いくつかの研磨した石158
兵庫県朝来市新井山本 新井鉱山のPb-Zn-Cu鉱石を一面研磨しました.当地は車横づけに近い現場でしたが,当方は23年くらい前に神社の横の現場を一度見に行っただけで,ほかは行っていません.標本は提供されたものです.
丹波帯の頁岩中の鉱脈鉱床で,鉛亜鉛や斑銅鉱などを主体とする鉱石が出たそうで,一部に自然銀もありました.この石には入っていませんでしたが,石英脈が断層か何かで断裂してしっちゃかめっちゃかになったようなところに,被膜のような産状で出ています.当地は様々な二次鉱物を産したことの方で有名になっています.いろいろ二次鉱物の報告がありますが,初成の金属鉱物に関してはあまりありませんでしたので,以前から磨ってみようと思っていました.
(研磨)半分以上が石英で,硬いことを予想して磨り始めました.やはり金属がたくさん入っているので,石英の硬さ以上に早く磨れてくれました.仕上げの行程はいつもは青砥に黄白色の砥石を組み合わせて磨るのですが,今回は青砥だけで光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡写真です.)
閃亜鉛鉱の多い部分です.白っぽく写っているのは方鉛鉱です.
黄銅鉱の多い部分の拡大です.
方鉛鉱と黄銅鉱が混在している部分の拡大です.銀白色のように見える部分が方鉛鉱です.その中に赤銅色をした錆びる前の斑銅鉱が入っていました.黄銅色は黄銅鉱.黒色は閃亜鉛鉱.
母岩の大部分を占める石英脈とは別に,鉛亜鉛鉱を切ってくる石英脈と,金属鉱物との境界付近の拡大写真です.中央の銀白色部は前述の通り方鉛鉱かと思いましたが,輝蒼鉛鉱のようです.その上の無色の部分が石英です.黄銅色は黄銅鉱.鉄黒色は閃亜鉛鉱です.
母岩の石英脈を切る金属鉱物の集合の拡大写真です.左下の方に緑泥石が少し見えています.
一部に硫砒鉄鉱を伴っていました.
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