顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真176
―マケドニア石―
産地:Långban mine, Långban ore district, Filipstad, Värmland county, Sweden.
(非売品).
Macedonite マケドニア石
[組成] PbTiO3
[結晶] 正方晶系.自形結晶は角柱状・粒状など.結晶は非常
に脆い.
[色] 淡黄色・黄色・黄橙色・黄褐色・暗黄褐色・褐黒色・黒色
など.
[光沢] ガラス光沢~亜ガラス光沢.
[モース硬度] 5.5~6
[比重] 7.82~8.09
[劈開] 無し.
[条痕] 灰黄色.
[原産地] Crni Kamen, Alinci, Prilep municipality,
Republic of North Macedonia.
[名称] この鉱物が発見された地域に因む.
ひさびさの更新です.今回はマケドニア石にしました.十数年前に購入した標本で,MacedoniteとMagnetplumbiteの2つの名称が記載されたラベルがついていました.外観が全体的に赤っぽい石で,その中に黒色の微細な粒状の鉱物が鉱染するようについていました.
売り手に「どこ?」と伺ったところ,赤色の中に黒色の立方体に近い結晶がマケドニア石で,同じ黒色で太短い柱状になっているのがMagnetplumbiteだ.」とか.「いずれにしても小さいものなので,顕微鏡遣って探してみたら~」という返答でした.手本が近くにないために,上の旨をラベルに書き込んで,しばらく放置状態になっていました.
最近になって,海外産の鉱物を整理していたところ,この石が出てきて,ラベルを書き換えるついでに顕微鏡下で撮影しました.
表題の下に挙げた画像のほかにも,詳しく見ていったところ,ポツポツ入っていました.表面がやや錆びて虹色ないし青色味がかっている黒色粒状の鉱物はMagnetplumbite(磁鉛鉱)でした.この鉱物の集中している部分は確かに,磁石が引き寄せられました.
それから,全体に入っている赤褐色・赤色の部分は顕微鏡下で,強い光源のもと撮影すると赤味を帯びた橙色ないし黄褐色の粒で,劈開が観察できて,輝石のようでした.検索をかけているとシェッフェル輝石だとか.
それらに混じって白色の方解石と,蛍光のあるハイアロフェン長石が入っていました.