鉱物の顕微鏡写真80
―レヴィ沸石―
産地:新潟県上越市柿崎区黒岩の採石場(非売品)
Lévyne レヴィ沸石
[組成]:(Ca,Na2,K2)[Al2Si4O12]・6H2O 三方晶系
[色]:白色・無色・灰色・乳白色・帯黄白色.
[結晶]:六角板状.
[光沢]:ガラス光沢.
[モース硬度]:4~4.5
[比重]:2.09~2.16
[劈開]:{1011} に完全.
[条痕]:白色.
次はレヴィ沸石にしました.卓越する成分がカルシウム(Ca)なら灰レヴィ沸石,ナトリウム(Na)ならソーダレヴィ沸石になりますが,肉眼での判別は難しいため,系列名で紹介したい.今回も国産の標本を使用しました.
どういうわけか日本海側の玄武岩などの火山岩に多くみられ,小さいながらかわいい花を咲かせる.上の標本は購入品です.周囲に生えている灰緑色部は緑簾石で,ほかの晶洞には方解石も入っていました.
上の写真を少し拡大した写真です.
他の部分に入っていた結晶です.
産地:長崎県壱岐市長者原崎.(非売品)
こちらも購入品です.学生のころに一度訪問しようと思っていたのですが,行くことは叶いませんでした.はじめの標本よりも結晶が白濁しているように見えます.この現場のレヴィ沸石はソーダレヴィ沸石があるらしいですが,見てわかるものではないらしく,この標本もラベルには卓越元素名は書いていません.
少し拡大した写真です.
産地:佐賀県唐津市鎮西町加久保.(非売品)
こちらは学生のころにサンプリングした標本です.筑肥線で唐津まで行ってバス便で訪問しました.平たい山の上を通る林道沿いの露頭があちこちにあり,菱沸石やトムソン沸石・灰十字沸石などが質を問わなければよく見られました.
今はどうなっているか不明ですが,竹藪の前の露頭でサンプリング・・ではなく落ちていた石を拾いました.このあたりの玄武岩はめちゃくちゃ堅いので,なるべく露頭の前に落ちていたり,藪の中に落ちている石を探したりしていました.
6枚目の写真をさらに拡大しました.
無色透明なレヴィ沸石を撮影したのですが,どういうわけか青っぽく映ってしまう.かなり透明度と光沢の強い結晶でした.
別の部分を撮影したものです.結晶の内部にエジリンのような針状の結晶が入っていました.小さすぎて判別できませんでした.
産地:佐賀県唐津市鎮西町打上.(非売品)
こちらは購入品です.黒色のアルカリ玄武岩に鉄分をコーティングするのか,多少黄色っぽい結晶が空隙に入っています.
黄色っぽく見えたのは表面に粘土が挟まっていたからのようです.
産地:長崎県平戸市生月町番岳西麓.(非売品)
こちらも学生のころに生月の沸石見たさで遠出したときにサンプリングした標本です.帰ってから開けてみると表面に塩が噴出していた.洗って取り出すともっと光沢の強いレヴィ沸石が入っていました.
上の写真の拡大写真です.六角板状の結晶がレヴィ沸石です.一部に十字沸石を伴っています.
1mm近い大きさのレヴィ沸石です.大きくなると結晶はルーズになるようです.
生月島は交通の便が比較的よく,食べ物も美味しく,風景も良いので時間が出来れば再訪してみたいです.