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阿武山から摂津峡へ2

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写真が重いため2回に分けます.



 山頂は,南東のみ伐採されていてこの方面だけ展望が利いた.前に持っていたデジカメよりも広角で遠望写真もノイズが少なく撮れるので,展望の良い山に登るのが最近楽しみになってきた.

 



南東方の展望.写真奥の山地沿いが枚方市街.


 山頂でいつもは昼食を摂るのですが,出てくるのが遅くなりそうだったので,家で摂ってきた.

 山頂で休憩し,変電所方面を目指す.地形図を見ると北斜面はやや急勾配になっていた.道は山頂から先で東の急斜面についていて,よく滑りそうな階段がつけられていた.一部が伐採されて展望が利くが,足元が悪いため下しか見られない.

 トラロープが備えてあったが,若木にくくりつけられている所為か,体重を支えるだけの強さがなく,持つと余計に怖い.長さはあまりなかった.降りたところで林道のようなはっきりした道に出合い,北よりを取った.




 林道にでてしばらく行くと重機の音がしだして,工事中の横を通る.



 先は造成地で西にお椀を伏せたような竜王山(510m)がよく見える.造成地の先はやや広いダートの林道で小さなコブの肩を巻いている.コブの先にカット面が見えていたので,何かないかちょこっと見ていく.

 斜面の手前にくっつきむし(雑草)がたくさんあったので,あまり近寄れなかった.府道の手前にボロボロになった濁沸石の脈で切った露頭があった.




白い部分が濁沸石(Laumontite).結晶水が抜けて粉末状になっている.ほじるとたやすく粉末になった.母岩の部分は緑色岩の風化したもののようで,すでに粘土化している.



 露頭から少しで変電所前に着いた.



 ここまでの所要時間は山頂を14時に出て,約30分を要した.バス停から月見台のバス停まで行く.バスが通ったら1区間たけ横着しようと思ったが,待ち時間が長く,そのまま歩いた.





 月見台のバス停横の細い道を下りていくと摂津峡との分岐点に着いた.ここから先は過去何度も通っている道.この日も川原を見て歩いた.

 



 谷の右岸から運動公園の方に至る分岐から少し入り,鉱石が流れていないか今回も探した.



 この谷の上流に2つ鉱山があった.前にも少し触れましたが,変電所の北に岩戸坂鉱山,萩谷運動公園の北の尾根に横峯鉱山が,所在不明の高槻鉱山がありました.この谷に流れているのは岩戸坂鉱山と,前述の分岐の先の橋から少し上流に行った所にある銅の試掘坑跡のものがあります.

 岩戸坂鉱山は川の脇に開坑していたようでズリなどは全くありませんでした.ズリなどは流出したようで,沢にあるものは大部分が岩戸坂鉱山のもののようです.銅の試掘坑は鉱山の下流になり,ここまでは岩戸坂鉱山のものといえそう.沢付近は暗いので,目が慣れてこないと鉱石が見つからない.

 ホルンフェルス化した緑色岩は表面が白くなっているため比較的目につく.鉄さびがついているのを欠かすと,割れ目に石膏が付いていた.内部はサーラ輝石に少量の磁硫鉄鉱が鉱染しているだけで,鉱石とは呼べない.

 石垣の下で,一つ磁硫鉄鉱―黄銅鉱からなる塊を拾った.鉱山のもののようだ.


 銅の試掘坑は斜面の少し上にあり,石垣でできた段々の上に少量転がっていた.こちらはズリがあり,ホルンフェルスと花崗岩(脈岩)との接触部を含む石が見られました.ただし金っ気は全くありませんでした.

 

 (岩戸坂鉱山の鉱石は主に磁硫鉄鉱―黄銅鉱からなり,少量の黄鉄鉱や閃亜鉛鉱などを伴っています.脈石鉱物は今まで見た限りでは石英・方解石・緑簾石・サーラ輝石・透緑閃石など.稀にサーラ輝石からなる母岩中に無色―白色粒状の灰重石が見られました.(短波紫外線で蛍光したため))


分岐にもどり白滝から上の口までぶらぶら歩いて帰りました.





 


ほか帰り道で,きのこが生えていたので写真にとりました.笠の表面は滑っている.食えそう?




きのこの親木はこいつ.左肩と右下に生えている.



白滝.




摂津峡.紅葉にはまだ早いよう.





