いくつかの研磨した石225
研磨面.
未研磨面.
産地は京都府京都市右京区鳴滝 吉兆鉱山八丁岩鉱床です.吉兆鉱山のハウスマン鉱です.15年くらい前に沢山に登った時についでによって,サンプリングした石を成形したものです.75㎜×60㎜×20㎜の箱に入るサイズに成形出来ましたが,裏面がフラットでなく不安定でした.座りをよくするために裏面を一面研磨しました.
(研磨)荒砥の途中で裏面を見ると赤い点々が入っていて,急遽磨るのを中止しました.硫化が鉱染していて輝銅鉱類のような光沢の鉱物が付いていました.研磨は中途半端になってしまいました.研磨した面を平滑にするために,青砥て仕上げしました.
(以下,顕微鏡写真です)
赤茶色がハウスマン鉱.ピンク色は菱マンガン鉱.
菱マンガン鉱の割れ目に黄銅鉱が鉱染しています.
黄銅鉱の濃集している部分の拡大写真です.黒色部は一部に劈開が見えるところから閃亜鉛鉱だろうと思われます.赤褐色の染みはどうも赤鉄鉱のようです.
赤鉄鉱による品の無い赭とは異なる品の良い赤色がありました.光沢が強く辰砂のようです.朱色の鶏冠石のような鉱物を伴い,石黄のような鉱物(橙色)も見えます.古い記録には鶏冠石と石黄の記載があって,これがそうなのかちょっと何とも言えません.右の黒点が四面銅鉱のようです.
一部に八面体のような輪郭があって,四面銅鉱のよう.当地のものは安四面銅鉱だとか.この石の片割れの石にもっと太い硫化に富む菱マンガン鉱脈を伴っていて,そちらに四面体に近い粒状の四面銅鉱を含んでいました.これも同様の鉱物かもしれません.背後は菱マンガン鉱です.