いくつかの研磨した石182
徳島県三好市東祖谷古味 祖谷鉱山の含銅硫化鉄鉱を一面研磨しました.なにかとんでもないところにある?..っと四国の知人に伺った現場でサンプルも恵与して戴いた.三角形に割れた石でサンプルにはちょうどいい大きさでしたが,座りが悪く研磨できそうなところを探して,研磨しました.
(研磨)ガリ鉱が大部分のようで,黄鉄鉱ばかりはいっているとかなり硬いので,覚悟して磨り始めました.磨っているうちに黄銅鉱の脈の一部が出てきて,銅品位は多少あるような鉱石でした.硬い所為もあって粗削りに時間を要してしまった.仕上げははじめ青砥ですっていたのですが光沢が出ず,中途半端に風化したホルンフェルスで磨ると,光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡写真です)
ガリ鉱の部分の拡大写真です.黒色部が亜鉛のように思い,かなり拡大しましたが,劈開が無い上に光沢も強く,緑泥石かなにかが鉱染した石英でした.
黄銅鉱の多い部分の拡大です.母岩は黄鉄鉱の鉱染する珪岩質で,黄銅鉱の入っているところのみ乳白色の石英でした.
鉱山は明治40年頃より操業された鉱山で,四国山地の三嶺より西に峰続きにある天狗塚の南西にあったという.筆者は当然行ったことがありません.文献には秩父帯の堆積岩中に胚胎する含銅硫化鉄鉱床とありました.