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いくつかの研磨した石192

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いくつかの研磨した石192

 滋賀県湖南市緑ヶ丘 石部鉱山の斑銅鉱―閃亜鉛鉱からなる斑状鉱を一面研磨しました.上記の写真の標本は過去何度か当ブログにアップしていましたが,斑銅鉱がどこにいるのか判らない等の指摘があり,研磨して新鮮な面をみればわかると思って,裏側を研磨しました.

 

 石部鉱山は金山と灰山があって,灰山は各種の銅の二次鉱物を多産して有名になりました.沿革がはっきりしない鉱山で,単に石部灰山・灰山・金山鉱山とか呼ばれたりしているようです.古い文献では「石部山吹屋ヶ谷」と云ったそうだ.

 鉱山の沿革は当方で調べた限りでは,延宝3年(1675)と正徳5年(1715)に探鉱された記録があり,当時は採算が取れずに休山したという.その後しばらく休山状態が続いたようで,安永6年(1777)に再び探鉱され,約40貫(約0.15t)の粗銅を生産したという.その後にまた休山したようで,慶応2年(1866)に再び探鉱され,翌年の慶応3年(1867)に休山した.維新後は明治の初めに再興され,明治中期には採算が取れなくなり休山したそうだ.資料に因れば銅のほか鉄も生産していたようだ.古い鉱区一覧に「石部鉱山」の名前があったのは明治のころの名称かもしれない.

 私見ではあるが,当地の鉱石は閃亜鉛鉱が多く,黄銅鉱と混ざる石もよく見られるため,亜鉛が邪魔してうまく銅が吹けなかったのではないかと思う.また,山が低く,川に近いので湧水等で水準以下の探鉱ができなかったのかもしれない.

 

(研磨)母岩の部分が灰鉄輝石から,若干変質したように見えるので柔らかいと踏んで,磨り始めました.予想通り軟らかく,ものの数分で平滑に仕上がりました.仕上げは青砥で充分光沢が出てくれました.

 

(以下,顕微鏡下での観察です)

 

 

 

 

倍率約20倍で一通り撮影しました.斑銅鉱は赤銅色の部分で,明らかに黄銅鉱から変わった斑銅鉱のようです.初成の斑銅鉱なら銀分が含まれていそうですが,二次的にできた斑銅鉱には入っていないようです.共存する鉄黒色亜金属光沢部は閃亜鉛鉱.黄色っぽい母岩は外形がややはっきりしている粒状の鉱物が石榴石で.そのほかは灰鉄輝石から変わったと思われる,苦土蛭石などの粘土鉱物のようです.実際に磨った時は削るというより滑るという感じがしました.

 

斑銅鉱の拡大です.ちょっと黄銅鉱が残っているのか,黄銅色の部分が確認できました.鉄黒色部は閃亜鉛鉱.

 

 

下の方に方鉛鉱がいました.

 

斑銅鉱の一部に鋼灰色金属光沢の部分があって輝銅鉱類かもしれません.

 

石榴石の多い部分の拡大です.粒があまりはっきりしていない.

 

 

 磨ったら一応,斑銅鉱が含まれていることが判りました.亜鉛と混在していると,錆びた亜鉛と混同してしまい判別に困るのかもしれません.上の写真は磨り上げてすぐに撮影しました.空気中でただちに酸化して錆びるため,夕方ごろには錆びていると思う.

 

 

 

 

 


いくつかの研磨した石193

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いくつかの研磨した石193

 兵庫県川辺郡猪名川町南田原辻ヶ瀬 辻ヶ瀬鉱山の斑銅鉱―閃亜鉛鉱―方鉛鉱―黄銅鉱からなる鉱石を一面研磨しました.当地は青鉛鉱の標本が良く出回っている産地で,バス停からの近く便利なところにありました.有名な多田銀山の東の延長のような鉱床で,付近にも似たような旧坑がたくさんありました.

 

 

 この地域に通うようになったのは15年くらい前で,この時はしっかりとした案内人がいてくれました.「この石はあかん,この石もかん.」と云っていろいろ高品位鉱について教示してもらっていました.そのおかげかこの付近の鉱石はだいたい判別できるようになりました.

 

  通い始めて数年後くらいに沿革を調べるようになりました.多田銀山に関しては古くからいろいろな文献に掲載があって比較的入手が簡単でした.問題は周囲の小さな旧坑でした.学術論文に記載されている名称やコレクター間での名称を使用していたのですが,古い記録を調べていくうちにいろいろなことが分かってきました.どちらが正確かは判断できませんが,文献にある以上手持ちのノートに文献の奥付を添付した上で記録していきました.

 

 やや沿革のはっきりしている多田鉱山に比べこちらは,数冊の文献に少しその名が見える程度の鉱山のようです.古い記録によれば明治の初めごろに鉉ヶ盛鉱山の名前で旧坑取明け工事し探鉱していたという.その後の沿革ははっきりせず,文献にもあまり出ていないため詳細は不明です.鉱山の北西にも同じような鉱脈を追った旧坑があり,こちらも青鉛鉱などの二次鉱物が少量ありました.のちに文献で北側にある旧坑が「千歳鉱山」と称したことが判りました.

 

 上の標本は15年くらい前の野外研修会か何かで一度訪問した時に,サンプリングした標本です.それからはどういう訳か訪問しておらず,今どうなっているのかは判りません.表面にたくさん青鉛鉱などの二次鉱物が吹いていたのですが,成形時にハンマーで斫り取ったので殆どついていません.それでも取りきれなかった部分を今回一面研磨にしました.

 

 

(研磨)前回と同じく斑銅鉱を含む雑鉱の鉱石ですが,硬度の高い石英が入っているので,前回と同じようにはいかないと予想して磨り始めました.予想通りでけっこう硬く,硬い石英の部分だけが浮いていって,金属の部分が先に磨れてしまいました.ベビーサンタ―を使用し先に石英の部分を掘り込んでから周囲の金属の部分を石英の高さに合わせるように研磨しました.時間はかかりましたが,何とか水平に近くなるくらいまで研磨できました.仕上げは2000番手のペーパーで少し擦ったあと,青砥で光沢を出しました.

 

 

 

 

 

 

 

(以下,拡大写真です)

今回は指示をつけてみました.

 

 もともと酸化被膜にたくさんの二次鉱物が付いていたので,内部は斑銅鉱が多いものと予想していましたが,あまり入っていませんでした.標本の外側に少し赤銅色部が入っている程度でした.また,内部に含まれる石英の裂罅に自然銀が生成していました.カッター傷のようなものが微かに残り,早くこの部分が磨れたようでした.全体の黒色部は指示していませんが,閃亜鉛鉱です.

 

 

 

 

 

 

ほかの部分もだいたい似たような鉱物の集合でした.このカット面には四面銅鉱や褐錫鉱のような鉱物は見られませんでした.

 研磨面以外の表面についているかもしれないので,顕微鏡下で撮影したところこちらにも肉眼で判るような四面銅鉱や褐錫鉱は入っていませんでした.

 

 

 四面銅鉱や褐錫鉱はありませんでしたが,俄かに残る酸化被膜を構成する青鉛鉱などの鉱物のほかに,カレドニア石と白鉛鉱が付いていました.

 

 

 

 

 

 

最近の店内 -2020年2月上旬の店内ー

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最近の店内 

―2020年2月上旬―

レジ前.

水晶の棚.

 

最上段は大きな商品の棚.上段は主に東北の硫化鉱物の棚.下二段は化石の棚.下の大きな長方形は田原は晶洞型ペグマタイト,ホタル石と白雲母・長石が晶出しています.

 

最上段は大きな商品の棚.上段は蛍光鉱物の棚.以下下段は海外産鉱物の棚.最下段の段ボール箱は国産品.

