いくつかの研磨した石 126
茨城県日立市日立鉱山の菫青石を一面研磨してみました.最近,当地付近より新鉱物 日立鉱 が見つかって話題になりました.そちらの方は塊状の含銅硫化鉄鉱に微粒で含まれる鉱物のようで,新春交流会のときに初めて目撃した鉱物です.菫青石をそんなに珍しい石ではありませんが,不完全なものは各地の泥質ホルンフェルスや脈性ペグマタイトにも顔を出しています.変質すると桜石(地方によっては車石ともいう)になってしまう.風化すると緑泥石や白雲母へ変わるようで,各地で見つかっています.この石は最近になって整理していたら出てきました.割ったなりの粗末な石で,表面の大部分が白雲母になっていました.この一面だけを研磨に回しました.
(研磨)雲母が表面一面に広がっているので,柔らかいと思い一気に磨り上げました.幸い硬い石英などの鉱物は余り入っておらず,あっさりと磨り上がりました.仕上げは青砥と黄色の砥石でしました.
(以下,顕微鏡写真です.)
濃い青色の部分や薄いやや緑色がかった青色の部分が菫青石です.1枚目の写真とは色彩が異なりますが,光源の違いでこうなりました.一緒に入っている鉱物は灰白色の粒状や不定形塊状をなす部分は石英で,割れ目を充填するように入っている帯黄真鍮色金属光沢部は黄鉄鉱です.また白色でややガサガサしたように見える部分は雲母類でした.灰緑色で研磨面が六角に見え,ほかの研磨面よりやや凹んで見えるのは燐灰石でした.黄鉄鉱を詳しく顕微鏡で見ていると,俄かに赤色がかった金属光沢の鉱物があり,おそらく磁硫鉄鉱と思うのですが,小さすぎて判別できませんでした.
上の3枚は元からあった破面の拡大写真です.研磨するよりもこの方が色が濃いように思う.帯黄真鍮色金属光沢は黄鉄鉱,ほかのラメのように見えるのは雲母類です.
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