本日,HP通販用商品を 10点 追加更新しました.


新HP は↓ から.


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当店HP カテゴリーの追加しました

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 最近になって造岩鉱物がよく検索されているために,カテゴリ―に


 「造岩鉱物」


 を追加しました.本日HP通販商品を8点追加しました.


 新HP は↓から.


 



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田倉山(宝山)にて

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 天気予報が微妙だった昨日,府県境の田倉山(宝山)火山に行ってきました.

田倉山(宝山)は夜久野台地を作った小さな火山で,玄武岩質岩が覆っていて

府下唯一の火山で知られています.国道9号線からお椀を伏せたような山容

が北側に見えていて,いつか行かないと,と思っていたところでした.

 

 玄武岩の柱状節理の見られる採石場跡は公園化されていて,1996年ごろに行った記憶があり,山の方は今頃になってからになりました.

 どこから取りつくのかよくわからなかって,山関係のページを漁ってみましたが,案外レポートが少なく,観光協会のページでやっと駐車場もあることが分かりました.


 夜久野峠まで,亀岡からだいたい1時間半くらいだと思っていましたが,9号線の流れが悪かったりして,結局2時間を要しました.

 道の駅夜久野から,少し兵庫県側にずれた山の東側に宝山公園があり,ここに車を置いてあがりました.



宝山公園.山頂へは画面中央の階段を上っていく.




山頂まではこのような遊歩道がつけられているため,迷うことはない.




尾根筋.中央左手が火口側の植林.



林道出合.ここから展望(東側)が利く.




展望台から夜久野台地.中央左に山陰線の軌道が見える.




展望台から見た小倉富士.麓の小倉や夜久野峠の方から見ると富士山のような山姿を見せるが,異なる方角から見ればこんなもん.



 紅葉しているような書き込みがあったので少し期待しましたが,すでに終わっていました.尾根筋から林道出合,旧火口淵に沿って遊歩道がつけられていて,下から僅か30分ほどで山頂につきました.



山頂手前.ここまでくると展望は無い.小屋の向こう側に三角点がある.




三角点.



 山頂は広葉樹と植林(旧火口側)の境界で,やや大きな建屋の地蔵堂があり,三角点はそのそばに設置されていました.道をよく把握していなかったため,林道に戻り,旧火口の方へ行きました.


 旧火口には看板があり,ややぬかった(前日は雨)階段を上ると植林された旧火口に着いた.どうも山頂から一周できるようで,初めからそうしておけばよかった.

 

旧火口入り口.




火口内.植林されていてよくわからない.


 旧火口内をぶらぶらして分岐に戻った.ようやくどんよりしていた空が明るくなってきて,展望台で休憩.

 夜久野台地を見渡せるが,早くも北側に時雨れてきそうな暗雲が,迫ってきて僅か20分ほどで時雨れてきた.雨に降られるのは嫌なので早々に下山した.

 

 道の駅で,いくつか野菜を購入して帰った.



本日HP用商品 1点追加しました.

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田倉山ルート図

HP商品更新のお知らせ

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HP通販用商品を本日11点追加更新しました.


 例 赤銅鉱 束沸石 セラドン石と霰石 ペクトライト 黄鉄鉱 

   パイロクロアイト モルデン沸石 正長石と高温石英 方鉛鉱

   など.



HPへは↓から.

 

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年末年始のお知らせ

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年末年始の予定は以上のようになりました.

1月2日―3日は午後からの営業となっています.





ほか


 今週のはじめに久々に鐘打鉱山へ行ってきました.下草がうまく枯れていたらいいのですが,選鉱所跡はいつも通りヤブに覆われてました.

 


選鉱所の西の山腹にあった山神神社の跡.選鉱所上部から杣道を下りてきた広場にヤブに覆われた階段を見つけて昇って行った先に土台だけ残っていた.山神さんと思われる.手前に小屋の跡のような土台があり,真っ白な石英の大塊が転がっていた.

 山神さんまでの参道はイバラや痛い草がたくさん生えていて,経験者向き.




選鉱所跡.やはりヤブに覆われていてよくわからない.上部は軌道の跡と小さな沢で行き止まりになっていて,鉱石らしいものは全くなし.




採鉱課事務所跡.ここはずいぶんと下草が無くなっていた.写真の現場には以前大量のボーリングコアが転がっていましたが,今回は全くありませんでした.


