鉱物の顕微鏡写真76
―ウィルヘンダーソン沸石―
産地:Vispi quarry, San Venanzo, Terni provinve, Umbria, Italy.(非売品)
Willhendersonite ウィルヘンダーソン沸石
[組成] KCa[Al3Si3O12]・5H2O
[結晶]:三斜晶系.結晶は板状.板状結晶が集合して金平糖のように見える.
[色]:無色・白色・灰色ガラス光沢.
[モース硬度]:3
[比重]:2.18
[劈開]:{110},{010},{001}に完全.
[条痕]:白色.
石榴石の次は沸石類にしました.沸石は本邦ではかなり多産する資源になりえる鉱物ですが,どういうわけか人気が無い.店頭で「なにか珍しいモノない?」って問われて,わりと小珍しい沸石を出したところ,「~沸石か~」で終わってしまった.
写真写りがよく外形がしっかりと出やすいので,カメラの練習に使用していたところ,いつの間にか蒐めるようになっていました.
上の標本は今年の新春交流会で入手しました.名称が長ったらしいので,何なのかと思って手に取りました.原産地標本で見た目は玄武岩質の岩石に入っていました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
顕微鏡下で撮影しました.白色―淡青灰色半透明部がウィルヘンダーソン沸石です.その間を埋める白色粉状に見えるのは多分,灰十字沸石.周りの黄褐色部はメリライト.
ほかの部分についていたのを撮影しました.
拡大したものです.
母岩は玄武岩質としましたが,文献でいろいろ調べたところ,ヴェナンゾ岩(Venanzite)と呼ばれるアルカリ火山岩でした.構成鉱物はメリライト・橄欖石・金雲母が石基に含まれる.ほか少量の白榴石・カリシライトなどと含むという.カリシライトという鉱物は初見で,ネットでいろいろ調べて,手持ちに標本に入っているか確認しましたが,よくわかりませんでした.その途上で針状の燐灰石が入っているのに気付きました.
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