いくつかの研磨した石160
京都府綴喜郡井手町多賀大山 多賀鉱山のマンガンスピネルからなる炭マンを一面研磨しました.掃除していたところ上の石が出てきました.どういう経緯で入手したのか覚えておらず,チップになっていました.当地の高品位炭マンはまだ研磨したことがありませんでしたので,研磨に回しました.
(研磨)炭マンなので軟らかいと踏んで一気に磨り上げました.仕上げは青砥で充分光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
ラベルに「マンガンスピネル」と書いていましたが,黒っぽい粒はヤコブス鉱かもしれません.銀白色に輝いて見えるのは閃マンガン鉱です.かなり細かい粒の緑色部は不明鉱物です.
こちらは,黒色の粒が濃集した部分の拡大です.マンガンスピネルが色で区別できるのかは判りませんが,写真中央からやや右下にある茶褐色の部分はマンガンスピネルかもしれません.全体的に磁力があり,相当量のヤコブス鉱が入っているようです.淡いピンク色は菱マンガン鉱.上部の灰白色は閃マンガン鉱.
閃マンガン鉱の多い部分の拡大です.上下に黄色の脈状で石榴石を伴っていました.淡紅色は菱マンガン鉱.
白色っぽい脈が切っている部分の拡大です.脈の付近だけ少し硬く,先に研磨したのですが,鏡下でみるとばら輝石のような粒が入っていました.石榴石も含んでいるようです.
黒色粒の近くの拡大です.黄色は黄銅鉱でした.黒色のやや大きな粒の集合の下あたりに細かい黒色の粒が鉱染しやや灰色かがった赤紫色の筋があり,手元のサンプルの類似の別の部分を観察すると園石でした.淡紅色は菱マンガン鉱.
灰褐色―灰紫色の筋は園石.黒色粒状はマンガンスピネル―ヤコブス鉱系の鉱物.
裏面の写真です.丸箱に入れたいためにこの石は両面研磨しました.黒色―茶褐色粒状部はマンガンスピネル―ヤコブス鉱系鉱物です.淡紅色は菱マンガン鉱.銀白色粒状は閃マンガン鉱.
灰紫色―帯紫褐色の園石主体の部分の拡大です.上部に僅かな量の石榴石を含むほかはヤコブス鉱―マンガンスピネル系鉱物を少量伴っているだけのようです.テフロ橄欖石がありそうですが,この石には肉眼的に判るようなテフロ橄欖石は付いていませんでした.
満礬石榴石の脈で切っている部分の拡大です.中央やや左の白色部は石英のようでした.その周りの灰緑色はテフロ橄欖石で,周りにヤコブス鉱―マンガンスピネル系鉱物が取り囲むように入っていました.
ほか研磨面以外の割れ目に黄銅鉱が薄くついていました.
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