初夏の滝巡り1 ―今道の滝―
先日,川遊びを兼ねて滝巡りをしてきました.昼頃より雷雨の予想が出る中,降ってきたら退散しようとしてました.はじめは川遊び..というより毎回どういう石が川原に流れているのか確認する意味の方が強く,思いもよらないところに坑口があったり露頭が出ていたりします.
今回は以前に桟敷ヶ岳に登った時にスタート地点に選んだ祖父谷川を見に行きました.国道477号から分かれて祖父谷峠の方へ遡って行った西側に大きな堰堤が見えてきて,一部が伏流になった大きな川原が見えてきました.
オフロード車が入った形跡がある大きな川原で,観察しました.川原の地点より少し登ると丹波Ⅱ型の地層が分布していて,川原はⅠ型との境界付近にある,というのをあとで地質図で確認しました
よく見られるのが塊状チャート.色は白色・灰白色・青白色のものが多く,黄鉄鉱を含んでいるものは表面が酸化して褐色に変色していた.
輝緑凝灰岩起源の緑色岩も多く見られました.角礫を挟んでいて時折大きな石灰岩のレンズを含んでいました.シュードフズリナと石灰藻は肉眼で判別できました.
ほかに水酸化鉄で汚染された層状チャートがあり,内部に石英脈に伴ってかなり肉眼的な黄鉄鉱を含んでいました.分解はほとんどなく二次鉱物は褐鉄鉱以外はありませんでした.
灰黒色の千枚岩~頁岩にも黄鉄鉱が鉱染していましたが,こちらも分解をほとんどしていないようで,やや新鮮でした.燐酸塩などの二次鉱物は期待薄のよう.
それからどこから流れてきたのか,黒雲母花崗岩が若干あった.地形図には流域に花崗岩体は図示されていないので,かなり小さな岩体があるのかもしれません.
暗雲が立ち込めてきましたので,河原から上がり次を目指しました.国道に戻って明るい方角に東進し灰屋川流域の分岐から芹生峠方面に取りました.
雲取(標高911m)を源流の一つとする竹次谷の分岐の先で,道路際に行き過ぎてしまいそうな滝への道標がありました.実際,一度通り過ぎてしまって,戻りました.
現地にある滝への道標.谷の入口にあり,谷筋の雑木が邪魔をしてよく見えない.この標識が出来たときには道路から滝が拝めたのかもしれない.
標識のあるところから谷の右岸に踏み分け道が薄っすらとついていましたので,少し登ると滝の水音が聞こえてきた.入口にいたときはすぐ近くの灰屋川の水音で掻き消されて,滝のありそうな雰囲気はあまり感じ取れませんでした.
暗雲がすでに立ち込めていたので,現場は暗くなっているのかと思いましたが,滝の部分だけ雑木林で北側が植林でした.木々の間から光が漏れていましたので,フラッシュを焚かずに撮影できました.
今道の滝.京都府京都市右京区京北灰屋町.
層状チャートと頁岩からなる緑色の苔と新緑とのコントラストが美しい滝でした.滝は4段に分かれているようで高さは20mくらいかと思う.
最上部はこんな感じになっていました.頁岩からできているようです.(足元が悪いため少しボケてしまいました)
こちらは中段.傍に生えている植物とのコントラストがいい感じ.
下段.こちらはチャートでできているらしい.足場が悪いためあまり近寄りませんでした.
全体的に水量が少ないので,雨上がりを狙ってヒルに食われないように注意してもう一度来ようと思う.
2に続く.
以下は周辺図です.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.
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