いくつかの研磨した石174
兵庫県宝塚市切畑 ぼうさん川(僧川)の泥質ホルンフェルスを一面研磨しました.この標本は数年前に新名神高速が工事の時にぼうさん川付近を通った時にサンプリングしました.河川の付け替えか何かの工事がされていて,川原の横に扁平な石が山積みされていました.川原は普段見ないような新鮮な岩石が出ていて,緑簾石を含む凝灰岩や細かい水晶の晶洞を伴う流紋岩質岩などが見られました.黒色の石は主に礫やほかの岩片を含む模様に富んだ泥質岩で,ごく少量の片状に割れる泥質岩がありました.上の石は後者で,細かい雲母様の鉱物を含んでいました.この岩石は当地と切畑から武田尾の駅の方へ行ったところにある三叉路の橋付近の川原にもありました.ぼうさん川を通った時は18時頃で工事は終わっていました.陽が傾いていましたが,一通りカメラに収めて,次回にしました.約2週間後通ってみると川は護岸工事も終わり,風景は一変していました.川底に見えていた黒い石もなく,確認がてら帰りました.
仮ラベルを付けてからしばらく箱に入れて放っておいていたのですが,最近になって整理していると出てきました.
標本の表面です.研磨面はこの面の裏側です.
表面をルーペで観察していると雲母のように見えていたのは桜石(ピニ雲母)でした.薭田野の桜石(ピニ雲母)のようなキレイなものではなく,いびつでサクラのように見える部分も少しはありました.いくつか標本に取り,割り端となった上の石の裏側を一面研磨にしました.
(研磨)青砥と呼べそうな質の泥質岩でしたので,荒砥で一気に磨りあげました.下の方から枡形の水酸化鉄の染みが浮き出てきました.もともと黄鉄鉱が入っていたのでしょう.仕上げは#2000のペーパーで軽く磨ったあと,研磨チャートで光沢を出しました.
(以下,顕微鏡下での拡大写真です)
ちょっと桜石かな~と思わせる部分の拡大です.黄色部は雲母.
こちらは桝石の拡大です.黄鉄鉱が残っているものはありませんでした.
ほかの部分についているピニ雲母です.結晶の側面に当たったらしく柱状になっていました.
柱面方向から当たったようです.黄色部は雲母.
こちらも同様に柱面側から磨ったので柱状に磨れてしまいました.写真の下の方が長方形の断面になっていて,もしかしたらこのピニ雲母はもとは紅柱石だったのかもしれない.
おしらせ
本日 HP通販用商品を
3点 追加更新しました.
さて
今日,店からの帰りにいつも通り田んぼのあぜ道を通って帰りました.
ふと南西の空を見上げると,ハロウィンらしい月が出ていたので,
撮ってみました.
2019年10月31日18時30分ごろ.南西の空.