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鉱物の顕微鏡写真73 ―ガルハヤ鉱―

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鉱物の顕微鏡写真73

―ガルハヤ鉱―

産地:Khaidarkan Sb-Hg deposit, Batken region, Kyrgystan.(非売品)

 

Galkhaite  ガルハヤ鉱

[組成]:(Cs,Tl)(Hg,Cu,Zn)6(As,Sb)4S12  

[結晶系]:等軸晶系

[色]:赤色・深紅色・赤橙色・暗橙赤色.

[光沢]:ガラス光沢~亜ガラス光沢.

[モース硬度]:3

[比重]:5.4~5.44

[条痕]:橙黄色.

今のところ本邦での産出は無し.

 

 ベスブ石の次はガルハヤ鉱にしました.

 

  10年くらい前の京都ショーで,珍しいモノを探していたら,店主より「これなんかどうや~.」って勧められて購入した標本です.チップサイズの大きさの標本でしたが,それなりの価格が付いていました.いつも購入している店なので,二つ返事で購入しました.

 ラベルを付けるときに海外のサイトを参考程度に見ていると,そんなに産地は無いらしく,アメリカのGetchell mineの標本がたくさん見られました.いずれも小さなサンプルのようですが,撮影の条件は別として,深紅の立方体が特徴の魅力的な鉱物に見えました.当方の産地は原産地でした.

 組成を見るとCs(セシウム)を含むほとんど唯一の硫化鉱物のようで,ほかに少量のTl(タリウム)とHg(水銀)にAs(砒素)からなっているような鉱物でした.

 原産地のKyrgystanの標本はこれのほかに,辰砂と輝安鉱からなるサムネイルに入った標本を所有していて,辰砂の回で少し触れました.今回,顕微鏡撮影するに当たって,もう一度見直したところ,辰砂に混じって特徴的な立方体の本鉱らしい鉱物が付いていました.石英脈に接する部分に沿って付いていて,はじめは挙げた写真と似たような組み合わせになっていました.

 今のところ本邦での産出は無いようですが,副成分にTl(タリウム)の存在が鍵のような気がしていて,北海道の洞爺鉱山や豊羽鉱山,青森県の恐山温泉や湯ノ沢鉱山くらいで確認されるかもしれません.

 

(以下,顕微鏡写真です)

始めの写真の更に拡大した写真です.実体顕微鏡で最大まで拡大して,デジカメのズームでこれでもか,っていうくらい拡大し,さらにノイズの処理をしました.中央やや左よりに立方体のように見える結晶が僅かについていました.白っぽい部分は石英で,暗灰色―黒色に見える部分は泥質岩です.

 

石英中に埋もれる部分の拡大です.右上部に朱色に近いゲチェル鉱を伴っていました.中央の粒の下の銀白色に見える部分は輝安鉱.

 

 はじめの写真とは別の部分に小さな間隙があり,ここにできた結晶の撮影に臨みましたが小さすぎてうまく撮影できませんでした.肉眼では細かい立方体の結晶が折り重なるように集合して,光源を動かすとキラキラしているのが確認できました.

 

こちらは,石英の結晶面のようなところにできた間隙に入っていたもので,強い銀白色の鉱物が付いていました.丸っこい鉱物にみえました.自然水銀かもしれません.こちらも小さすぎて判別できませんでした.

 

 

 

 

 

 

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