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久々の四国にて4

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 今週のはじめに祖父谷峠から、桟敷ヶ岳―飯森山―天童山―茶呑峠へと縦走してきました。城丹国境尾根は残置テープなどの道標の類があまりなく、読図で判断しながら進んでいける面白い山行でした。尾根は丹波Ⅱ帯特有のチャートの岩峰が西へ行くほど顕著になって、天童山あたりまでくると赤白チャートが目立つようになっていました。天童山から下山するルートを少し間違えて地形図に掲載のある「障子岩」のほうに降りそうになり、尾根が一つ違うのに気づき修正しました。障子岩は赤白チャートから赤チャートからなり、割れ目に二酸化マンガンが染みたような汚いものがよく見られました。茶呑峠からは稲荷谷を採ったのですが、途中の右岸に珪石を掘ったのか、あるいは丹波赤石を掘ったのか大きな掘り跡があり、赤白チャートが散乱していました。

 赤石は多紀連山の畑鉱山で見たような美しい赤白珪石ではなく、薄い褐色の泥質岩を挟んだ汚いもので、朱色の礫を伴う赤白珪石は少ししかありませんでした。


棧敷ヶ岳山頂。(895.8m) 標高が高いので違うと思うが、北の尾根を歩いていると城跡かと思う地形が多くあり、山頂に来た時も台地状で広いので城跡かなと思った。山頂の北斜面に珪石を掘ったような跡も見つけた。赤白チャートと青白チャートがあった。



飯森山山頂。(791m) 山名プレートがもっとあっていいはずなのだが、残置テープの上に山名が入っているもののみしかなかった。展望はあまり良くない。


天童山山頂。(775m) 尾根の通過点のような山頂で、手前の反射板のピークのほうがはるかに高い。山頂は暗い植林との境で、ここも山名プレートはほとんどなかった。誰かが取り外したんだろう。


 午後1時頃に祖父谷橋から登りはじめ、午後5時に予定通り茶呑峠を経て殿橋のバス停に降りて来れました。




 



 四国巡検の続きです。


 汗見谷から新居浜に向かうのは、国道を戻って高速に乗るより、早明浦を通ったほうが時間的に早いので、早明浦を通りました。午後5時頃に寒風山トンネルという非常に長いトンネルを抜けると西条市に入り、トンネル近くの鉱山に寄ることになった。

 藤之石(地名)の在所まで下って、道を間違ったことに気づき初めて行くことになる。目的の谷に向かう途中、おしろいをした真っ白な伊予富士が聳えていた。

藤之石在所付近から見た伊予富士。山頂付近はまだ真っ白け。


 筆者の案内で、トンネル横の林道に入っていきました。情報源の同行者の方は谷に入ってから気づかれたようでした。

 適当な川原に降りて含銅硫化鉄鉱を探した。川原は主谷と桂谷の合流地点より下流で、あまりたくさん鉱石は落ちていなかった。桂谷の上流には基安鉱山がありその他の鉱山は無いため、ほとんどの鉱石は基安鉱山のもののようだ。

川来須の川原。緑色片岩が多い。ほかは緑簾石を含んだスティルプノメレン片岩が見られた。


 採集は、1時間ほど要した。主谷と桂谷との合流地点より少し桂谷に入ったくらいのところで、含銅硫化鉄鉱塊を石英脈で切っているものを見つけ四国の含銅硫化鉄鉱床で斑銅鉱以外の高品位銅鉱物を見たのはこれが初めてだった。 

 石英脈の空隙には黄銅鉱を伴う四面銅鉱の結晶も見られた。脈に沿って割ってみると、石英脈側に安四面銅鉱様鉱物がついていた。



安四面銅鉱。(顕微鏡写真) 黄銅鉱の結晶を伴うもの。写真中央部とそのうえのギラついている部分が四面銅鉱で、中央やや右にみられる錆びた結晶は黄銅鉱。そのほか石英脈には斑銅鉱か輝銅鉱か?と思われるような銅鉱物が微量ついていた。

 含銅硫化鉄鉱は主谷と桂谷の合流地点より下流では少なく、桂谷側の上流に多くみられた。いずれも川原に転がっている石なので高品位鉱石、黄銅鉱が多く入って黄銅色になったようなものなどはほとんど見られない。また加水分解していつ、硫酸を吹いて分解していくか分からないような石が多い。



含銅硫化鉄鉱。大きさはほぼ拳サイズ。見ての通り黄色みがあまりなく低品位鉱石と思われる。


 桂谷の奥で石英脈の太いものを見つけて割っていると、鉄錆で汚れたものの中に磁硫鉄鉱の入っているものがあった。四国では磁硫鉄鉱は珍しいものらしいことを聞いていたので、一応サンプルに拾った。他は、スティルプノメレンの集合したものがあったので、これもサンプリングした。



スティルプノメレン。石英のほかに少量の長石を含んでいる。写真中央部の緑色部は緑簾石。


 このあたりは山が高くV字谷が多いようで、あっというまに日暮れになった。新居浜市内のホテルに着いた。

 

 翌日は市之川へ。





 

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