ハンマーは出番なしでした.






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なんとなく明けてしまいました

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 なんとなく新年が明けてしまいました.天候が悪かった訳でもないのにどこへも行ってません.特に最近は余り採集意欲がなくなってきて,里山歩きばかりしています.

 初登りはまだですが,そのうち行きたいと思っています.


 今日HP更新用に幾つか整形していたのですが,大江山近くのモリブデン山のどうしようもない大きさの石が出てきました.脈に沿って割れていて盤際に輝水鉛鉱が入っているのが見えていますが,真上から観察できないため,ダメ元で割ってみました.

 脈の空隙から母岩に立った輝水鉛鉱の結晶が出てきました.



Molybdenite 輝水鉛鉱.一応結晶している.小さいながらも盤際から生えているように見える.右下のスケールバーは約2mm.


 こぶしサイズの母岩より一回り大きい母岩でしたので,あまり標本には採れませんでした.

 今年はまだ現地には積雪が無いようです.




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ここ最近の店内

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一番みるお客さんの多い棚.稀産鉱物などを置いていた.


壁側の棚.見た目あまり変わっていないようにみえますが,細かくみると結構変わっている.



化石の棚.ここは入れ替わりが少ない.



 一か月ぶりの更新です.天気と定休日の組み合わせが悪くほとんど山には行っていません.ネットのほうは随時更新中で,今日もいくつか更新しました.






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 あなたの心の鎧を華麗に変身させちゃいます ~マヤ暦使い&算命学使いの魔女っこ智加~


六甲山で探索も大雪敗退し

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  今週のはじめに六甲方面にぶらっと行ってきました.


  時折小雨の降る天候でしたが,あの辺は温かいだろうと勝手に思い込んで

 行ってみたら,現場に着いた途端に吹雪のような天候でした.

  花崗岩と熱水変質を受けた灰色凝灰岩をサンプル採取し,結果的には敗

退でした.

 船坂方面の現場で,近くに船坂鉱山があり,船坂峠の南側から攻めてみまし

た.転石に何か手がかりがあるだろうと思っていましたが,黒雲母花崗岩ばかりで,グライゼンのようなものは皆無でした.タングステンやモリブデンの来そうな石英脈も見つけられませんでした.


 帰りに百丈岩へ寄ってみました.船坂川沿いにあり,川原でも探してみましたがそういうものはありませんでした.

 その代わりに変質した凝灰岩が多く見られ鉄焼けした石がありました.脈状に磁硫鉄鉱と黄鉄鉱が入っていて,脈の太い部分には方鉛鉱を伴っていた.

 川原の石は多くが黒雲母花崗岩と流紋岩質凝灰岩で,なかにずっしりと重い金属質の塊があって,鉱石かと期待しましたが,カラミでした.

 上流の中国道に近いところで,1894年ごろに高丸鉱山という名前で銅を採掘していたことがあり,山吹きをやっていたようだ.

 

 その後は新着工の高速の工事現場を県道沿いに見ながら帰りました.



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 あなたの心の鎧を華麗に変身させちゃいます ~マヤ暦使い&算命学使いの魔女っこ智加~

 新HPは下から.今週は10点近く追加更新しています.

南の方へ

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今週のはじめ南のほうへ 行ってきました.

きらきらもの目的ではなかったので,いくつか旧坑をまわりました.

紀州鉱山によってそのあと少し,南紀の旧坑に行きました.



牟婁層群の砂岩及び泥岩を切る鉱脈鉱床で,古くは銀山として開発されたようです.坑口の前は林道を挟んですぐに川原でした.

 ズリは確認できず,川原に転がっている鉱石を幾つか見たのみでした.

 鉱石は閃亜鉛鉱・黄鉄鉱・黄銅鉱に少量の方鉛鉱を含んでいました.別の鉱石はペーパーカルサイトに磁硫鉄鉱を噛んでいました.

 時間の都合上あまり寄れませんでした.


 南の方は温かかったので,花粉の方は・・・・

 紀州のズリで,発症しました.


 今は小康状態です.



 

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ふたたび 南のほうへ

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先月にひきつづいて 


南の方に行っていました.


畿内とは違い,


山の上のほうの山桜が


満開に近い感じでした.


 

平谷林道入り口付近で.




大野在所付近から.


山の下の方は新緑が生えてきて,


季節は進んでいるようでした.


