初夏の滝巡り2 ―灰屋川の滝―
昨日の続きです.
今道の滝を辞して,上流にも滝がありそうと意気込んで,天候が妖しいなか上流へ遡りました.灰屋の在所を過ぎると府道は左岸に渡り,民家が切れた少し上流に大きな堰堤が見えた.一瞬でしたが堰堤の手前に小さな滝があるのに気付き,少し堰堤のところに戻って入川道から川に降りました.小字のようなものは地形図上では確認できないため,仮称「灰屋川の滝」としました.
灰屋川の滝.落差は3mくらい.近接して古びた堰堤があった.
拡大して.
望遠で色々な角度で撮影していたところ少し奇妙な点に気づいた.もしかしたら堰堤ができる前はもう少し落差があったかもしれない.
そう感じたのは落水口の両側がほぼ直角に切れていたこと.正面から見ると落水口の延長線上に堰堤の落水口が重なることでした.
堰堤工事の時に滝を工事して切ったのかもしれない.
正面から見たところ.赤線:人為的に切ったと思われる.オレンジ線:もとの露頭の高さと思われる推定線.
あくまでも推定なので確かなことは判らなかった.
灰屋川の滝の位置です.昨日更新した地図と同じものです.下の方に掲載しています.
追記
昨日の川原遊びで,サンプリングした石にちょっと気になる石がありました.川原は堰堤から直線距離で150mほど上流(方角は南)に遡ると三俣になり,ちょっとした渓流瀑がありました.この付近から少し上流に断層か何かで破砕された礫岩のようなものが転石としてよく見られました.
礫は玄武岩質の凝灰岩が緑色岩になったものが角礫で含まれていました.現場は露頭で,端を欠かしたものです.川原に多くみられる同様の外観の石よりもサンプリングした石は遙かに重く礫の間を白色の鉱物で埋めていました.
帰ってから,礫の間を埋めている鉱物を観察しました.観察していてはじめに浮かんだ鉱物は沸石でした.丹波Ⅰ帯とⅡ帯の境界付近なのでありそうでしたが,なにぶんそれにしては重量があるので不思議に思っていました.
全体を観察していると空隙がありルーペでははっきりと判別できなかったので,顕微鏡観察に切り替えました.
こちらがサンプルです.礫の割れ目に水酸化鉄が沈着して褐色になっています.比較的新鮮な部分は暗灰緑色を呈しています.くだんの充填物は白色の部分です.
顕微鏡で観察すると脈状になっている一部に空隙があり結晶を観察できました.破面が出ている部分を詳しく観察するとどうも重晶石(Barite)のようでした.
これなら全体的に重いのも納得ができました.細かくみていくと結晶は板状でした.母岩となる緑色岩との境界に黄鉄鉱も含んでいました.
空隙の拡大写真です.空隙の大きさ約10㎜.幅約3.5㎜
更に拡大したものです.結晶の表面に細かい水晶かなにかがコーティングされているようです.
思いもよらないところからの重晶石の産出でした.
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