 

最下段の段ボール箱以外は全て化石標本で占めています.

 

田原のペグマタイト鉱物の商品の棚.下段はそれ以外の総重量1㎏を越える標本の棚です.段ボール箱は国産品.

 

整理してこれだけ空きました.これから徐々に増やしていく予定です.下二段は主に岩石標本の商品の棚.

 

最上段は石榴石類で占めるように置いています.

 

国産標本の商品の棚.

300円均一商品は随時増加中.

 

ガラスケース.

 

レジ前の棚.裏側からも見えるように配置しました.

 

 以下,店内にある鉱物以外の商品の例です.

(店頭売りの商品です.通販はしていません.また以下の例は国産・海外産に分けていません)

 

岩石

(火山岩)流紋岩・球顆流紋岩・含珪線石流紋岩・真珠岩・松脂岩・黒曜岩・安山岩・橄欖石安山岩・デイサイト・橄欖石玄武岩・霞石玄武岩・霞岩・カーボナタイトなど.

 

(深成岩)黒雲母花崗岩・白雲母花崗岩・黒雲母花崗閃緑岩・花崗閃緑岩・球状花崗閃緑岩・ダン橄欖岩・蛇紋岩・輝岩・斑糲岩など.

 

(脈岩)アプライト・脈性ペグマタイト・ドレライト・透輝石閃長岩・霞石閃長岩・曹長岩など.

 

(堆積岩)赤白チャート・流紋岩質凝灰角礫岩・泥岩・粘板岩・頁岩・石灰岩・苦灰岩・珪藻土・泥炭・褐炭(亜炭)・瀝青炭・無煙炭など.

 

(変成岩)菫青石ホルンフェルス・菫青石紅柱石ホルンフェルス・直閃石菫青石ホルンフェルス・黒雲母ホルンフェルス・チャートホルンフェルス(珪岩)・スカルン・高温スカルン・グライゼン・沸石岩・紅簾石石英片岩・緑簾石緑泥片岩・滑石片岩・緑閃石片岩・石榴石角閃片岩・藍閃石片岩・スティルプノメレン片岩・花崗片麻岩・石榴石菫青石黒雲母片麻岩・マイロナイト様角閃岩・マイロナイトなど.

 

化石

(古生代)コケムシ・ウミユリ・シダ植物・三葉虫・直角貝・サンゴ類・有孔虫など.

 

(中生代)頭足類(カリコセラス・ノストセラス・ヒルドセラス・ゴードリセラス・ダメシテス・テトラゴニテス・フィロパキセラス・デスモセラス・ハルボセラス・ユーブラノセラスなど)・松の実・イチョウの葉・二枚貝(イノセラムス・エントモノチスなど).

 

(新生代)植物の葉(コナラ・ブナ・ツタ・クリ・ヌマスギ・カエデ・カバノキ・メタセコイア・タナイカシ・クスノキ・マンサクなど)・珪化木・二枚貝(オウナガイ・ウソシジミガイ・ツキガイ・マルスダレガイ・セタイシガイ・アラスジサラガイ・ニッコウガイ・イタボガキ・キララガイ・イガイ・バカガイ・シタカラソデガイ・アサガイザルガイ・カガミガイ・ハリマントリガイ・タカハシホタテなど).腕足類(ホオズキチョウチンガイ・シャミセンガイの一種など)・クモヒトデ・アカフジツボ・オニフジツボ・巻貝(トクナガキリガイダマシ・ヴィカリエラ・ヴィカリア・ヘナタリなど)・魚類の歯(メガロドンなど)・哺乳類の脊椎化石(クジラ・バイソン・ステゴドンなど)・哺乳類の歯(ナウマンゾウ・マンモスなど)・馬の骨・アルマジロの鎧など.

 

(鉱物の方は量が多すぎて集計中です.)

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日,通勤中に進行方向にいつも見える愛宕山が少し雪化粧していました.今年の冬はこれで4度目.

愛宕山.(2020年2月1日9:40分現在) 手前の山は全く見られません.

 

愛宕山から北に続く尾根も雪化粧していました.左奥はこの付近で最も高い地蔵山(946m).こちらも手前の山には雪がありませんでした.

 

 まだもう少し寒いのが続くのかな~っと思っていたら,通勤途中で通る川の堤の梅の花が1輪だけ咲いていました.

1輪だけなんとか咲いていました.

 

こちらはまだ蕾です.

 

 

 早く暖かくなってくれればと思いますが,温かくなれば花見どころでは無く,スギ山から飛んでくるスギ花粉と大陸からの黄砂とPM2.5で,息のできない嫌な季節に突入します.今年は暖かい所為かすでのその兆候があり,ティッシュが手放せない状況になってきています.

 

 

 

いくつかの研磨した石194

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いくつかの研磨した石194

 兵庫県朝来市多々良木 多々良木鉱山の斑銅鉱―方鉛鉱―閃亜鉛鉱からなる鉱石を一面研磨しました.多くの鉱物種を産している生野鉱山から10㎞程北上したところにある雑鉱の鉱山です.古くは銀を産した鉱山のようで,大量のズリが残っていました.

 上の標本は15年くらい前にサンプリングしました.石英脈に伴われる高品位そうな銅鉱をサンプリングしたのですが,もう少し大きなのをサンプリングしておけばよかったと少々後悔しています.サイズは60㎜×45㎜の箱に入る程度の大きさです.この標本の裏面の一部を研磨しました.

 

(研磨)石英が占めているので硬い,というのを前提に磨り始めました.はじめは少々磨り辛いかな~っと思っていましたが,母岩が変質して蝋石質になっているようで,案外早く磨れました.仕上げは青砥でしました.

 

 

(以下,顕微鏡下での拡大写真です)

 

 

 

方鉛鉱と閃亜鉛鉱に斑銅鉱,少量の黄銅鉱が入っている集合でした.母岩の暗緑色でボヤーっとしているのは緑泥石のようです.また灰黄色の染みのような鉱物が全体に入っていて,ビスマスか何かの二次鉱物かと思っていましたが,別の面を観察したところ緑簾石でした.

 

更に拡大した写真です.鉛灰色金属光沢を呈する方鉛鉱を拡大しました.たまに方鉛鉱を磨っているときに濃紅色の濃紅銀鉱が入っていることがあるので,拡大して写真に撮ってみました.この石には入っていないようです.

 

こちらは黄銅鉱が入っている部分をさらに拡大した写真です.黄銅色金属光沢部は黄銅鉱,鉄黒色部は閃亜鉛鉱.

 

こちらは閃亜鉛鉱の多い部分を拡大しました.鉄黒色部が閃亜鉛鉱,暗赤銅色部が錆びる前の斑銅鉱.黄銅色は黄銅鉱.

 

斑銅鉱の多い部分の拡大写真です.繊維状に見えるのは取りきれなかった研磨の時の傷です.細かい黄銅色の黄銅鉱を含んでいて,二次的に富鉱化し斑銅鉱に置き換わったのだろう.周囲に銀白色でやや光沢の鈍い鉱物が付いていますが,小さすぎて判別できませんでした.

 

斑銅鉱に接する方鉛鉱の拡大です.何か別の鉱物が入っていそうなので拡大しましたが,肉眼で判別できるような鉱物は入っていませんでした.

 

多少光沢の異なる方鉛鉱の一部を拡大しました.研磨面では無い面で詳しく観察していると,似たような産状で輝蒼鉛鉱が入っていました.上の写真の上部の方に入っている針状に見える鉱物は輝蒼鉛鉱かもしれない.

 

 

 

 

おしらせ

 

 本日 HP通販用商品を

 

 9点 追加更新しました.

