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亜炭・泥炭中の鉱物

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石の話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜炭・泥炭中の鉱物

 

 

 今日,裏の手の作業場を片付けていました.岩石標本にしようと,いろいろ集めたものの片割れとかが出てきました.そのうちの一つにレジ袋に入れた亜炭・泥炭が出てきました.以前に泥炭層を観察に行ったときのサンプルで,よく風乾していました.半分炭化した木炭と木節の観察できる木片が混じった泥岩で,一部が層状になっていました.層状のところは乾燥した時にできたと思われるクラックがたくさん走っていて,素手で少し力を加えると簡単に半分になりました.

 サンプルは現生の植物の根っこや菌類などが入りそうにない,最近崩れたような露頭から少し表面を掘って,そこから外したと記憶するサンプルです.

 半分になった泥炭の表面をルーペで観察したところ,かなり微細ですが,白色で結晶質の部分があったので,顕微鏡下で撮影しました.

木節に接する泥岩の上に,半球状でガラス光沢を呈する集合.肉眼ではかなりガラス光沢で,細かい板状の結晶が集合しているように見えました.石膏かも.

 

こちらは不定形で,粘菌のようにも見えましたが,光沢が強く鉱物質のようです.

こちらは,真珠光沢の微細な板状に見える輪郭を持つ鉱物?の集合です.一部が亜ガラス光沢から真珠光沢になっていました.

 

こちらは,炭質部に挟まっていたコパル質の部分です.真ん中の乳白色―淡黄白色の部分が不明です.紫外線は未だ当てていないのですが,何かの鉱物だったらと思って,この石も残しました.この石の対となっている欠片に蜜蝋色のコパルが残っていました.小さな泥炭の露頭でしたが,コパル―琥珀系の樹脂の化石は含まれているのだな―と感じました.

 

 いづれも未だ分析しておらず,単なる現生の植物かもしれませんが,本邦にも有機酸塩鉱物なるものがこういうところからあっても不思議ではなく,こういう鉱物にも焦点が当てられてもいいかもしれない.

 


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