 今回の鉱床探索は,M鉱山付近


になりました.


 すぐ近くにある紀州鉱山とともに


この地域では大きな部類に入る


鉱山でしたが,訪山や鉱床探査の


記載が極端に少ない.


 選鉱所付近から山裾を大きく迂回


したところにある支山の坑口2か所


に行きました.


 坑口はヤブの中か崩壊したようで


よくわかりませんでしたが,ズリは


健在でした.




選鉱所とホッパーの遺構.

  この付近は昨今の大水害によって地形が抉られたため,災害復旧工事がいたるところで行われていました.ズリ石とも山石とも見分けがつかないゴロ石だらけで,見る気も失せるくらいでした.




山の南側に展開する支山の一つ.

  県道の脇から路肩がコンクリでしっかり作られた廃林道を辿ると,比較的大きなズリと上の写真の遺構がありました.こちらも水害でズリが大きく抉られ,山石とズリ石の見分けがつかないくらい混在していました.硫化(黄鉄鉱)に少量の黄銅鉱を含んでいる網目状の鉱脈で,斑銅鉱や輝銅鉱が文献に記載されていました.

 現地で広く探してみましたが泥質岩に鉱染した貧弱なものがあったにすぎませんでした.




2箇所目の旧坑.山の西側で掘っていた支山の一つ.

  山の地形に沿って,激しく険しく蛇行する,県道から少し林道を下ったところにある支山の一つ.部分的に路肩は弱っているものの基礎的な工事は鉱山がやっているらしくしっかりしてて通行に問題はない.ただし幅員が極端に狭く脱輪注意.痩せ尾根に直接ついている林道で,尾根を回り込んで,わずかな距離を折り返して下に下っていくと写真の現場がある.入り口から片道2㎞程度.川を渡ったところがズリで,石垣が残っていた.




ヤブの中の石垣.

  かなり見にくいですが奥に石垣が組んであり,奥に坑口だったと思われる凹地と石組が隠れていました.ズリ石には一か所目の支山と同じような組み合わせの石が見られ,角礫―円礫状の泥質岩の間隙を黄鉄鉱―黄銅鉱で満たした鉱石で,小さなブロックには方解石からなる塊状の石灰岩様のものもありました.

 二次鉱物は特にありませんでしたが,硫化物とブロック状石灰石との境界付近に,孔雀石と水亜鉛銅鉱は確認しました.ほかやや片理に沿って割れる泥質岩があり,これの割れ目より薄い板状の石膏がみられました.

 鉱石の傾向は北方にある紀州鉱山のものと似ていましたが,こちらの方が全体的に低品位であるように思いました.全体的に低品位でしたが叩く石はたくさんあり,見栄えのするものに黄鉄鉱が細かい水晶と一緒に晶洞をなすものが,結構多くみなれました.


移動距離が長かったので,今回は


2箇所で終了した.




  支山から続いている,やたら激しく険しく蛇行する極端に幅員狭小な県道を北上したところにある,展望地.大峯奥駈道の連峰が望めた.右奥のやや尖ったように見えるのは釈迦ヶ岳か? この写真を撮った展望地は足元から数十センチほど滑らしたら100m以上高度のある崩壊地(ガレ地)でおっかない.





 



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南の方の石

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 きのう更新しました,南の方の現場で


サンプリングしたものを成形しました.




Chalcopyrite 黄銅鉱 CuFeS2 正方晶系.

  裂罅充填型鉱脈鉱床のようで,泥岩及び砂岩の角礫の間隙を満たすように,黄鉄鉱及び黄銅鉱が充填しています.この石は2箇所目の支山からサンプリングしたもので,局所的に黄銅鉱が濃集していました.外形が比較的現れやすいところはほとんどの部分が黄鉄鉱で,小塊状や細い脈をなしている部分に黄銅鉱が入っていました.(写真中央より下の方に濃集)

 角礫状の泥質岩が案外堅く,周りの黄鉄鉱の部分が脆いため成形が難しかった.黄鉄鉱の部分は極端に脆いので少しハンマーが当たるとイレギュラーなところでクラックが入り思うように割れてくれませんでした.ハンマー傷が入ることを無視して,泥質岩の方を削ると何とか75mm×60mm×20mmの箱にピタリと入るように整形できました.





Pyrite 黄鉄鉱 FeS2 等軸晶系.

