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Channel: 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
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北摂の銅旧坑にて

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 最近行くところが、マンガンばかりになってしまい、少々飽きてきたので銅の旧坑にいった。北摂は実家から近く原付を乗り回していた時に相当行っていた。猪名川周辺は3年ほど前に飽きて今は能勢方面に絞っている。


 地質的には、北部「天王」付近に「丹波帯地層群」、「山辺」「宿野」「栗栖」から京都府亀岡市畑野町の広範囲に「剣尾山花崗岩体」、三草山周辺に複合火成岩体とその西方に「長谷裏山」の流紋岩質凝灰岩(有馬層群)が分布。

 「田尻」から東方と南方はいわゆる「超丹波帯」の緑色岩が分布しており、この付近に一庫ダムから続く「奇妙山親鉉」の北端部になっているため、銅鉱床が多い。

 岩脈や小岩体として小和田山山頂付近に「琉璃渓層」の流紋岩が、またその南方の沢の出合付近に花崗岩体が、「吉野」の変電所近くに「玢岩」の貫入が、妙見奥の院から能勢妙見にかけて茨木複合火成岩体の能勢岩体が南北に細長く分布しているため、前出の緑色岩が熱変成を受けている。


 前置きが長くなったが、そういうところだ。ずいぶん前にこの地域に地質図を購入してから行動範囲が広くなり、今寺鉱山から始まった探索は「七星鉱山」、

「点名 振野の銅旧坑」「能勢銅山」「立鉉鉱山「柏原鉱山」「竜王山旧坑」、

「名月鉱山」「逢坂峠旧坑」「小和田鉱山」「豊能鉱山」と続き、2年ほど前に県境に近いところにある「石堂鉱山」を見つけることが出来た。

 鉱山以外では「宿野のスカルン」「上宿野のペグマタイト」「豆栢のペグマタイト」「水晶山のスカルン」「高岳のスカルン」「中堂寺橋のスカルン」「野間山の気成脈」「長谷裏山尾根の正長石と高温石英」「奥山のペグマタイト」などが見つかった。


 今回は、竜王山付近にあるM鉱山に行ってきた。峠の墓地の手前に駐車し、手前右側から斜面に取り付いた。奥にほとんど水が流れていない沢があり、これに沿って登っていく。先日の雨で沢が荒れていて探しやすかった。

 当所はほとんど鉱石のない鉱山で、ズリ中に少量の二次鉱物が見られる程度だ。沢の入り口にコンクリで塞がれた坑口一つとその東方に入り口の崩れた坑口一つ、沢の奥にやや大きな坑口があるがこちらも入口が崩れている。

 ここで見つかる鉱物はほとんどが「珪孔雀石」だ。大阪の鉱物同好の方ではそう言っているが、含銅アロフェンが相当量あるように思う。

 仏頭状に集合したものが見られ、その表面にブロシャン銅鉱や孔雀石が見られる。「珪孔雀石」は風化の度合いの進んだ蛇紋岩によく似た石に入っている。表面がすべすべしてる扁平の石が多い。まれにこの中に黄銅鉱や閃亜鉛鉱、四面銅鉱、輝銅鉱類が含まれている。一応明るいところで見てみると、黄銅鉱の小粒は確認したが閃亜鉛鉱や輝銅鉱類は見られなかった。


 この日は暑くすぐ汗が出てきた。汗まみれになったせいかそこらじゅうが痒い。ダニやヒルを警戒して足早に山を下りたが、一匹も付いてなかった。そろそろマムシも出てきそうな陽気だが、今回は見なかった。

 



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