案外,無い鉱物8
―スコロド石 京都市双ヶ丘―
産地:京都府右京区御室双岡町双ヶ丘三の丘(非売品)
文献で記載はあるものの,現物を見たことが無い鉱物の一つです.微細なので接写には向かず,顕微鏡下で撮影しました.
上の標本は知人より恵与いただいた石で,ラベルに1979年4月とありました.筆者は当然生まれてません.周りに田んぼや畑が点在していた時代とのことで,自然金やホセ鉱が見つかった頃の標本とのことです.母岩は変質した砂岩のような岩石で,これを切る水酸化鉄の褐色や黄色の染みを伴ったやや粗い石英脈に入っています.自形の水晶の根っこの石英の粒が細かくなったところに,スコロド石が入っていました.となりに鉄重石様鉱物を伴っています.
かなり小さいですが,結晶も入っていました.
スコロド石は砒酸鉄の鉱物の中で普通に産する鉱物ですが,資料的に貴重なので,残しています.今回は掃除を兼ねて顕微鏡撮影しました.