前回行った旧坑で採取したものを以前に採取したものと一緒に,酸処理をしてみた.前回の二か所目の旧坑で採取したものの一つで,みためバラキがきれいなので持ち帰ったものにTinzenite チンゼン斧石がついていた.
Tinzenite チンゼン斧石.CaMn2Al2B[OH/O/(Si2O7)2] 三斜. 無色に近い淡いピンク色の菱マンガン鉱を貫く石英脈中に淡い黄褐色の粒をなしていた.鮮やかなピンク色はパイロクスマンガン石.旧坑の近くにある玉岩鉱山や地堂鉱山と同様の産状をしている.石英脈中の黒い点は濃赤色の閃亜鉛鉱だった.
母岩の菱マンガン鉱の周囲には帯紫赤褐色のアレガニー石とテフロ橄欖石を伴っている.黒い筋には磁石が吸い付くヤコブス鉱を含んでいる.
また6年ほど前に地堂鉱山で採集したバラキのうち,見た目塊状のものでラベルに「結晶」と書いているものがあった.これを塩酸で処理してみた.
Pyroxmangite パイロクスマンガン石 (Mn,Fe)7[Si7O21] 三斜.脈をなしているのがパイロクスマンガン石で空隙は冷塩酸で反応したので,方解石だった.
同鉱山でこの手の石は少ない.周りの淡い桃色は菱マンガン鉱からなる.
どちらの写真も双眼顕微鏡を使用して撮影した.(なお上記標本は販売商品ではありません)
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