Quantcast
Channel: 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1632

北摂のK鉱山にて

$
0
0

 先日に,写真を撮りに行くついでにK鉱山の鉱石も探そうと思い,出かけた.

 奇妙山親鉉と七宝山親鉉のどちらに属するのかよくわからない位置にあり,

県道から僅かに入った山の中にある.訪山は2度目で,前回は2005年ごろで全く記憶がない.標本箱に入った標本も探しては見たが,いわゆる「ビリひ」(ひは金偏に通る)で,やや粗粒の石英脈中に僅かに黄銅鉱と閃亜鉛鉱がついている貧弱なものだった.

 入り口は県道脇に見える旧道沿いの鳥居のところから入る.入ってすぐにカラミ(鉱滓)が大量に目につく.神社に登る道は倒木で塞がっていたので,沢沿いに進む.わずかな距離で二股になり,右へ行くと前回行ったときに採集したズリに至る.この日は直進した.谷はやや狭くなり左岸に一つ大きな坑口がある.入り口は崩れていてよく見えない.坑口の横(上流側)に小屋が建っていたのか土台だけ残る.鉱石は入り口から探しながら登ったが今のところカラミばかりで何も無し.

 上流に進むとかなり大きなズリが沢を埋めて雪崩れている.下の方にはやや大きな石があるが,青物の吹いているものは見られない.先程の坑口の上あたりにも坑口(中は見えない)があり,対岸の右岸にも這って入れるような小さな穴が向き合うように開いていた.ズリには誰かが設置したのかトラロープが上の方から垂れていた.トラロープの始まるところから左岸を少し登ると,段々になっていて,その一番下に入り口の崩れた坑口が一つ.そこからすぐ上に登った段にかなり深そうな竪坑が口を覗かしていた.

 下の坑口も上の竪坑の周辺にも青物のついている石は全く見られず,その先は特に遺構などは無く,ズリの一番上に露頭(大岩)が見えていた.大岩に近づくとところどころに掘り下った竪穴が開いていて,足元が少し恐ろしい.大岩の露頭は急斜面にある上に急峻で足元の悪い靴では怖いので,竪坑のあった斜面から巻くことにした.

 当然道などは無く,斜面に生えている木々に必死にすがりつきながら,上を目指した.尾根に近づくと登りは緩くなり,神社の跡を越えると尾根だった.

 先程の露頭の大岩を尾根伝いに見に行った.下から見ていたら大きな岩に見えたが,上から見ると特に何ともなく,何度か通過した.登りついた地点から露頭の上方面に30mほど行くと尾根の突端で,ダム湖と奥にプラントが見えた.

 帰りは,参詣道と思われる杣道を採った.ズリの位置を確認しながら下る.道は南の尾根を越しそうになったので,南の尾根に沿って下っていくと,ズリの一番下の坑口の前にでた.

 これまでに鉱石質はおろか二次鉱物も見ていない.ズリの中段で緑鉛鉱らしいものを一つ見たが,貧弱なもので荷物にしたくないため放置してきた.

 大きなズリのある谷は特に何もなく,入り口から入ってすぐ右の谷のズリに向かった.前回に採集できている貧弱なズリだ.吐合からすぐズリで2段になっている.前回は上のズリで採集した.探すが一向に見つからない.上の坑口のある方まで足を延ばすが何も見つけられない.

 暗い現場の所為ではなく本当に何もないズリで,下段の腐った頁岩の散らばっているところで少し探した.水害で深く掘れた木の根元からいくつかそれらしい石を拾い,割っているとやっと黄銅鉱と硫砒鉄鉱の入った貧弱な石英脈が出てきた.割れ目に二次鉱物が少し吹いていた.

 それ以外は大したものは無い.頁岩側に少し入った石英脈中に小さな方鉛鉱を見たのみだった.

 

 晩秋の日暮れは早く15時半ほどで切り上げた.帰りに湖畔を歩いて,永泰橋まで行った.永泰橋付近には文献に「ばら輝石」と「ホタル石」の記載がある.気になっていたので,橋の下にまわってみた.橋の下付近をぶらつきながら探してもそれらしきものは見当たらない.大量にあるのは超丹波の緑色岩が熱変成を受けてホルンフェルス化した堅固な岩石に単斜灰簾石の脈がはいっているものだった.

 迎えの車に拾ってもらい,帰り際にすぐ近くの能勢銅山の一つの穴に寄ってみた.既知の能勢銅山は府道からズリが雪崩れて見える地点だが,今回寄ったのはそこを回り込んだカーブのところから入る.スロープがついていて,その先はヤブ.ヤブを少しかき分けてすぐに坑口が2つ見えた.いずれもコンクリで蓋されている.ズリはスロープのすぐ上で,灰鉄輝石を主とするスカルン中に黄銅鉱や閃亜鉛鉱が鉱染するような貧弱なものが見られた.

 

 

京都亀岡で天然鉱石の販売ならミネラルショップたんくら


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1632

Trending Articles