研磨石
いくつかの研磨した石211
(研磨面)
(未研磨面)
愛媛県大洲市戒川 足山鉱山のハウスマン鉱―テフロ橄欖石からなる集合を一面研磨しました.もともとはブラウン鉱とカリオピライトからなっていたものが,熱変成でハウスマン鉱とテフロ橄欖石・バラ輝石からなる集合に替わったという趣旨の説明書きが元ラベルにあった.
元ラベルの名称は[Ribbeite]でハウスマン鉱とテフロ橄欖石との境界付近にある帯紫褐色のところに矢印で指示してありました.サイズの大きな石でしたので成形し標本にしました.その際に出た木っ端を一面研磨しました.
(研磨)ばら輝石が入っているのとテフロ橄欖石が入っているので,かなり硬いと踏んで磨り始めました.木っ端のサイズが小さかったためか予想に反して早く磨りあがりました.仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡下での観察です.)
全体的に一番多いのが,テフロ橄欖石(青緑色)で,ばら輝石(桃色),ハウスマン鉱(黒色)・アレガニー石(赤褐色)と続く.テフロ橄欖石中に黄白色―黄褐色系の石榴石を含んでいました.マンガン緑泥石から変わったものだろうか.ほかに磯が淡く白っぽい菱マンガン鉱えお含んでいました.
粒状のハウスマン鉱の集合する部分の拡大写真です.元ラベルにあったようにハウスマン鉱の周りに赤褐色の部分がまとわりついています.これがリッベ石なのでしょうが,小さすぎて粒までは確認できませんでした.
アレガニー石からなる部分です.リッベ石の多形にあたる鉱物ですが,こちらは細かい粒の集合になっていました.白色部は菱マンガン鉱.黒色部は酸化被膜です.