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いくつかの研磨した石 125

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 いくつかの研磨した石 125

 長野県飯田市南信濃八重河内小嵐川の紅柱石を一面研磨してみました.5年ほど前にサンプリングしたものです.当時,現場は雨が降っていて長居できなかった記憶がありました.小嵐川付近に中央構造線が通っていて美濃・領家・三波川の石が狭い範囲に集合していて,川でいろいろな石がみられました.サンプリングした石は3つほどで,雨が強くみていられませんでした.ほかのサンプリングした石は領家帯の花崗岩質岩に鉄電気石と石榴石が入ったもの,ホルンフェルスに菫青石とそれが分解してできた桜石様の鉱物が付いた石でした.この2者は紛失していまどこにあるのかわかりません.上の紅柱石だけ出てきました.

これが表面(研磨面ではない)です.片麻岩質で黒雲母の多い部分にも紅柱石が入っていました.黒っぽく汚らしかったので,この面を一面研磨するとこにしました.

 

(研磨)一面黒雲母に見えたので,簡単に磨り上がると思い一気に磨りました.やはり紅柱石のところが硬くて,お椀を盛ったように丸くなってしまう.荒砥(工業砥石の破片)で飛び出した部分だけ先に研磨し,凹みができるくらいまで磨ってから,凹みの部分に合うように回りを磨って合わしました.それでも黒雲母の多い部分は先に擦り切れてしまい,凹凸が出てきました.ある程度まで紅柱石が平坦になったところで,粗削りを終わりました.そのあとは青砥で磨っていたのですが,やはり光沢は余り出ないため,砥石を替えてふたたび磨りなおしました.納得ができるくらいまで頑張ろうと思いましたが,周囲の黒雲母の部分がうまく光沢が出てくれず,時間ばかりかかるためここで研磨を終えました.

 

(以下,顕微鏡写真です)

淡いピンク色のところが紅柱石です.光源の違いによりかなり淡い色に写りました.黒色針状に見えるのは黒雲母で,劈開面に直角に磨っているため針状にみえるようです.白い部分は石英です.

 

別の部分の拡大写真です.淡いピンク色の部分が紅柱石.白い部分は石英.黒い部分は黒雲母からなる部分,黄色い部分は紅柱石の周囲が白雲母に変質したものです.

 

黒雲母が集合した部分です.こういうところが研磨するのが大変だったところです.なかなか光沢が出てくれませんでした.

 

 

 顕微鏡でくまなく何が入っているか観察していると,凸部になった紅柱石の一部分に硬いコランダムが入っていました(写真中央のやや紫がかった青っぽいところ,レンズ状に見える部分).赤黒い部分や黒色の部分は黒雲母の集まったところ.黄色っぽい部分は紅柱石が分解して白雲母になった部分.白色―灰白色の部分は石英です.

 

 

 

 

 

 

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