いくつかの研磨した石129
京都府相楽郡和束町撰原の紅柱石ホルンフェルスを一面研磨してみました.2005年頃に近くの園鉱山へ行ったときに帰りに寄ろうと思いましたが,どういう訳かその時は寄らず帰ってしまいました.その後にほかの標本店で岩石標本として購入しました.この付近は領家帯の花崗岩が分布していて,周りの堆積岩が広く熱変成を受けていていろいろな変成鉱物がみられました.購入後に裏面を磨れるような感じでやや平坦になっていたため,この裏面を一面研磨しました.
(研磨)ホルンフェルスなので硬いことを前提に磨り始めました.中途半端に風化しているためか思ったよりも簡単に削れてくれました.紅柱石の入っているところが予想通りやや硬いため,この部分だけが浮き上がるように凸部になってしまう.挟まっている結晶が柱状で不規則ではないためこの部分だけを荒砥で先行して磨って,周囲との高さを調整しました.仕上げは愛宕砥でしましたが,うまく光沢が出てくれず,砥石を替えてしましたが,うまくいきません.そこで中途半端に風化しているホルンフェルスで磨ったところ,及第点くらいの光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です.)
淡紅色柱状が紅柱石です.
菫青石が変質したものなのか,白色の粘土鉱物と,帯黄真鍮色金属光沢の黄鉄鉱が共存しています.黄鉄鉱はここ以外にも母岩の割れ目に広く鉱染していて,紅柱石の結晶の内部にも入っていました.
紅柱石の断面です.中央に白く光って見えるのは前述の黄鉄鉱です.写真では観察しづらいですが,小さいながらも立方体の結晶をしています.
柱面に直角に磨れてくれた紅柱石です.一般的に店頭販売にもみられる紅柱石と同様のものです.
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