上の写真と同じく2箇所目に行った支山でサンプリングしたものです.こちらは泥質岩―砂岩角礫の間隙を満たすほぼ黄鉄鉱からなる石です.生成時にガスが多かったのか,黄鉄鉱―黄銅鉱―細かい水晶を伴う晶洞がいたる所にできています.



上の写真の石の晶洞の顕微鏡写真です.中央部,黄色味が強く黄銅鉱のように見えますが,表面に別の鉱物が被覆しているだけで黄銅鉱ではありませんでした.黄銅鉱は黄鉄鉱ややや緻密になった部分に少量含まれていました.




黄鉄鉱を主とし少量の黄銅鉱や閃亜鉛鉱を

ともなう鉱石を切断一面研磨したもの.

 今回の探索ではじめに行った支山の鉱石を切ってみました.黄鉄鉱や黄銅鉱だけしか入っていないと思っていましたが,切断して初めて黒色粒状の閃亜鉛鉱が含まれているのが分かりました.




  こちらは2箇所目の支山の黄鉄鉱からなる石を切断したものです.帯青灰色部が角礫状になった泥質岩で,外形が比較的はっきりしている真鍮色金属光沢部が黄鉄鉱です.研磨するとき黄鉄鉱の方が早くすり減り,高さを合わせるのが大変でした.




   主要鉱石鉱物は黄鉄鉱と黄銅鉱で


 ほか少量の閃亜鉛鉱と方鉛鉱を


 伴っているようでした.



   脈石は石英と紀州鉱山でよく見られる


 ような表面が風化で溶けたようになって


 いる方解石がよく見られました.



   ホタル石もありそうでしたが,現地では


 見つけられませんでした.


 探せばあるかもしれません.


 

   二次鉱物は比較的最近まで稼業していた


 鉱山であるためほとんど見つかりません


 でした.


  

Aurichalcite 水亜鉛銅鉱.

(Cu,Zn)5[(OH)3|CO3]2 単斜晶系.

 少量の二次鉱物があって,少しサンプリングしました.黄鉄鉱―黄銅鉱で充填された鉱石に泥質岩の角礫のほかに方解石塊を伴ったものの割れ目に水亜鉛銅鉱ができていました.見た目に孔雀石だと思って放置仕掛けたのですが,一個だけサンプリングしました.帰ってから改めてみてみると水亜鉛銅鉱でした.周囲に白色被膜状の水亜鉛土も少し付着(此は,短波紫外線で青白く蛍光した)していた.





 







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いくつかの一面研磨した石1

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昨年秋ごろから一面研磨に凝っています.


研磨した石がたまってきましたので,


複数回に分けて公開します.





綾部市施福寺のダトー石・ぶどう石・パンペリー石からなる塊.

綾部市上杉から上林の方に抜ける,幅員僅少の峠の南側の露頭から随分前に見つかったものです.夜久野オフィオライトの東の延長のような小岩体で,上部が蛇紋岩,下部が斑糲岩質岩が変質したもので構成されていて,上の石は下の岩体からのものです.淡緑―淡青色部にぶどう石(Prehnite)にパンペリー石(Pumpellyite)が混入した部分で,これを切る白色部がダトー石(Datolite)です.母岩サイズ59mm×48mm×30mm 




南国市穴内鉱山松株本坑のチンゼン斧石―マンガン斧石系鉱物とストロンチウム紅簾石―紅簾石系鉱物.

 穴内ダムの南側に位置する鉄マンガン鉱床.鉄マンガン鉱床の石はあまり色彩がきれいでないことが多く,たまたま採集したこの石の色彩がきれいなので,どういう風に仕上がるか楽しみでした.上部の方と下部の方と硬度がなかり異なっていて,表面に大きな凹凸ができたりして,かなり大変でした.

 下部の方は方解石だけかと思って磨っいたら,一部に硬度が高いところがあり,石英を伴っているようです.上部の赤いところにストロンチウム紅簾石が集まっているようですが,ふつうの紅簾石とストロンチウム紅簾石との見分けは全く付きません.チンゼン斧石は橙色の部分と一般的には言われていますが,方解石に伴われる部分は明らかにカルシウムが多いと思われるため,チンゼン斧石―マンガン斧石系鉱物としました.赤褐色塊状ぶはカリオピライトで,これを切るヒョロヒョロとした黄色の脈は南部石とのこと.母岩サイズ44mm×40mm×20mm


 本日HP通販商品 11点更新しました.