 

 

いくつかの研磨した石195

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いくつかの研磨した石195

 和歌山県西牟婁郡白浜町三段 鉛山鉱山の閃亜鉛鉱を一面研磨しました.以前に京都ショーで購入した標本です.基本的にあまり出回ることのない現場の鉱石標本で,ラベルの産地を見て,すぐに購入した.

 鉱床は平草原の展望台の南側の谷,県道34号の鉛山橋の下の川の上流にあって,元ラベルには「中新統田辺層群の堆積岩中の鉱脈鉱床」と記載があった.鉱床は1558年~1586年ごろに発見されたと伝わるが,それ以前から採掘されたのかもしれない.昭和30年代にも採鉱されていたそうだ.

 標本は長方形に近い形に割れているが,座りが悪かったので裏面を一面研磨しました.

標本の正面です.

 

(研磨)見た感じ雑鉱の集合でしたので,ひとまず磨ってみることにした.石英が入っていましたが,金属鉱物の量が多く案外簡単に磨れてくれました.仕上げは青砥でしました.

 

(以下,顕微鏡下での観察です)

 

 

 

 標本名の通り,鉄黒色亜金属光沢を呈する閃亜鉛鉱が占めていました.

 

閃亜鉛鉱の多いところを拡大しました.鉄黒色が閃亜鉛鉱です.真鍮色部は黄鉄鉱.橙色部は菱鉄鉱のような炭酸塩鉱物のようでした.灰白色―帯黄白色は石英でした.

 

閃亜鉛鉱のほかに方鉛鉱が入っていました.その部分の拡大です.帯青鉛灰色金属光沢部が方鉛鉱です.真鍮色部は黄鉄鉱です.

 

黄鉄鉱ばかりかと思っていたら黄銅鉱もありました.共存する鉄黒色部は閃亜鉛鉱です.

 

黄鉄鉱の多い部分の拡大です.この部分に磁石を近づけると,よく引き寄せられた.若干の帯紅真鍮色があり磁硫鉄鉱を混入しているようでした.鉄黒色部は閃亜鉛鉱です.

 

 南紀の堆積岩中を切る鉱脈鉱床の鉱石はどういうわけか,硫酸鉄を吹いて分解しやすい傾向があるようで,この石もいつまでもつかわかりません.

 

 

 

 

岩滝 大阪府高槻市原

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滝めぐり

 

 

 

 

 ―岩滝― 

大阪府高槻市原

 

 今日は朝から天気が良く,ぶらーっと北摂方面に行ってきました.下矢田から昇尾峠を経て行ったのですが,府境を越えたところの温度計が-4度を差していました.道は夜露には濡れていませんでしたが,路肩が凍結していて,足元に注意しながら山を越えました.

 出灰を越えた先で一度,京都市内に入り,その先で再び大阪府内に入る少し特殊な場所で,昭和30年代以前は京都府だったところだ.再び大阪府に入った先に「つるが谷」があり,その先の小さな沢に道から拝める滝がありましたので寄って見ました.高槻方面からくると見えない滝で,出灰方面から南下した時に見える滝です.

滝の入口です.右手奥方向が高槻市街です.

 

岩滝.目測で5mくらいか.砕石場の延長のようなところが滝になっていて,その上にも1段ありました.

 

上段.

 

 滝の名称は沢の入口に小さな橋があって,欄干に記載されていました.

岩滝橋というらしい.どうも滝は昔からあったらしい.橋の名称を取って「岩滝」としました.

 

 

 ここは少し寄っただけなので,次のところへ向かいました.

 

 

以下はアクセスマップです.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.

 

 

 

小和田八幡宮の滝 大阪府豊能郡能勢町

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滝めぐり

 

 

 

 

―小和田八幡宮の滝―

大阪府豊能郡能勢町倉垣和田区

 

 

 前回の続きです.摂津峡方面から粟生間谷方面に抜けて勝尾寺の前を通り,野間峠を抜けました.途中にかつて自然銅を産した高岳の超丹波帯の露頭の現状を観察した.多少苔むしているが露頭は健在でした.

 そのあとに当地に赴きました.どういうわけか山が多いのに滝の少ない能勢町.ハイキングがてら城跡のある山などを中心に過去何度かうろつきましたが,滝になっているところは余りありませんでした.当地の滝は小和田山に登った時に寄って知りました.滝巡りをやっているときでは無かったので,写真には残していませんでした.記憶では水の少ない滝で,今回は水が無いのを前提に行ってみました.

 

 

 鳥居を潜って,石段を少し登ったところに,一つありました.

落差は3mくらいか.水量があればそれなりの滝に見えるんですが,この日も水はありませんでした.

 

 写真右手の石段を上ると沢を渡り,南岸に沿って道が付いています.社殿のある段に登る手前に段瀑がありました.

 

 

こちらも水がありませんでした.水量があればそれなりの滝にみえるのですが.落差は7~8mくらいか.

 

 

社殿のところまで登ってきました.以前は台地の真ん中にあったのですが,一昨年の台風の影響か,社殿が新しくなっていました.滝は社殿の北寄りにありました.

 

 

 

 

段瀑.初めて来たときはナメ滝のようになっていたのですが,今回は予想通り水がありませんでした.落差は10mくらいか.水があるときに再訪しようと思う.

 

 

 一度,道まで戻り,神社のある谷の一つ北に位置する谷も登ってみました.小戸の石切場にあがる道で,上流に堰堤があるのを覚えています.

 石切場に上がる道は堰堤までなら微かに残っていて,沢筋に出るまでこの道を辿りました.

 

 

 西寄りに進んでいた沢が北寄りにかわる付近に2つ,ナメ滝がありました.一つは落差が目測で5mくらいですが,木々に遮られてよく判りませんでしたのでパスしました.もう一つはその滝の下にある3m程度のナメ滝です.

 

ナメ滝.真ん中の岩が邪魔をして全体が写りませんでした.さらに水量が少ないので滝には見えませんでした.前回来た時は前線による大水の後で,簾が架かったように見えた滝でした.

 

 

 

 山をおりて手前にある堰堤から河原に降りました.上流から流されてきた岩石を観察するためで,黒雲母花崗岩,ミアロリティック花崗岩・アプライト・流紋岩・流紋岩質凝灰岩・黒雲母ホルンフェルス・菫青石ホルンフェルス・珪岩などがみられました.

 

 

 

 

 

以下,滝の配置マップです.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.

 

いくつかの研磨した石196

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いくつかの研磨した石196

 以前の191で紹介した,大黒鉱山の南鉱床の珪岩とマンガン鉱の境界付近を一面研磨しました.北鉱床は川の横で,南鉱床は府道の横,路面から数メートル上の法面に開いていました.鉱石は道の溝のようになったところに少しありましたが,いずれも低品位でした.手の届く範囲で坑道の下あたりに挟まっている,ずっしりとした重いものを選んでサンプリングしたところ,上のサンプルが得られました.鉱体の端っこのような石ですが,コントラストが良く,これを研磨したらいい感じになると思って研磨しました.

 

サンプルの表面です.やや結晶質で色の濃いパイロクスマンガン石が珪岩中に入っています.

 

パイロクスマンガン石の部分の拡大です.劈開が確認できました.

 

 

 

 

(研磨)珪岩が硬いのでなかなか先に進めないだろうと予想して磨り始めました.予想に反して比較的硬度の低い炭マンを挟んでいたので,早く磨り上がりました.仕上げは青砥で充分光沢が出てくれました.

 

 

 

 

(以下,顕微鏡下での観察です)

サンプルのほぼ中央にある角礫状のレンズです.酸で発泡するので菱マンガン鉱のようです.接するピンク色はパイロクスマンガン石.淡いあずき色部はアレガニー石.灰緑色部はテフロ橄欖石です.

