いくつかの研磨した石170
京都府京都市右京区京北上弓削町足谷鉱山のハウスマン鉱からなる鉱石を一面研磨しました.いままでいくつもマンガン鉱石を磨ってきましたが,有名どころの現場のものは敢えて避けてきたわけでもなく,単純に抜けていました.現場は小浜街道から少し北に入ったところの谷の上流にある,丹波帯の堆積岩中に胚胎する層状マンガン鉱床です.赤色の美しいチャート中にレンズ状をなして埋没するブラウン鉱でやや有名になった現場です.
(研磨)基本的に炭マンで占めていますので,人口砥石で粗削りしました.#2000を使用して中砥ぎすると光沢が出るかな~と思っていましたが,うまく行かず
黄白色の砥石で仕上げしました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
鉱石を切る脈をなすヤコブス鉱です.濃集しているのか俄かに緑色を帯びた黒色を呈しています.また断層で飛んだのか脈がずれて居ました.
右上の脈の拡大です.帯緑黒色のヤコブス鉱中に白色粒状の鉱物が入っていました.小さすぎて判別できませんでした.
鉱石を切る脈の一つの拡大です.白色部は検討したところ,研磨面が少し盛り上がって見えたので,石英の様です.
こちらは赤色チャートと炭マン鉱石との境界に挟まるブラウン鉱です.朱赤色は赤色チャート.黒色部がブラウン鉱です.
アレガニー石と菱マンガン鉱からなる部分の拡大です.灰桃色~暗桃色部がアレガニー石で,白色に近い部分に菱マンガン鉱が入っているようでした.
ハウスマン鉱の多い部分の拡大です.白色の菱マンガン鉱の脈で切っていました.
灰青色のテフロ橄欖石を含む部分の拡大です.テフロ橄欖石中にレンズとしてアレガニー石やハウスマン鉱などが入っている部分もありました.
各部位の説明はこんな感じになりました.
ほか顕微鏡サイズでヤコブス鉱の一部に黄鉄鉱を,ハウスマン鉱とアレガニー石・菱マンガン鉱の集合体との境界がやや曖昧になったところに,淡緑色の重晶石が入っていました.いずれもデジカメで撮影するには限界以下の大きさでした.
おしらせ
本日 HP通販用商品を4点
追加更新しました.