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鉱物の顕微鏡写真105 -マードック石―

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鉱物の顕微鏡写真105

―マードック石―

 

産地:79 mine, 2720m S of Tam O'Shanter Peak mountain. Chilito,

       Hyden area, Banner mining district, Dripping mountains, Gila county, 

       Arizona, USA.(非売品)

 

Murdochite  マードック石

[組成] PbCu6(O6.5,□1.5)(Cl,Br)

[結晶] 立方晶系.結晶は立方体ないし角の取れた立方体.八面体など.これらの結晶がコブ状の集合体になることもある.結晶は脆い.

[色] 黒色・明るい鋼灰色.

[光沢] 金属光沢~亜金属光沢.

[モース硬度] 4

[比重] 5.9~6.7

[劈開] {111}に良好.

 

 

 マックスウェル石(#104)の次は,マードック石にしました.海外産を蒐めるときは,自分の知らない名前の標本から購入しています.知っている名前の鉱物なら後からでも何とでもなりそうなためです.上の標本は自分の知らない名前の鉱物がラベルに記載されていましたので,購入しました.

立方体の結晶が絡み合った毬栗状の集合.

 

 母岩は菱鉄鉱のような炭酸塩からなる集合の表面に,黒色―鋼灰色の光沢の強い金属光沢で,立方体の結晶が絡み合った毬栗状に集合しています.

ほかの部分についていたマードック石の拡大です.黒色の鉱物の上に八面体の細かい結晶がついています.

こちらも別の部分についていたマードック石の拡大です.黄色い部分はミメット鉱-緑鉛鉱系鉱物のようです.

 

この集合中で,最もわかりやすい異極鉱です.母岩全体にベラベラついていて,結晶が大きく光沢も強いです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 上の標本の写真を撮るために探していたところ,どういうわけか別の産地の標本もありましたので顕微鏡下で撮影しました.以前に購入した標本があって,単に所在を忘れていただけでした.

 

産地:Mammoth-Saint Anthony mine, Anthony deposit, Tiger, 

       Mammoth district, Pinal county, Arizona, USA. (非売品)

 

 今のラベルの下にもともとついていたラベルがあって,それには「クリージー石,ウェリー石,マードック石」とあり,それぞれすべて原産地だそうです.矢印がふってあったようですが,時を経て取れてしまったようで,文献を見ながら同定しました.白っぽい母岩の上に水色―帯青灰白色を呈する針状の結晶があって,これがクリージー石とのこと.上の写真で緑色―草緑色針状になっている鉱物がウェリー石.で,黒色粒状ないし立方体の微細な結晶がマードック石でした.当地ではこれらの鉱物のほかに,多くの二次鉱物が記載されていて,土地勘が無いためにそのほかの鉱物は判別できませんでした.

さらに拡大した写真です.小さすぎて結晶の形が写真ではわかりづらくなってしまいました.肉眼では形の整った黒色立方体の微細な結晶が一面についていました.

 

 

 

 

 


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