いくつかの研磨した石127
福岡県田川郡添田町桝田 妙法鉱山の輝安鉱脈を一面研磨してみました.学生の頃に2度訪問した鉱山です.一度目は知人に案内してもらって助手席に座っていたせいか,ほとんど覚えていなかった.2003年に英彦山駅から英彦山に登り,豊前坊まで歩いた時に少し思い出して,その後に鉄路で訪問した時にサンプリングしたものです.当初は「紅安鉱」のラベルを付けていたのですが,はっきりせずラベルを書き換えていました.その石が最近になって出てきました.ちょうど脈の部分をサンプリングしたらしく,上盤と下盤に花崗岩が少し残っていました.盤際をうまく一面研磨すれば面白いと思い,研磨にまわしました.
(研磨)輝安鉱と石英の組み合わせだから,前者のほうが先に摩耗することを考慮して,だめもとで一気に磨り上げました.やはり輝安鉱の部分が先に摩耗して凹部になってしまいました.黄白色部は黄安華かなにかアンチモンの二次鉱物のようで内部に輝安鉱が残っているのもありました.
(以下,顕微鏡写真です)
帯青鋼灰色金属光沢部が輝安鉱です.黄白色―褐色部はアンチモンの二次鉱物,白色半透明部は石英,乳白色部不透明部は長石です.
磨ったあとで顕微鏡を覗いていたら辰砂のような赤い鉱物がありました.当地の辰砂はもっと光沢が強く粒状のものが多いようです.色に品が無いようなので,メタ輝安鉱(Meta-Stibnite)か何かのアモルファスかもしれません.
こちらは研磨面の裏側にある紅安鉱です.今までルーペでしか観察できていなかったため紅安鉱に?が付いていましたが,顕微鏡で改めて観察すると紅安鉱でした.少し赤色みが足りないような気がしますが肉眼では深い紅色をしていました.
上の写真の拡大写真です.輝安鉱の部分も残っているようです.
おしらせ
本日 HP通販用商品を
1点 追加更新しました.