研磨石
いくつかの研磨した石254
大分県津久見市千怒新開 千怒鉱山のブラウン鉱を一面研磨しました.上の標本は学生の頃にいつか訪問した時のために~,購入した標本です.購入したのはいいものの,訪問する機会が無く,ついに訪問できませんでした.標本はしばらくそのままになっていました.最近になって再度出して裏面の酸化被膜を取るために成形しようとしましたが,こまかい割れ目がたくさん入っていて,この割れ目から色んな方向に変な形に割れそうなので,二酸化マンガンに覆われた面を一面研磨しました.
(研磨) ほとんどの部分がブラウン鉱からなっていて,仕上げ後は真っ黒の石になりそうと予想して磨り始めました.凹凸があって最後まで磨り上げるのに随分と時間がかかってしましました.平滑にした後,改めて表面を観察したところ,一面が真っ黒ではなかったので,安堵しました.仕上げは1000番手のペーパーで軽く磨ったあとに青砥で磨ると光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
全体的に青色を帯びた鋼灰色の塊と云った感じです.ヤコブス鉱の含まれている部分があるのかは不明ですが,磁石が強く引き寄せられる部分がありました.
ブラウン鉱質の鉱石を切る脈の拡大写真です.カリオピライトの褐色と光沢が若干異なる褐色の粒があって,マンガンエジリンのような鉱物があるようです.
カリオピライト以外にこの手の色彩の鉱物名が出てきません.鱗片状をしているのと白色の方解石を伴っているので,ガノフィル石系の鉱物かもしれません.
方解石のレンズに富む部分の拡大です.当初は菱マンガン鉱と思っていたのですが,方解石のようです.赤褐色の赤鉄鉱のような鉱物が含まれているのか,赤く染まったようになっていました.
8枚目の写真の中央やや左下の方解石レンズの拡大です.赤褐色の染まった部分の先に鱗片状の黄色の鉱物がついていました.小さすぎて判別できませんでした.
8枚目の写真の中央からやや右にある方解石レンズの拡大です.黒色粒状はブラウン鉱で,周りに赤褐色の鉱物で染まっていました.
ブラウン鉱の粒の拡大です.かなり小さいですが,粒が確認できました.
カリオピライトに近い部分の拡大です.キャラメル色のカリオピライトを伴っています.