研磨石
いくつかの研磨した石233
滋賀県高島市朽木麻生熊ノ畑熊谷 荒谷鉱山のあずき色炭マンを一面研磨しました.上の石は今週の初めに訪問してサンプリングしたときに出た木っ端です.見た目ではアレガニー石と菱マンガン鉱くらいしか判別できませんが,磨ってみて改めてわかることもありますので,初訪問の石は一度は研磨しています.
(研磨) 基本的にあずき色炭マンなので,やわらかいだろうと予想して磨り始めました.予想通り早く磨りあがりました.仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
あずき色炭マンを切る菱マンガン鉱の脈付近の拡大です.最上部の褐色部は石榴石か何かかと思っていました.硬度が比較的低いのと独特の強い光沢がありませんでしたので,別の鉱物のようです.頭の中に思い浮かぶ鉱物名は無く,不明鉱物です.下の方は帯紫紅色部がアレガニー石,青緑色部はテフロ橄欖石です.
黒色の二酸化マンガンが染みた部分の拡大です.
アレガニー石の多い部分の拡大です.
青緑色のテフロ橄欖石の多い部分の拡大です.中央を切っている脈状部は二酸化マンガンの染みのようです.
帯褐桃色のアレガニー石と青緑色のテフロ橄欖石との境界付近の拡大です.灰桃色部は菱マンガン鉱のようです.
褐色のカリオピライト様鉱物の入った部分の拡大です.褐色の鉱物のまわりに灰白色―淡桃色の菱マンガン鉱が近接しています.
菱マンガン鉱の脈とアレガニー石との境界付近の拡大です.べつの鉱物の存在の所為なのかはわかりませんが,ラヴェンダー色の鉱物が接しています.帯紫桃色はアレガニー石.ラヴェンダー色の部分は不明です.
鉱山への行き方はある程度まで,前々回の「若狭路にて」で掲載しました.この現場からの産出鉱物は肉眼判定で,頁岩中に黄鉄鉱・石膏.チャート中に黄鉄鉱,炭マンから菱マンガン鉱・二酸化マンガンの鉱物・テフロ橄欖石・アレガニー石などを確認しました.