 HPは↓  から

 

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いくつかの一面研磨した石 2

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きのうの続きです.




京都府半国山の球顆流紋岩.

 一昨年の夏に登ったときに山頂近くの鉄塔のところで採取したものです.半国山自体は有馬層群瑠璃渓層の流紋岩及び流紋岩質凝灰岩・凝灰角礫岩からなっています.一個は標本サイズに成形しましたがもう一つのほうを切断して一面研磨してみました.花弁のように見えるところは主に長石(ほとんど変質していて粘土鉱物になっている)で,ほかの部分は緑泥石や石英からなっているようです.

 山頂北側に大きな露頭があり,南側は流紋岩球顆が見られました.球顆は多くが分解していて一部に玉髄や空隙になっているところに細かい水晶が入っていることもあった.標本サイズ66mm×47mm×15mm




兵庫県宍粟市大身谷鉱山の銀鉱(びりひ)

 兵庫県の中心近くにあり,北に明延鉱山がある鉱脈鉱床です.いつごろ採取したものかは忘れてしまいましたが,きれいに表面を洗ったあと2年ほど風乾したところ,写真の右端に少しある頁岩の上にカビ状の銀ができていた石で,銀は酸化してわからなくなってしまったので,切ってみることにしました.

 ダイアモンドの刃で切断後に,ベビーサンダーで表面を荒削りした後は主に手磨きで仕上げました.サンドペーパーで中削りしたあとは時間がかかってしかなかったですが,青砥である程度の艶を出した.最後に大平山と鴨瀬谷の砥石で仕上げようと思い何度かやってみましたが,石英の部分が多く砥石が負けてしまっていてうまい具合にはなりませんでした.

 ほかの素材で何度か試していると,青砥の産地で有名な山の近くから出た,ほとんど風化していないホルンフェルスでやってみるとうまく仕上がった.

 写真上部の黒色(写真では褐色に見える)の筋が輝銀鉱の脈で顕微鏡的な紅銀鉱を含んでいました.ほか白い部分は石英.

ほぼ中央の黄色味がかっている褐色部に方鉛鉱と黄鉄鉱を,ほかの褐色の太い脈は緑泥石類に少量の黄鉄鉱を伴っています.標本のサイズ56mm×51mm×14mm.




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いくつかの一面研磨した石 3

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昨日の続きです.




島根県益田市美都町山本葛籠 都茂鉱山のベスブ石スカルン

 5年ほど前に中国地方を一周したときに採取したサンプルを切ってみました.当初は赤褐色の部分は石榴石と思っていましたが,検討したところベスブ石でした.一部分に石英脈が網目状に貫入していて,都茂鉱が入っているかも と期待した石でしたがこの石には入っていませんでした.赤褐色部がベスブ石で緑色部が透輝石―灰鉄輝石系鉱物,その周りの白色の部分が珪灰石です.右下の灰褐色のところは錆びた斑銅鉱.母岩のサイズ65mm×45mm×20mm




京都府亀岡市高村鉱山のヤコブス鉱.

こちらも5年ほど前に採取したもので,裏側にヤコブス鉱の黒色脈が入っていたので切ってみると面白い石になりそうで,やってみました.ごらんのとおりヤコブス鉱は切ったところまで行っていなくて,切った面くらいで殲滅しています.赤褐色部はアレガニー石系の鉱物で,緑泥石系鉱物を混入していると思われます.黒色部は分解した二酸化マンガンの鉱物で,灰緑色部はテフロ橄欖石,そのほかの肌色―褐色部は菱マンガン鉱のようです.母岩のサイズ62mm×54mm×25mm.この石は結構やわらかかったです。ものの数時間できれいになりました.



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いくつかの一面研磨した石 4

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 ときおり思い出したかのように


寒い日がやってきますが,


 ようやく春めいてきました.





写真は今日店に来るときに近くの中学校の桜が満開だったので,撮ってみました.すぐ横に目障りな電線と電柱があって構図が大きくとれませんでした.





 山の上の方まで開花しているようで,


杉の植林の切れ目がピンク色になって


いました.

 

 明日からまた天候が悪い予報なので


花散らしの雨にだけはなってほしくない


です.




 きのうの続きです.





