ここのところ日並びが悪い上に天候にも恵まれず、部屋にこもりっきりです。今日は、2004年に採集した丹波のマンガン山のマンガン鉱石を整理していました。当時は、原付に乗っかって背中のリュックに詰めるだけ、詰め込んで採集に行っていました。だいたい一度山に出ると3~5箇所は寄っていくので、リュックの容量を考えて、いっていました。
スクータータイプの原付だったので、きわめて燃費が悪く路肩の条件の悪いところなどは、エンジンを切って歩いて登っていました。下りはディスクブレーキがついていたので何とか乗って下れました。辺鄙なところに行くと常にガス欠の心配をしながら、GSのある道を選んで行っていました。
中古のバイクでしたが、一年に約3万Kmで3年半乗って10万Kmくらいは乗っただろう。マフラーが故障して買い替えましたが、いまはバイクには乗らず家の車に乗っています。
その頃に行ったマンガン鉱床のうち、大野ダム南湖畔にあるマンガン山で、急な尾根を直登していったところの旧坑から、漬物石サイズの鉱石を2つほど斜面を転がしながら下った。
割れ目に当初はパイロスマライト系の鉱物と思い込んで持ち帰りましたが、結局石英脈に熱水性の菱マンガン鉱の薄い膜が張ったものとわかりました。
現場は斜度50度を超すような急斜面にあり、再び行くのはためらってしまう。
この鉱石をさっき割っていたら、熱水性の菱マンガン鉱の空隙に放射状の白色の鉱物がついていました。
双眼顕微鏡で拡大。約30倍。
目の好い人なら何とか見える程度の大きさで、双眼顕微鏡で撮影してみました。白色繊維状で、モコモコの菱マンガン鉱の上に着床している。
母岩はヤコブス鉱や菱マンガン鉱からなるややずっしりとした炭マンで、割れ目に熱水性の石英脈が通っていて、ヤコブス鉱の脈の間隙やこの脈に挟まれた薄い場所に淡黄褐色のケリー石様鉱物がついたもの。
予想としては、Metaswitzerite メタスウィッツァー石 か単に石膏かだろう。前者であってほしい。これに似た鉱物を地元のマンガン山でも見ていて、もしこの鉱物だったらもっと産地は増えるだろう。
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