 

もう一つレンズ状の挟みがあって,赤褐色で光沢の鈍い集合で,アレガニー石の色の濃いものかもしれませんが,同定できませんでした.黒色部は母岩の珪岩.ピンク色部はパイロクスマンガン石.淡紅―淡褐灰色は菱マンガン鉱.灰緑色はテフロ橄欖石.

 

パイロクスマンガン石の脈の部分の拡大写真です.パイロクスマンガン石の脈の中にもレンズ状のアレガニー石様鉱物の集合を挟んでいました.

 

黄白色のレンズの周囲を撮影したものです.肉眼的に硫黄の量が少ないと思っていましたが,中央よりやや上の黒点を拡大すると黄鉄鉱が入っていました.少ないとは言え,硫黄分のある鉱石の一部のようです.黄灰色―淡褐色―淡桃色は菱マンガン鉱,灰緑色はテフロ橄欖石.ピンク色はパイロクスマンガン石.

 

母岩の珪岩との境界を撮影しました.珪岩とパイロクスマンガン石との境界から少し珪岩に入ったところに,暗灰色の石英脈が入っているようで,黒色の亜金属光沢を呈する石墨(非晶質の炭素物質あるいは準石墨)が脈に沿って点々と入っていました.

 

 

 道から近い所為か鉱石があまり無く,全体像が判りませんでした.もっと硫黄分の多い鉱石も現地で見ているのですが,磁硫鉄鉱が多く磨ってみようとは思いませんでした.

 

 


いくつかの研磨した石197

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いくつかの研磨した石197

 大阪府豊能郡能勢町倉垣和田区 小和田鉱山のテフロ橄欖石―マンガンスピネルからなるマンガン鉱を一面研磨しました.現場は大阪府の北部,京都府との県境にある小和田山(標高611m)から東西に延びる尾根を西に進み,南下した支尾根にある変成マンガン鉱床です.戦時中に操業されていたという.鉱床のすぐ北側に剣尾花崗岩が接していて著しい熱変成を受けています.

 当地は12年くらい前に当方が再発見しました.袂にある神社の鳥居の横に二酸化マンガンの染みがあり,谷を詰めていくと神社がありました.二酸化の染みはここで終わっていましたが,坑口のようなものは無く,北に隣接する石切場のようなところは,花崗岩でした.石切場のような場所から北に張り出した尾根付近まで回り込んでみたところ,急な尾根にテフロ橄欖石やばら輝石を含む石が引っかかっていました.かなり急勾配な尾根でしたが,樹木の枝につかまりながら登って行くと,石垣が見えその上がズリでした.坑口は上下に2箇所,北の延長につついたような跡が2箇所ありました.上の標本はその際にサンプリングした石の一部です.

 

 それから10年以上経って,先日に滝巡りしたついでにカメラを持って坑口を見に行きました.今回も支尾根の突端から尾根に取付いて力任せに登って行きました.何度も「こんなに上だったかな~」なんてつぶやきながら高度を稼いでいきました.対面する釈迦岳の山頂部が見え隠れするころになって,ようやく見覚えのある石垣のところまで来ました.石垣の部分は登りにくいでしたが,木々につかまって何とか越えました.

 

 随分行っていない現場でしたが,ハンマーの跡がたくさんありました.目的の坑口は尾根を少し回り込んだところにありました.

小和田鉱山の坑口.以前はもっと大きく口を開けていましたが,一昨年の台風で崩土がでたのか,今回は見えませんでした.

 

ズリ.

 

貯鉱の跡.

 

石垣があったところ.ハンマーを持っていなかったので,写真だけ撮って下山しました.

 

 一枚目の石は前述通り12年くらい前にサンプリングした石で,大きさが中途半端で,成形すると小さくなってしまうため,割らずに残していた石です.成形していないため,表面が全て二酸化マンガンに覆われていました.研磨し易そうな面を選んで研磨しました.

 

 

(研磨)基本的には全てテフロ橄欖石だと思っていました.手に持った時に明らかにばら輝石からなる集合より重く感じました.予想が当たるかと思って磨り始めました.はじめは表面の二酸化マンガンが削れて,褐黒色―黒色の粉末が出ていました.しばらくすると灰白色―灰色に変わってきましたので,確認したところ予想通りテフロ橄欖石でした.テフロ橄欖石に良く伴われるばら輝石などのマンガン鉱物は全く入っていない石でした.この手の石を磨っていると硫黄の臭いが多少はするのですが,今回はそういう変な臭いはしませんでした.中断して,少しルーペで確認したところテフロ橄欖石の粒がルーペで確認でき,その粒が比較的揃っている感じがしました.あまりほかの鉱物を混入していないので比較的楽に磨り上げることができました.

 仕上げは当初,青砥でしていたのですが思ったより光沢が出てくれず,いつも刃物用に使用している黄色の砥石に替えて磨ってみました.それでも光沢が出ないため,逆に堅い塊状チャートで磨ってみたところ,光沢が出てくれました.前述したマンガンスピネルは途中経過でルーペで観察した時に,黒色―暗褐色粒状で,磁石が多少引き寄せられましたので,ヤコブス鉱と思っていました.ヤコブス鉱と思っていた部分を仕上げ後に,横から強い光を当てて観察したところ濃赤褐色半透明でしたので,マンガンスピネルに同定しました.

 

 

 

(以下,顕微鏡下での観察です)

 

 

 

 

灰緑色部がテフロ橄欖石です.白色脈状部は菱マンガン鉱でした.テフロ橄欖石中に帯赤褐色の粒状の鉱物が入っていて,アレガニー石かと思いましたが,明らかに褐色味が強く,もしかしたら園石かもしれません.

 

粒状の外観が観察できるテフロ橄欖石です.

 

マンガンスピネルの拡大写真です.一部に帯赤褐色半透明の部分があります.共存する黄色部は検討したところ満礬石榴石でした.

 

 

 顕微鏡観察をしていたところ,一つ不明鉱物が出てきました.

 不明鉱物.顕微鏡で最大まで倍率を上げたうえ,カメラのズーム機能で拡大して撮影しました.白っぽく見えるのはテフロ橄欖石.中心のテフロ橄欖石の内部に鮮やかな緑色板状の鉱物が入っていました.顕微鏡下で肉眼で見たときに鮮緑色ガラス光沢を呈し板状であることが,判ったため急遽撮影しました.重晶石かもしれませんが,それより明らかに光沢が強く,色彩もくすんでいなかったので,ほかの鉱物かもしれません.

 

 

 当地で確認した鉱物は,黄鉄鉱・磁硫鉄鉱・輝コバルト鉱・紅砒ニッケル鉱・閃マンガン鉱・石英・アフテンスク鉱・「二酸化マンガン鉱」・ヤコブス鉱・マンガンスピネル・菱マンガン鉱・テフロ橄欖石・満礬石榴石・アレガニー石・ばら輝石・パイロクスマンガン石・ネオトス石など.

 

 

 

 

 

 

おしらせ

 

2020年2月11日(祝)は営業しています.

 

 

 

 

鉱物の顕微鏡写真78 ―クレーベルスベルグ石とペレータ石―

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鉱物の顕微鏡写真78

―クレーベルスベルグ石,ペレータ石―

 

 

産地:Pereta mine, Pereta, Scansano, Grosseto province, Tuscany, Italy.

   (非売品)

 

Klebelsbergite  クレーベルスベルグ石

[組成]:Sb4[(OH)2|O4|SO4]  直方晶系

[色]:無色・白色・灰色・灰黄色・淡黄色・黄色・橙色・朱赤色・赤褐色.

[光沢]:ガラス光沢~絹色光沢.

[モース硬度]:3.5~4

[比重]:4.62

[条痕]:白色~黄色.

ほか,脆い.

 

Peretaite  ペレータ石

[組成]:CaSb4[O2|OH|SO4]2・2H2O 単斜晶系

[色]:白色・灰色・淡黄色.