  明延鉱山永盛脈の転石だったものを切って切断したものです.以前にも挙げた石だと思いますが,研磨面が今一つ気に食わず,砥石を換えて研磨してみました.もともと楕円形の石で重量が2kgを超える石でしたが5枚に切断して,上の標本は自分用,端の方を筑波に,これの兄弟が益富に寄贈しています.

 残りの分はイベントの時に販売しました.端の方は検査したようでインジウム銅鉱が含まれているようです.いずれもミクロン単位のちいさなもので,肉眼で判別できるような代物ではないそうです.

 砥石のほうをいつも使っている青砥から,中途半端に変質しているホルンフェルスに換えたところ,石英の部分が飛躍的にきれいになりました.黄銅鉱ははるかに軟らかいので,先にすり減ってしまい邑が出てしまいました.特にきを付けていたのですが擦った時にはすでに遅かったようで,黄銅鉱の部分が少しへこんでしまいました.(といっても顕微鏡で確認できる段差ですが)

 いまさら大きく荒削りしなおすのも大変のなので,大平山の木端で,表面がある程度平滑になるように仕上げました.標本は舞鶴帯の緑色岩を切る石英脈で,黄銅鉱を主とし少量の磁鉄鉱・方鉛鉱・閃亜鉛鉱・インジウム銅鉱などを伴っています.標本のサイズ:102mm×65mm×35mm.





  以前にO社で購入したものです.もともと切断されていて前に紹介したときはまだ表面は処理していませんでした.島根県の大森鉱山の「福石」です.円礫を含む凝灰岩で二酸化マンガンや金属鉱物で鉱染したものです.切断面が切りにくかったのかずいぶん湾曲していて平滑にするのに大変でした.凝灰岩なので部分的に硬度が異なるので機械等で一気に磨くと随分と邑が出てしまいました.

 邑が出た分は,やはり砥石の木端で研磨機が当たっていないところを手作業で擦っていきました.上の写真はまだ研磨途中でまだいくつかの部分が気に食わず,もう少し時間がかかりそうです.二酸化マンガン以外の鉱物は礫間に少量の黄銅鉱と方鉛鉱は確認しました.自然銀は残念ながら含まれていませんでした.もしかしたらもう少し削りこむと出てくるかもしれません.標本のサイズ約110×70mm×40mm.







 本日HP通販用商品を 3点更新しました.


 HPへは↓ から.




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いくつかの一面研磨した石 5

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きのう京都市内に所要で


出かけたときに駅のホームで


撮影しました.







  奥は丹波富士と俗称される牛松山.愛宕山連峰から派生する一つの尾根で,亀岡断層によって南北に切られているため三角形に似た山容に見える.丹波Ⅰ型亜層群の頁岩・チャートからなり一部に輝緑岩や石灰岩の岩体を挟んでいる.麓に複数のマンガン鉱山跡や石灰掘跡,支尾根から山頂にかけては砥石(珪質粘土岩)の掘り跡が各所にみられた.





きのうのつづきです.



京都府南丹市日吉町弥谷鉱山のハウスマン鉱.

8年ほど前に鉱山の探索をしたときに見つけたものです.一抱えほどあるチョコレート鉱で,一部を標本サイズに成形しほかは一面研磨の方にまわしました.それらにとったあと残った石でしたため写真右手が切断面になっています.チョコレート色部がハウスマン鉱で少量の菱マンガン鉱を含んでいます.灰緑色部はテフロ橄欖石で脈は菱マンガン鉱です.標本サイズ60mm×45mm×35mm.





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いくつかの一面研磨した石 6

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 きのう所用で店を開けていました.


 帰り道にいつも通る川沿いの桜


 が満開でした.

 

 夕焼けに空が赤く染まって


 幻想的でした.


 








帰り道でよく通る川沿いの道より.



前回の続きです.




福岡県八女市星野鉱山の銀鉱(びりひ)

  銀鉱物は入って無さそうですが銀鉱のラベルがついていましたので,昨年の京都ショーの時に購入したものです.母岩の大きさが75mm×60mm×20mmの箱にほぼぴったりでした.両面ともにすわりが悪いので,片方を切ってみました.とんでもなく堅い石で,ここまで擦るのに往生しました.暗色部は珪化した凝灰岩質岩で上部に玉髄質の石英が接しています.顕微鏡で観察したところ,黄鉄鉱と少量の閃亜鉛鉱,微量の方鉛鉱などを確認しました.真ん中の部分が未だ平滑になっておらず,もう少し処理しないといけないのですが,なんせ堅いためひとまずこれでよしということにしました.




