いくつかの研磨した石130
兵庫県多可郡多可町糀屋新田 糀屋鉱山の緑泥石化した凝灰岩中の黄銅鉱を一面研磨してみました.以前にも方鉛鉱を含む石を研磨しましたが,今回は緑泥石化した凝灰岩中の黄銅鉱がありましたのでこれを一面研磨してみました.糀屋ダムの南詰めあたりにあり,西向いにある仕出原鉱山にも似たような石が出ています.当初は緑泥石のラベルを付けていましたが,少量の黄銅鉱が表面に見えていて,内部に入っている可能性がありました.黄銅鉱の表面の錆びが入っている部分から切断したところ上のような感じで入っていました.一部に間隙もあり,球状の緑泥石で埋まっていました.
(研磨)この石は実は使い古したノコギリで切りました.多少の石英が入っていたものの時間はかかりましたが何とか切断できました.飛び出た部分を荒砥で削り取り,平滑にしたのちに仕上げをしました.緑泥石が多かったので,光沢の出に差が出ることを前提にまず青砥で磨り始めました.予想通り黄銅鉱の集合しているところに石英がいて,この部分だけ先に光沢が出ました.緑泥石の部分は砥石を替えても光沢が出ず,研磨は終わりにしました.
(以下,拡大写真です)
黄銅鉱の多い部分.
石英.中央の鉄錆を纏っている白色半透明の部分が石英です.黄銅色金属光沢部が黄銅鉱.そのほかの暗緑色部が緑泥石類.
黄銅鉱の真ん中に少しだけ黒色の閃亜鉛鉱が入っていました.
当地からは,黄鉄鉱・黄銅鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱・四面銅鉱・石英・赤銅鉱・褐鉄鉱・方解石・孔雀石・水亜鉛銅鉱・水亜鉛土・石膏・ブロシャン銅鉱・サーピエリ石・緑簾石・異極鉱・緑泥石・氷長石などがみられました.