[結晶]板状.

[光沢]:ガラス光沢.

[モース硬度]:3.5~4

[比重]:4.06

[劈開]:{100}に完全.

[条痕]:白色.

 

 

 今回はアンチモンの二次鉱物にしました. アンチモンの二次鉱物はたくさんあるのに,本邦産ものは余り研究が進んでいないらしく,お目にかかれないでいる.標本は以前どこかのショーでサンプル購入したものです.

 ペレータ石の原産地標本ということで,よくわからないまま購入しました.そのあとくらいに,市之川鉱山の輝安鉱の分解物としてクレーベルスベルグ石とコカンド石が記載されました.

 

 標本の産地は資料に因ると珪質石灰岩中の鉱脈鉱床で,主に露天掘りで採鉱された鉱山とのことでした.標本を見ると母岩はやや錆て光沢の鈍い輝安鉱中の空隙に細かい鉱物が生えていました.黄色い毛状のものがやや立派に見え,こちらが元ラベルにあった鉱物かと思っていました.Web上で写真を検索していると,黄色っぽい針状の鉱物はクレーベルスベルグ石で,ペレータ石は横の方についていた石膏のような外観の鉱物でした.

 組成を見ると,黄安華に石膏の組成を足したような感じになっていて,妙に納得しました.

 

(以下,顕微鏡写真です)

クレーベルスベルグ石.鋼灰色金属光沢の輝安鉱の結晶の間隙に微細な結晶が集合していました.

 

2枚目の写真の拡大しました.

 

こちらは別の部分についていたクレーベルスベルグ石です.黒色っぽく写っているのは輝安鉱.

 

 

 ペレータ石.購入時に矢印が振ってあった先にあった結晶群.結晶を横から見ると薄い板状になっていました.

 

上の写真の裏側を撮影.

 

 

こちらは別の部分に付いていたペレータ石.

 

 

 

 

 

 

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いくつかの研磨した石198

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いくつかの研磨した石198

 京都府舞鶴市本谷西方 岡田鉱山のクロム苦土鉱―クロム鉄鉱くろを一面研磨しました.13年くらい前に訪問した時にサンプリングしました.現場までは行きついたのですが,ルートマップ等を残しておらず,植林の中に多少ズリがあった程度にしか覚えていません.

 先日に整理していると,ポロっとサンプルが出てきました.処分しようか迷いましたが,研磨にまわしました.

 

 

(研磨)粒が比較的揃った黒色の塊状なので,これで磨った時の条痕の色が淡ければクロム苦土鉱だろうと踏んで,磨り始めました.削りカスの色は暗茶褐色で,微妙なところのようです.磨っているときに滑るような感覚があり,蛇紋石系の鉱物が随分と混入しているようでした.仕上げははじめに青砥でやっていたのですが,思った以上に光沢が出ず,塩基性凝灰岩を一面研磨したチップで擦ると光沢が出てくれました.

 

 

(以下,顕微鏡下での観察です.)

クロム苦土鉱―クロム鉄鉱のほかに,左上のほうに劈開のある黒色の鉱物が含まれていました.鉱物名は不明です.

 

こちらはクロム苦土鉱―クロム鉄鉱の粒間に茶褐色の物質(鉄に富む蛇紋石系の鉱物かも)が脈状に充填したようになった部分の拡大です.粒の部分よりも若干硬度が低いのか,先に磨れて凹んだようになっていました.

 

比較的粒の粗い部分の拡大です.こちらも粒間に前出の茶褐色の物質が埋めていました.黄色の部分と同様の鉱物かもしれません.

 

 

粒の粗い部分の拡大です.一部に黄銅鉱が入っていました(中央やや右上付近).ほかに黒色板状の赤鉄鉱のような鉱物も入っていました.ほかの部分には黄鉄鉱も含まれていました.

 

 

 間隙に入っている板状の鉱物を拡大してみました.粒状や八面体に見える鉱物はクロム鉄鉱―クロム苦土鉱,あるいはクロムスピネル.長板状に見える鉱物をいろいろ予想してみましたが,思い浮かびませんでした.

 

 

 

 研磨していない部分を顕微鏡で観察すると,何か手掛かりがあるかもしれないと思って,拡大写真を撮りました.

板状の鉱物がありました.左上の方に見えているやや光沢の鈍い金属鉱物はクロム鉄鉱―クロム苦土鉱―クロムスピネル系の鉱物.中央のペラっとしたのが赤鉄鉱か?と思われる部分ですが,もっと拡大してみたところ,ガラス光沢に近く,光が透るような感じのする鉱物で,別のなにかの鉱物だと思う.

 顕微鏡下で黄銅鉱や黄鉄鉱などがあったので,いろいろ変な鉱物が出そうな気配がありました.機会があれば再訪してみようと思う.

 

 

 

 

 

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いくつかの研磨した石199

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 ようやく 199 まできました.

 

 

 

 

 

 

いくつかの研磨した石199

 京都府南丹市美山町佐々里奥八丁山 掛橋鉱山のパイロクロアイト―ファイトクネヒト鉱からなる鉱石を一面研磨しました.

 研磨面以外の面です.

 

 

  上の標本は6年ほど前に訪問した時にサンプリングしました.由良川の支流の佐々里川の源流近くにある奥八丁山の南尾根にあった鉱山です.尾根近くには二酸化マンガンが多くみられましたが,下の方の曲渕があるところなどに,炭マンが引っかかっていました.転石の一部です.破面をみると,淡桃紅色のアレガニー石,褐色のパイロクロアイトから変質したファイトクネヒト鉱からなる集合があったので,標本名はパイロクロアイト,ファイトクネヒト鉱と記入していました.

 ちいさなサンプルなので,裏面を一面研磨にまわしました.

 

 

(研磨)基本的には炭マンなので簡単に磨れると思い,磨り始めました.茶褐色の部分が軟らかいためか先に磨れて,凹みが出来てしまいました.サンプルがもう少し大きかったら,柔いところと硬いのを分けて磨るのですが,小さいため一気に磨ってから微調整しました.仕上げは青砥でしました.

 

 

(以下,顕微鏡写真です)

 

磨っているときに淡紅色のパイロクロアイトと,判定していましたが磨っているうちに酸化してしまったのか褐色味を帯びてしまいました.

 

アレガニー石を伴っている部分の拡大です.淡紅色がアレガニー石です.黒色部は非晶質の炭素物質のようで,白色部は菱マンガン鉱です.

 

 

褐色味の多い部分の拡大です.

 

 磨ってみて緑色の重晶石を含んでいることが分かりました.結構濃い色をしていました.

 

 黄色っぽい緑色部が重晶石です.

 

緑色部は重晶石です.黒色の粒状は非晶質の炭素物質です.

 

 掛橋鉱山の産出鉱物の一つに,サセックス石があって,もしかしたら入っているかも~ っと期待して磨ってみましたが入っていませんでした.

 

 

 

 

 

 

 

鉱物の顕微鏡写真79 ―水マンガン鉱―

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鉱物の顕微鏡写真79

―水マンガン鉱―

 

産地:岐阜県土岐市下石町拾石.(非売品)

 

Mnganite  水マンガン鉱

[組成]:MnO(OH)  

[結晶系]:単斜晶系(擬直方)

[色]:黒色・褐黒色・暗灰色・帯赤黒色.錆びると青っぽい錆が出ることがある.

[光沢]:亜金属光沢.

[結晶]:柱状.柱状結晶が並行に集合.球状集合になる.

[モース硬度]:4

[比重]:4.29-4.34

[劈開]:{010}一方向に完全,{110},{001}三方向に明瞭.

[条痕]:赤褐黒色.

塩酸に可溶.