滋賀県甲賀市大河原 弥栄鉱山のヤコブス鉱.

  ずいぶん前に購入したもので,ほかの見栄えがする石を入手したため,この石を切断して研磨してみることにしました.石英とテフロ橄欖石がほとんど入ってない鉱石なもので,すり減るのが一枚目の写真の石とは真反対でした.黒色脈は主にヤコブス鉱で,磁性の弱いところもあり最近みつかったリューコフェニス石が含まれている脈かもしれません.脈の間の淡色部は主に菱マンガン鉱で,少量のパイロクロアイトを伴っています.母岩のサイズ70mm×55mm×25mm.






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いくつかの一面研磨した石 7

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前回のつづきです.




佐賀県唐津市厳木町笹原 厳木鉱山新坑鉱床のテフロ橄欖石―ばら輝石からなる塊状鉱石.

  以前に少し書いたかもしれませんが,最近になって表面がくすんできましたので,再度研磨して写真に撮ってみました.学生の時に青春18きっぷを使って採集に行ったときのものです.真ん中にばら輝石の脈が切っていて,周辺の暗灰褐色部は主にテフロ橄欖石です.ほかに少量の菱マンガン鉱や満礬石榴石を伴っています.



 上の標本の裏側です.赤褐色部がばら輝石で,暗灰褐色部がテフロ橄欖石です.




 その一部のばら輝石からなる脈の拡大写真です.(顕微鏡写真) 中央のやや光って見える部分は輝コバルト鉱のようで,現物はもう少し赤みがかっています.ななめに切っているのはネオトス石で充填している割れ目で,標本を成形するときこの割れ目で割れてしまい標本にならないのがたくさんできてしまう.ネオトス石の部分が一番弱いのでこれの切っている変な方向に割れてしまう.

 

  ばら輝石が少量入ったテフロ橄欖石からなる部分.(顕微鏡写真) 真ん中ななめにばら輝石の脈が切っている部分にはあまりほかの金属鉱物等は入っていない.黒色亜金属光沢の粒状部がヤコブス鉱―マンガンスピネル系鉱物で,磁性がありました.黄鉄鉱のように見える部分は黄鉄鉱か,あるいは針ニッケル鉱.




  あまり産出量が多くありませんが,厳木鉱山の針ニッケル鉱です.ネオトス石のほとんど入っていないテフロ橄欖石中の裂罅に稀に見られるようで,本鉱山ではこの標本でしか見たことがありません.写真中央の黄色っぽい針状の部分.



つぎに続く.



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いくつかの一面研磨した石 8

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前回のつづきです.切った石が


ずいぶん続いています.




愛媛県千原鉱山の閃亜鉛鉱―黄銅鉱―黄鉄鉱―方解石からなる鉱石.


  以前に京都ショーで購入した含銅硫化鉄鉱床の標本で,脈石を見ていたら方解石でしたので,比較的簡単に一面研磨できる踏み,午後から休憩中に研磨してみました.予想した通り比較的軟らかく上の状態にするまでにほとんど時間はかかりませんでした.石英が入っていたらそこだけ硬度があるので研磨しにくいはずで,平滑には仕上がらないため,この石にはほとんど石英は入っていないようです.標本のサイズ67mm×55mm×20mm.




  脈状に入った方解石の盤際の拡大です.黒い筋状に見える部分は緑泥石類の鉱物で,灰色金属光沢部が閃亜鉛鉱,不定形塊状部が黄銅鉱のようです.比較的外形のはっきりしている真鍮色金属光沢部は黄鉄鉱です.仕上げに#4000のサンドペーパーを使用したところ黄鉄鉱の部分が鏡面のようになりました.




  こちらは上の標本の硫化物がやや緻密な部分を拡大しました.閃亜鉛鉱の粒の一部に光沢が異なる鉛灰色の粒があり方鉛鉱かもしれません.粒が小さいせいかこれ以上拡大できませんでした.




  こちらはやや粒の粗い硫化物を含む部分です.三角形の外形が出ているのは黄銅鉱のようで,ほかは閃亜鉛鉱.脈石の一部に濃緑色の緑泥石類を伴っています.方解石の一部が半透明になっているところは光沢が若干鈍く,ほかの炭酸塩かもしれません.






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