岩が落ちていた.主要坑口は谷の右岸のようで,カラミの転がっている斜面を少し登ると,2段の平地の奥に凹地になった坑口跡らしきものがあった.
鉱石はほとんどなく,花崗岩中の赤鉄鉱を伴う鉱染鉱床のような石だった.銅分はあまり無さそうで,赤鉄鉱の脈中に半自形結晶をなした黄鉄鉱が挟まってる程度だった.脈石に牡蠣殻状方解石があった.表面に分厚そうな孔雀石が覆っていた.
ほかに少量のブロシャン銅鉱と珪孔雀石などの二次鉱物が見られた.とくにほかのめぼしい鉱物もなく,陽が傾いてきたので帰る準備をした.
帰りに日吉鉱山に寄ったが,ズリの石は青色味を失っていて,貧相なズリに変貌していた.初めて来たときは真っ青だったズリだった.
製錬所跡横のズリで,鉱石らしき石を採取できた.黄銅鉱と磁硫鉄鉱からなる石で,ここのズリでは初めて見た.
ほかに特に見るべきものもなく写真だけ写して帰途に着いた.
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