いくつかの研磨した石113
山口県山口市阿東町川井山鉱山の藍銅鉱からなる石を一面研磨してみました.数年以上前にどこかのショーでサンプル購入しました.大きさが小さく,石の側面の真ん中付近に脈状になって入っていましたので,研磨していくと面白い石になるだろう,と思ってやってみました.当鉱床へは,すぐ近くまでは行ったことがありましたが,結局地元の人に聞いても,「向側の山にあった」というのを耳にするくらいでした.
(研磨)二次鉱物の塊なので,簡単に磨れてくれる思い,安易な気持ちで磨り始めました.表面はあまり色がきれいではない珪孔雀石に覆われていて,この部分は比較的早く削れました.下の方から藍銅鉱の青色が顔を出し始めるといよいよ硬くなってきました.なんでこんなに硬いのだろうと,研磨を休止して顕微鏡で確認してみると,中に微細な石榴石と石英が入っていました.磨って行くと中から未酸化の閃亜鉛鉱などが出てきて,このあたりで研磨を止めました.あまり磨りこむと二次鉱物の部分だけが削れてしまう恐れがあった.仕上げは初めに青砥で磨ったあとで,研磨チャートで表面を磨りました.やはり硬度の高い石榴石だけが光沢が出ていました.
(以下,顕微鏡写真)
鮮やかな青色部が藍銅鉱.緑色が孔雀石.ほかの白色っぽい緑色は珪孔雀石.
黄褐色部の粒状が石榴石.
母岩は二次鉱物で汚染された凝灰岩のようで,それらを切る細い脈で珪孔雀石が入っていたり,孔雀石があったりしています.そのほかの研磨面以外の部分にはブロシャン銅鉱や褐鉄鉱,水亜鉛銅鉱などが付いていました.
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