 

 

 次は水マンガン鉱にしました.海外の標本を探しましたが手元に無く,今回は国産の標本を使用しました.二酸化マンガン系の鉱物で結晶しやすい鉱物です.ただし内部がそっくりパイロリュース鉱(軟マンガン鉱)に変質しているものが多くあり,分析してみないことには水マンガン鉱が残っているかどうかは判らない.判別する方法は,表面がギラギラしているものはパイロリュース鉱に変質していて,水に濡れたような光沢をしているものは水マンガン鉱の傾向があるという.

 上の標本は5年くらい前に美濃帯の工事現場に美濃礫層などを観察に行ったときに,サンプリングした標本です.当地はアスファルトのような外観で光沢の強い二酸化マンガン鉱の空隙に,菱マンガン鉱の束沸石のような結晶を産したことで有名になったのですが,現在は工場が建ってしまって消滅したようです. のちに人伝で前述のアスファルトのような外観の二酸化マンガンの鉱物は「水マンガン鉱」だったということを伺いました.美濃帯の堆積層から産した鬼板や藍鉄鉱などを整理したところ,1サンプルだけ空隙に水マンガン鉱の結晶の付いた石がありました.ダメ元で空隙に鏨を充てて割ってみたところ,うまく大きな晶洞にあたり,上の標本となりました.空隙の大きさは7㎜~8㎜ほどありました.

 

顕微鏡下での拡大です.短柱状の結晶が折り重なるように集合していました.

 

こちらも顕微鏡下での撮影です.晶洞の際から結晶が生えているのが観察できました.肉眼で判別できるような共存鉱物はありませんでした.

 

 

 

以下,いくつかの産地の標本の顕微鏡写真を撮ってみました.

 

産地:京都府京都市右京区嵯峨水尾鳩ヶ巣 水尾鉱山.(非売品).

 現場はJR保津峡駅から水尾川に沿って約2㎞強,遡った北側の山にある二酸化マンガンの鉱床です.15年くらい前の雪が降る日に訪問しました.尾根に突き上げる小さな沢に入ってすぐのところに,貯鉱跡のような小広い場所があり,そこに二酸化マンガンがみられました.空隙の無い採集意欲のそそらない二酸化マンガンで,帰りかけたところ上の石を見つけてサンプリングしました.そんなわけで,当地の標本は上の写真の石が一つしかありません.2~3の空隙があって,ややはっきりした結晶が生えていました.

 

4枚目の写真の拡大写真です.はじめの美濃帯の水マンガン鉱よりややギラつきが強いので,パイロリュース鉱に変質しているのかもしれません.

 

 

 

産地:北海道島牧郡島牧村湯ノ沢鉱山(非売品)

  熱水鉱床の脈石として産した,と元ラベルにありましたが,訪問したわけではありませんので詳細は不明です.購入品.丸箱に入った小さな標本ですが,晶洞に沿って割ったのか全面に短柱状の結晶が付いています.あまりギラついていないので,水マンガン鉱だろうと思っています.

 

5枚目の写真の拡大写真です.小さな晶洞に生えた結晶ですが,かなりシャープです.この標本もほかに肉眼で判別できるような鉱物は付いていませんでした.

 

 

 

産地:青森県南津軽郡大鰐町早瀬野 早瀬野鉱山(非売品)

 

 市場で比較的多く出回っている産地の標本です.購入品.元ラベルには「水マンガン鉱仮晶」とありましたので,すでにパイロリュース鉱に変質しているそうです.顕微鏡を覗いてみて強い光を当てると,白っぽくなりほかの産地の標本よりもギラついてみえました.

 

 

6枚目の写真の拡大写真です.ギラついてはいるもののはっきりとした結晶になっていました.この標本の母岩の晶洞以外の部分は,まったく光沢の無い二酸化マンガンで,一部に繊維状の鉱物があり,轟石やバーネス鉱を含んでいるのかもしれません.

 

産地:岐阜県大垣市上石津町前ヶ瀬 千珠鉱山(非売品)

 

  4年前の京都ショーでL社で購入した標本です.現場は南北に連なる鈴鹿山脈の東側に沿って連なる養老山地にあるそうです.いつも下調べで色々お世話になっている,地調月報の古い文献に当地のマンガン鉱床が記載されているのを知っていました.顔なじみの店で標本の沿革を伺うと,「地調に記載した方のラベルがついているよ.」とおっしゃっていました.小さなサンプルですがすぐに購入しました.母岩はかなりボロボロのようで,細かい破片が下の方に溜まってした.黄色いところは褐鉄鉱のようです.球状のに二酸化マンガン(クリプトメレンか?)の表面に結晶している標本で,格好もよく気に入っています.

 

 千珠鉱山の水マンガン鉱の拡大写真です.水マンガン鉱の結晶についている球状の部分はクリプトメレンかと思いましたが,違うような感じです.横須賀石かもしれません.

 

結晶がシャープなのでもう一枚撮ってみました.手前の白色部は粘土鉱物のようです.錆びているのか仮晶になったものと違い,殆どギラギラしてませんでした.

 

産地:滋賀県甲賀市土山町野上野鉱山(非売品).

 

 購入品です.最後に塊状の水マンガン鉱です.下の方に脈状になっているのが水マンガン鉱で,はじめ見たときブラウン鉱かと思いました.産状が面白く,いいサンプル標本になりました.

 

 

 

 

最近の店内 ―2020年2月中旬―

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最近の店内 

―2020年2月中旬―

 

店内の取り扱い商品の例の鉱物の方がなかなか集計できずにいます.一気に打ち込めないのもあって,各棚の商品の例を少しずつ紹介していくことにしました.まずはレジ前の棚からです.いずれも店頭販売対象商品です.

レジ前の最上段です.(国産・海外産混合)

レインボー水晶・クリード石・鉄重石・煙水晶・水晶・二フォントブ石・シャーレンブレンド・パイロクスマンガン鉱・ハーキマーダイアモンド(水晶)・鉄電気石・アダム石・スコレス沸石・カラコナイト・インペリアルトパズ・エメラルド原石・辰砂・紫水晶・カーフォル石・青玉髄・ホタル石・エジリン輝石・灰鉄石榴石・方解石・河辺石・ぶどう石・胆礬・ニッケルスクテルド鉱・リチア電気石・千代子石・燐銅ウラン鉱・天河石・エトリング石・毛鉱・苦土大隅石・灰束沸石・方鉛鉱・鈴木石・ブロシャン銅鉱・硫砒鉄鉱・硫テルル蒼鉛鉱・斑銅鉱・ベスブ石など.

 

上から2段目です.(国産・海外産混合)

リチア電気石・ルチルクォーツ・黄鉄鉱入り水晶・束沸石・天河石・苦灰石・白雲母・赤鉄鉱・硫砒銅鉱・藍銅鉱・黄鉄鉱・菫青石・方沸石・コニカルコ石・ヴァリシア石・方解石・イネス石・ホタル石・チャロ石・木蛋白石・閃亜鉛鉱・輝安鉱・黄銅鉱・杉石・灰霞石・青金石・クリソプレーズ・輝葉石・魚眼石・モルデン沸石・自然金・鉄タンタル石・スコレス沸石・トルコ石・磁鉄鉱・菱亜鉛鉱・ユーディアル石・青色方解石・アムブリゴ石・アラレ石・藍晶石・ダフト石・エレスタド石・方ソーダ石・ヴァナジン鉛鉱・エルピド石・針鉄鉱・ウィークス石・輝水鉛鉱・セラン石・珪亜鉛鉱・ニッケル華・硫砒鉄鉱・車骨鉱など.

 

最上段から3段目です.(国産・海外産混合)

 天青石・チンワルド雲母・曹長石・正長石・微斜カリ長石・白雲母・紫水晶・緑水晶・レモン水晶・紅石英・束沸石など.長石類は全て国産.

