露頭めぐり
高良城川
三重県伊賀市上阿波
先週に引き続いて,今週も高良城川の流域に行きました.地質図に掲載のある泥質変成岩中にレンズで挟まっている石灰質変成岩,さらにその変成岩を閃緑岩質の岩脈で切っているような感じで掲載がありました.どんなところか,ちょっと興味あって,前回は川の上流,堰堤の近くから渓流瀑を見ながら河原の転石を観察していきました.今回は水道設備より下流で,河原に岩脈として露頭が出ていないか,見ながら下っていきました.
奥の植林の切れたところから川の方に降りていきました.
穏やかな流れだった川がこの部分だけ,渓流瀑があって,下手が淵のようになっていました.
苔むした岩床のところに渓流瀑が,正面に苔に覆われているが,縦に切る岩脈が1本ありました.
渓流瀑がある両岸の岩は花崗岩質で,その上の黒い露頭は泥質岩のようです.諸所に鉄錆びが噴出して,赤くなっています.この付近の泥質の変成岩はあまり鉄さびが噴いていなかったので,この付近だけ異様でした.
渓流瀑の少し上流にある大岩.ここも花崗岩質でした.上流から流されてきたような感じではないので,もとからここにあったようです.
地衣類に覆われていますが,花崗岩質で,ここより少し上流からは,黒雲母の多い変成岩でした.
淵の下流で転石を探していたところ,方解石の脈が切る青灰色の岩石があったので,サンプリングしました.
渓流瀑に露頭としてあったものの一部が欠けていて,ちょっと風化した面を観察していたところ,この石があの露頭の石のようです.全体が白っぽく,一部の黒色の石墨を伴っていました.白色の部分は石英のようで,長石と白色で細長い輪郭の鉱物(柱石?)を含んでいました.
ほかに割れ目に真鍮色の黄鉄鉱と脈状の方解石が少し入っていました.
このあと,滝巡りになりました.