いくつかの研磨した石136
京都府南丹市美山町河内谷百合谷 百合谷鉱山の層状炭マンを一面研磨してみました.当地は丹波高地の中央部にありました.河内谷の入り口から百合谷まで原付で40分くらい要する奥にあって,過去2回ほど訪問しました.山元近くまで林道が伸びているので,走行距離は長いですが機動力があれば比較的楽にたどり着けました.上の標本は知人より恵与された標本で,裏面が一面二酸化マンガンの酸化被膜で覆われていました.今回はこの酸化被膜の部分を一面研磨しました.標本は90㎜×75㎜×20㎜の紙箱に入る大きさです.
標本の正面です.
(研磨)カリオピライトを挟んでいる以外は石英の混入も少なく,大きさの割には早く削れてくれました.#1000の合成砥石で表面を滑らかにして,仕上げは青砥でしました.
(以下,接写での拡大写真と顕微鏡下での拡大写真です)
接写での拡大写真です.層状のアズキ色を呈した炭マンです.主に菱マンガン鉱からなっています.褐色―赤褐色部はカリオピライトです.
顕微鏡下での撮影です.橙色部は色のやや淡いカリオピライトです.赤紫色の粒は放散虫か? 化石はあまり詳しくないので判りません.
緑泥石を含む脈の部分の拡大写真です.細かい石英脈が鉱石を切っています.
緑泥石部を観察していると,黄銅鉱が入っていました.帯緑黒色部が緑泥石です.黄鉄鉱もありましたが,緑泥石の部分にはほとんど無く,挟みとして入っている泥質岩中に自形結晶として微細なものが含まれていました.