 

最上段より4段目です.(国産・海外産混合)

 黄銅鉱・灰重石・苦灰石・鉄藍閃石・シャモス石・ストレング石・種山石・黄鉄鉱・赤銅鉱・錫石・パイロクスマンガン石・ハウスマン鉱・リザード石・皓礬・ピルゼン鉱・胆礬・斜開銅鉱・サンタバーバラ石・斑銅鉱・滋賀石・輝水鉛鉱・水晶・硫砒鉄鉱・カミントン閃石・自然硫黄・ゴールドフィールド鉱・カレドニア石・ローウルフェ石・黄銅鉱・明礬石・桜石・ばら輝石・ディカイト・コサラ鉱・輝蒼鉛鉱・水苦土石・緑マンガン鉱(結晶質)・蛋白石・変種ジルコン・錫石・白雲母・銅緑礬・ホタル石・閃亜鉛鉱・紅砒ニッケル鉱・河辺石・褐錫鉱・安四面銅鉱・アレガニー石・エスキモー鉱様鉱物・インジウム銅鉱入り黄銅鉱・ラング石・葉蝋石・アンティゴライト・ソーダ雲母・テフロ橄欖石・キュムリ石など.

 

300円均一の棚です.最近になって3段にしました.随時増殖中です.

 

 

 

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単体サンゴ?

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単体サンゴ?

 

 以前に小祖父谷に行ったときに,緑色岩に捕獲されている石灰岩をサンプリングしました.石灰岩中にたくさんの有孔虫やウミユリの茎などが入っていました.それらはWeb上で検索をかけてみると大体の種類は判別できました.

 下の標本はサンプリングした時に白色の柱状のモノがすでに入っていて,一面研磨したらなにが入っているのが楽しみでした.

 先日,表面を軽く磨ったところサンゴのような気がしたので,写真に撮ってみました.

中央やや下の棒状の部分です.研磨がまだうまく行っていなくて,ややかすんで見えるのですが,内部が単体サンゴに思えてなりません.

 

顕微鏡下ので拡大写真です.内部が未だはっきりしませんが,サンゴだったらと思って,目の細かいペーパーで仕上げしました.

 

更に拡大したものです.

 

 

 当地の南側は丹波Ⅰ帯とⅡ帯のコンタクトがあって,石灰岩を含む緑色岩がけっこう普通に見られました.随伴する頁岩や角礫岩にも間隙に重晶石の結晶や方解石,黄鉄鉱,赤鉄鉱などがみられました.川原にもそういったものがあり,岩石の観察に適しているようです.

 

 サンゴだったらいいな~と思って写真に撮りました.

 

 


最近の店内 ―2020年2月中旬 その2―

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最近の店内

―2020年2月中旬 その2―

 

前回の続きです.店内に入って真正面の棚です.上段は岐阜県田原産のペグマタイト鉱物を主においています.(いずれも店内販売用商品です)

 

 

商品の例.(以下,店内販売対象商品です)

 煙水晶・ホタル石・正長石・微斜カリ長石・曹長石・エシキン石・白雲母・チンワルド雲母・輝水鉛鉱・トパズ・菱沸石・束沸石など.

 

 

その下です.(国産・海外産混合)(店内販売用商品です)

 菱沸石・リヒター閃石・曹達南部石・クリノクロア・シャモス石・ピルゼン鉱・磁鉄鉱など.

 

 

 

 

 

こちらはガラスケースの右横にある棚の最上部です.(国産・海外産混合)(店内販売用商品です)

 含銅硫化鉄鉱・滑石・スパー石・緑水晶・煙水晶・水晶・鉄礬石榴石・マンガン斧石・灰重石・磁鉄鉱・単斜輝石岩・紅柱石・蛋白石・錫石・閃亜鉛鉱・コランダム・苦土大隅石・曹灰長石・日本式双晶・温泉華・紫水晶・輝安鉱・チタン鉄鉱・黄銅鉱など.

 

その下です.(国産・海外産混合)(店内販売用商品です)

 チンゼン斧石・ホタル石・リチア電気石・苦灰石・スローソン石・灰重石・オグデンスブルグ石・ガルトレール石・柱石・メタ燐灰ウラン鉱・糸魚川石・燐灰石・水亜鉛土・銅重石華・マラヤ石・玉滴石・シャロエッキンジャー石・方トリウム石・ヘディフェン・スバブ石・マンガン方解石・コランダム・青色方解石など.

 

上から三段目です.(国産・海外産混合)(店内販売用商品です)

 テフロ橄欖石・アラレ石・異極鉱・ベスブ石・孔雀石・石膏・黄鉄鉱・方解石・ターブット石・自然銅・硝石・曹灰硼石・普通輝石・燐銅ウラン鉱・エトリング石・胆礬・カコクセン石・ベラウン石・鉛重石・柱石・燐灰石・魚眼石・ホタル石・辰砂・ティラサイト・メンディプ鉱・ベルゼリアン鉱・紅亜鉛鉱・赤鉄鉱・カソロ石・リチア電気石・天青石・ユーディアル石・ツヤムン石・鋭錐石・自然水銀・炭酸水酸燐灰石・ビーヴァー石・塩化銀鉱・黄河石・灰霞石・珪孔雀石・翠銅鉱・ジンケン鉱・亜鉛スピネル・束沸石・ぶどう石・ガイロル石・白雲母・ウェロガナイト・鉄パンペリー石・カヴァンシ石・閃マンガン鉱・青玉髄・マウヘル鉱・マンガン方解石・クリノクロアなど.

 

 

上から4段目です.(国産・海外産混合,店内販売用商品です)

 自然銅・針銀鉱・リチア電気石・燐灰石・辰砂・柱石・珪ニッケル鉱・青色方解石・曹灰硼石・玉髄・ラウヴァイト・ティンカルコ石・天河石・孔雀石・カヴァンシ石・ラムスデル鉱・フィアネル石・ケティヒ石・ベラウン石・褐簾石・オーケン石・セリウムバストネス石・鶏冠石・スピネル・紫水晶・コフィン石・メンディプ鉱・クリノクロア・ケントロライト・自然硫黄・マルガリタス石・ペクトライト・重晶石・ロムボクレース・臭化銀鉱・ジルコン・ミメット鉱・マッカイ石・コールマン石・グアナコ石・紅亜鉛鉱・コスモクロア輝石・白鉛鉱・シャタク石・ストロンチアン石・水白鉛鉱・ハンクス石・ユクスポール石・藍銅鉱・ハックマン石・エスパー石・コルーサ鉱・菱ニッケル鉱・ピンクオパル・プランヘ石など.

 

一番下の棚.(国産・海外産混合,店内販売用商品です)

 ルチル・石膏・リチア閃石・方解石・ウェロガナイト・ミメット鉱・孔雀石・シュンガ石・チタン石・古銅輝石・辰砂・柱石・ホタル石・チリ硝石・自然硫黄・パイロクスマンガン石・閃亜鉛鉱・曹灰硼石・自然鉄・パーソン石・針銀鉱・ユクスポール石・モー石・ランタンダヴィデ石・アルゴドン鉱・マックスウェル石・アムブリゴ石・セリウムバストネス石・緑柱石・ヘノマーティン石・ハロイサイト・エトリング石・ココニノ石・ゼーマン石・ニッケル華・氷長石・桜石・ミクサ石など.

 

 

つづく.

 

 

鉱物の顕微鏡写真80 ―レヴィ沸石ー

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鉱物の顕微鏡写真80

―レヴィ沸石―

 

産地:新潟県上越市柿崎区黒岩の採石場(非売品)

 

Lévyne  レヴィ沸石

[組成]:(Ca,Na2,K2)[Al2Si4O12]・6H2O  三方晶系

[色]:白色・無色・灰色・乳白色・帯黄白色.

