鉱物の顕微鏡写真84
―スターマン石―
産地:N'Chwaning Ⅱ mine,N'Chwaning mines, Kuruman, Kalahari Manganese
field, Northern Cape province, South Africa.(非売品)
Sturmanite スターマン石(スタルマナイト)
[組成]:Ca6(Fe,Al,Mn)2[(OH)12|B(OH)4|(SO4)2]・25H2O
[結晶]:三方晶系.自形は六角柱状,六角板状.
[色]:灰褐色・淡黄色・灰黄色・黄褐色・橙色・黄褐色・帯緑黄色・褐色・
赤褐色・茶褐色・赤褐色.
[光沢]:ガラス光沢~絹糸光沢.
[モース硬度]:2~2.5
[比重]:1.847~1.855
[劈開]:{1010}に完全.
[条痕]:明黄色・帯緑黄色・帯褐黄色.
室内に籠ってできることを探してみると,筆者の周辺にはいろいろあって,ずいぶん前に購入した標本を整理して,顕微鏡写真を撮っていっています.
今回はスターマン石(Sturmanite)にしました.カルシウム(Ca) に鉄(Fe),硼酸,硫酸,水酸基に結晶水が入っているやや複雑な組成の硫酸塩鉱物です.
エトリング石グループの鉱物で,形態は六角を基調とした結晶で比重が小さいという共通点があるようです.
産地は,アフリカ南部の巨大なマンガン鉱床の集中する地域にあり,この標本も母岩はマンガン鉱物からなっていました.
8年くらい前に購入した標本で,3枚のラベルがついていました.3枚のラベルのうち,もっとも古そうなラベルはラテン語表記になっていました.そして英語表記のラベル,日本語表記のラベルがついていました.
以下,顕微鏡写真下での観察です.
黒色のマンガン鉱石の割れ目の空隙に結晶が生えたような感じです.写真全体の黄色―黄褐色系の色を呈する六角を基調とした結晶がスターマン石です.
この標本にはほかに以下の鉱物が付いていました.
スターマン石の乗っていない部分についている黒色の強い金属光沢の鉱物がありました.結晶自体はかなり小さいです.水マンガン鉱(Manganite)とのことです.
両錐の水晶です.内部のインクルージョンとして,かなり小さいですがスターマン石が入っているようです.