いくつかの研磨した石201
三重県亀山市関町加太川の変成岩を一面研磨しました.前回の滝めぐりのときにサンプリングしました.変成岩と岩石名を特定せず書いたのは,片麻岩質なのか,ホルンフェルスなのかはっきりしないためです.
現場の河原は主に領家帯の花崗岩が多く,次にこの変成岩でスカルン,珪岩の順でした.ほかにも区別の難しい岩石がいくつかありました.変成岩はたくさんありましたが,肉眼で菫青石が入っているものだけ選ってサンプリングしました.半分に割った石を一面研磨しました.
(研磨)泥質の変成岩なのでチャートほど硬くないだろうと,磨り始めました.途中で磨るのを中断して,研磨面を観察したところ丸い凹凸があり,ここに石榴石が入っていました.サンプリングしたときには気づきませんでした.石榴石の量が思ったより少なく,凹凸を感じないくらいに平滑にできました.
仕上げは#1000のペーパーで中砥ぎしたあとに黄白色の天然砥石で光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡写真です)
赤い部分は鉄礬石榴石.
白い部分は石英でその中の黒褐色部は黒雲母です.
赤褐色部は鉄礬石榴石,黒褐色部は黒雲母.灰緑色部は菫青石から変質した緑泥石(桜石の模様にはなっていない).
以下,石榴石の拡大です.
石榴石のリムとコアの色の濃淡が異なるように見えた.内部は異なる種の石榴石かもしれない.
そのほかの鉱物.
菫青石.多色性があるようであまり分解していない.
こちらは珪線石(Sillimanite).白色で繊維状しているので一目でわかりました.
黄銅鉱.変成岩を切る石英脈中に含まれている粘土鉱物からなるレンズ中にごく少量ありました.上の方についているのが黄銅鉱で,右よりの正方形に見えるのが黄鉄鉱でした.