[結晶]:六角板状.

[光沢]:ガラス光沢.

[モース硬度]:4~4.5

[比重]:2.09~2.16

[劈開]:{1011} に完全.

[条痕]:白色.

 

  次はレヴィ沸石にしました.卓越する成分がカルシウム(Ca)なら灰レヴィ沸石,ナトリウム(Na)ならソーダレヴィ沸石になりますが,肉眼での判別は難しいため,系列名で紹介したい.今回も国産の標本を使用しました.

 どういうわけか日本海側の玄武岩などの火山岩に多くみられ,小さいながらかわいい花を咲かせる.上の標本は購入品です.周囲に生えている灰緑色部は緑簾石で,ほかの晶洞には方解石も入っていました.

 

上の写真を少し拡大した写真です.

 

他の部分に入っていた結晶です.

 

 

 

 

 

産地:長崎県壱岐市長者原崎.(非売品)

 

 こちらも購入品です.学生のころに一度訪問しようと思っていたのですが,行くことは叶いませんでした.はじめの標本よりも結晶が白濁しているように見えます.この現場のレヴィ沸石はソーダレヴィ沸石があるらしいですが,見てわかるものではないらしく,この標本もラベルには卓越元素名は書いていません.

 

少し拡大した写真です.

 

 

 

 

産地:佐賀県唐津市鎮西町加久保.(非売品)

 

 こちらは学生のころにサンプリングした標本です.筑肥線で唐津まで行ってバス便で訪問しました.平たい山の上を通る林道沿いの露頭があちこちにあり,菱沸石やトムソン沸石・灰十字沸石などが質を問わなければよく見られました.

 今はどうなっているか不明ですが,竹藪の前の露頭でサンプリング・・ではなく落ちていた石を拾いました.このあたりの玄武岩はめちゃくちゃ堅いので,なるべく露頭の前に落ちていたり,藪の中に落ちている石を探したりしていました.

6枚目の写真をさらに拡大しました.

 

 無色透明なレヴィ沸石を撮影したのですが,どういうわけか青っぽく映ってしまう.かなり透明度と光沢の強い結晶でした.

 

別の部分を撮影したものです.結晶の内部にエジリンのような針状の結晶が入っていました.小さすぎて判別できませんでした.

 

産地:佐賀県唐津市鎮西町打上.(非売品)

 

 こちらは購入品です.黒色のアルカリ玄武岩に鉄分をコーティングするのか,多少黄色っぽい結晶が空隙に入っています.

 

黄色っぽく見えたのは表面に粘土が挟まっていたからのようです.

 

 

 

 

 

産地:長崎県平戸市生月町番岳西麓.(非売品)

 

 

  こちらも学生のころに生月の沸石見たさで遠出したときにサンプリングした標本です.帰ってから開けてみると表面に塩が噴出していた.洗って取り出すともっと光沢の強いレヴィ沸石が入っていました.

上の写真の拡大写真です.六角板状の結晶がレヴィ沸石です.一部に十字沸石を伴っています.

 

1mm近い大きさのレヴィ沸石です.大きくなると結晶はルーズになるようです.

 

 生月島は交通の便が比較的よく,食べ物も美味しく,風景も良いので時間が出来れば再訪してみたいです.

 

いくつかの研磨した石200

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いくつかの研磨した石200

 北海道様似郡様似町幌満川のレルゾライトを一面研磨しました.様似鉱や幌満鉱が発見された頃に出回っていたものをサンプル購入しました.肉眼でこれらの鉱物を判別は無理だろうし,たとえ入っていても似たニッケル系の鉱物と区別がつかないだろうし,こういうものだ,という感覚で持っていました.最近になって岩石をするようになって,鉱物標本を岩石標本に作り替える際に,手選していたところ,この石が出てきました.裏面が切断されていて平滑にするのに手間がかからないだろうと踏んで,この面を研磨しました.

 

研磨面以外の面.標本の正面です.元ラベルにペントランド鉱?ほか各種ニッケル鉱物,自然銅と非常に曖昧な名称で記載され,矢印で指示までされていましたが,すでに錆びたのか,真っ黒でよくわからなかったため,これをレルゾライトに書き換えました.

 

(研磨)切断面の研磨のため,そんなに手間は掛かりませんでした.橄欖石が一番多く粒が揃っていたので,堅いですが磨り易かった.研磨は青砥でしていたのですが,光沢が出ず,中途半端に風化したホルンフェルスで光沢が出ました.

 

(以下,顕微鏡写真です)

単斜輝石.クロムを含有し緑色を呈する透輝石.粒が斜めに走る脈でずれて居るような感じがしました.

 

こちらは斜方輝石だと思うのですが,小さすぎてよく判りません.

 

これも斜方輝石のようですが,粒状になっているため別鉱物かもしれません.

 

こちらはスピネルです.クロムを含有しているかもしれません.もう少し透明感があってもいいのですが,強い光源で撮影しても透明感があるかどうかは判りませんでした.

 

ニッケルを含む硫化鉱物と思うのですが,小さすぎてよく判りません.

 

 

こちらは中央よりやや左上のところに微細な自然銅が入っていました.まわりに黄錫鉱のような感じのする立方体の鉱物が付いていて,黄鉄鉱ではないだろうと思うのですが,もしかしたらポリディム鉱のようなニッケル鉱物かもしれません.

 

 

 

 

 今回で200回を数えることができました.200回なのでいつもと違うものを磨ってみようと思って,いろいろ探していたのですが,時間ばかり要して前に進まないため,あらかじめ候補にしていた石を順番通りに更新しました.おそらくまだまだ続くと思います.

 

 

 

 

 

加太川河原にて

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加太川河原にて.

 

滝めぐりも兼ねて伊賀方面に行ってきました.最寄りのICから高速に乗り,京滋バイパスで栗東まで行きました.そこから東海道沿いに東進し鈴鹿峠を抜けました.関宿から加太川沿いに沿って遡っていき,降りられそうなところを探して降りてみました.

 

 

 

 

 

全体的に花崗岩の転石が多くみられました.中に三枚目のような泥質ホルンフェルスがありました.ほか少量の片麻岩質岩やアプライトなどがありました.

 

 

細かい変成鉱物が含まれていました.

 

 引き上げ掛けにサンプリングした石にかなり立派な柱石がありました.

柱石.中央の細長い柱石で約32mmありました.

 

 

 この後に滝めぐりとなりました.

 

 

白藤滝 三重県伊賀市山畑滝川

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滝めぐり

 

 

 

 

 

 

―白藤滝―

三重県伊賀市山畑滝川

 

 

 

 

 加太川の河原を辞して,旧国道25号を西進しました.国道野村のバス停のところから,左折して広域農道をとりました.左手に霊山が見え,山地沿いに南下して,道標のところで左折して川沿いに上っていきました.

 

滝の道標がありましたので,路肩に停めて,遊歩道に入っていきました.

 

 

 

かなり整備の行き届いた道なので迷うことはなかった.

 

朱塗りの橋の先に目的の滝があった.

 

白藤滝.水量はやや少なめででしが,迫力はありました.

 

上の方.

 

中頃.

 

下の方.

 

 

 帰りがけに,往路で気になっていた壁を見てきました.

 

壁.階段を下ってすぐに目の前に見える壁.朱塗りの橋方面から見ると一直線のようになっていました.峡谷は断層なのか?

 

階段の正面より.

 

 

 川原で一通り岩石を見てまわりましたが,花崗岩くらいしかありませんでした.たまにアプライト岩脈が走っているくらいで,ホルンフェルスのような変成岩は見られませんでした.

 

次の滝に向かう.

 

 

 以下,滝の周辺図です.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.

 

 

 

 

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