鉱物の顕微鏡写真61
―パラヴォー石 Paravauxite―
産地:Siglo XX mine(Siglo Veinte mine). Llallagua, Rafael Bustillo province,
Bolivia.(Type Locality)
Paravauxite パラヴォー石
組成:FeAl2[OH|PO4]2・8H2O 三斜晶系
色:無色・淡緑色・淡青色・淡褐色・緑灰色・黄褐色.
結晶は無色透明で板状.
光沢:ガラス光沢~亜ガラス光沢.
モース硬度:3
比重:2.36
劈開:{010}に完全.
条痕:白色.
随分前にサンプルとして購入した標本です.熱水変質岩の割れ目のような母岩から出るらしく,けっこう脆いようで,黒箱に入れていたのですが,最近になってからガラス蓋付の丸箱に入れなおしました.
いろいろ文献やWeb上の資料を漁っていると,結晶の一部が変質(白濁)しSigloite(シグロ石)になっているとか.あとで知りました.
ほかに結晶の隙間に一見菱鉄鉱のような,黒色―褐色の粒状に見える鉱物が少量付いていて,チルドレン石(Childrenite)だそうです.この鉱物は本邦の雪入山の燐酸塩ペグマタイトからも知られていますが,現存標本が少なく,比較できなかったため併記は避けました.
上の標本の褐色の部分は何かほかの鉱物かと思いましたが,鉄分で着色したパラヴォー石でした.
上の標本の産地は原産地標本で,文献の産出鉱物の表やWeb上の資料を参考にしたところ,熱水交代岩中の鉱脈鉱床のようです.細かく記載がないため詳しいことは判りませんが,母岩の一部に長石・雲母・石英が多少ついていました.
(以下,顕微鏡写真です)
石膏のような藍鉄鉱のような結晶の部分がパラヴォー石です.色のバラエティがあり前述のとおり,無色から淡青色・淡黄色・褐色などの色があります.
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