研磨石
いくつかの研磨した石232
京都府南丹市日吉町四ツ谷柏木 柏木谷鉱山のアレガニー石からなる炭マンを一面研磨しました.当地は四ツ谷の学校跡地より生畑方面に抜ける柏木トンネルの南口より,北へ50mほど行った道路の南側に,4つの坑道が現存する鉱山跡です.先日,坑道を見に行った時に一つサンプリングした石です.薄っぺらい石で成形ができず,そのまま研磨にしました.
(研磨)鉱床母岩の灰黒色チャートとレンズ状鉱体との境界のような石で,硬度差がはっきりしていて見掛けは磨りづらい石に見えました.研磨を始めると,母岩の方にまで,脈状の菱マンガン鉱が切っているらしく,思ったより早く磨りあがりました.仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
母岩の塊状チャートとマンガンレンズとの境界付近の拡大です.中央やや下にある二酸化マンガンの黒色の塊の下にある黄色っぽく見える部分がレンズ状の炭マンです.灰緑色の塊状チャート中に微化石が入っているのが観察できました.種類は小さすぎて判別できませんでした.
アレガニー石の多い部分の拡大です.もっと赤色味が強いのですが,光源の関係か,白っぽく映ってしまいました.
塊状チャートの拡大です.上の方の脈状に見える部分は準石墨(あるいは非晶質炭素物質)でした.
小さいレンズ状のアレガニー石からなる部分の拡大です.細かい脈で切られたような感じになっていました.
こちらは,母岩の側面を少し欠いたときにできた断面の拡大です.緑黄色のガラス光沢を呈する重晶石がついていました.ピンク色部はアレガニー石です.
当地は産出鉱物の少ない現場で,過去にパイロクスマンガン石と菱マンガン鉱を見ていました.今回,重晶石とアレガニー石を研磨によって見つけました.